こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は「福祉住環境」の中から、『認知・行動障害』について3回にわけて書いていきます。今回は1回目です!
高次脳機能障害の9つの症状について
Contents
1.高次脳機能障害とは?
1⃣9つの症状
2.リハビリテーション
3.生活上の不便・不自由
4.生活上の配慮・工夫(介護)
5.福祉住環境の4つのポイント
1.高次脳機能障害とは?
大脳が担う機能のうち、「注意」「言語」「思考」「認知」「推論」「学習」「行為」など複雑な精神活動を高次脳機能と言い、脳血管障害や交通事故などによる外傷性脳損傷、低酸素脳症、脳炎、脳腫瘍などが原因で脳に損傷を受け、それらの機能が障害された状態を高次脳機能障害といいます。
1⃣9つの症状
高次脳機能障害の9つの症状とは
❶注意障害
・1つのことに長時間集中できず、気が散りやすい
・複数のことを同時にしようとすると混乱する
・ミスが多い
❷記憶障害
・新しいことを覚えるのが難しくなる
・同じことを繰り返して質問する、日付・時間を間違える、場所が分からなくなる、など
・重度の場合、作話し、周囲が否定しても聴かないことがある
❸遂行機能障害
・目標設定→計画→手順→実施→結果確認、という一連の作業が難しくなる
・生活に必要なことを遂行するスピードが遅くなる
❹社会的行動障害(行動と情緒の障害)
・感情のコントロールが出来ない
・無気力で自発性が低く、自分からは行動しない
・場にそぐわない行動をし、適切な人間関係を作れない
❺失語
・「話す」「聞く」「書く」「読む」という言語機能の一部または全部に障害があり、言葉による意思疎通が困難となる
❻失行
・手足の麻痺はないのに、日常動作・行為などがうまくできなくなる
・今まで使えていた道具が使えない、「服が着られない」など
❼失認
・他の知覚手段では認識できることが、ある特定の知覚手段では認識できなくなる
・視力に問題はないにも関わず、目で見ただけではその物体が何かわからない
❽半側空間無視
・損傷した脳の反対側の空間に注意が向けにくくなる
・左右どちら側にもみられるが、「左半側空間無視」が圧倒的に多い。歩行時左側にある障害物に気付かずぶつかる、紙の左側に書いてある時や絵を見落とす、など
❾身体失認
・自分の体についての意識に異常がみられる
・自分の半身(麻痺のある側)について無関心になる、自分の体が自分の物でないように感じる、など
他の『高次脳機能障害』記事はこちらから・・・
【片麻痺の観察と支援】と4つの場面(食事・入浴・排泄・外出) vol.28
【①認知・行動障害】高次脳機能障害とは?福祉住環境の4つのポイント vol.156
【❶高次脳機能障害とは?】高次脳機能障害の判断基準 vol.267
【❷高次脳機能障害とは?】障害の主な4つの原因、身体的・心理的側面への影響 vol.268
【❸高次脳機能障害とは?】障害の特性に応じた支援と留意点 vol.269
【❶高次脳機能障害の人へのコミュニケーション支援】社会的行動障害の8症状 vol.461
【❷高次脳機能障害の人へのコミュニケーション技術】半側空間無視・遂行機能障害の基本的対応 vol.462
2.リハビリテーション
2022.4.11 ❷画像下「症状そのものを改善させる訓練」のほか、「代償手段を獲得するための訓練」、「本人の障害認識を向上させるための訓練」、などがあります。
他の『リハビリテーション』記事はこちらから・・・
【QOL】高齢者リハビリテーションの3つのモデルと自立支援 vol.166
【障害者のADL】リハビリテーションの段階と障害受容について vol.170
3.生活上の不便・不自由
脳損傷の部位と広がりにより様々な症状が、「単独」または「複数」が混在して出現します。
「症状が外見からは見えにくい」「本人の障害認識が欠如」「自宅や慣れた場所では出にくい」が新しい場所では顕著になるなど、環境や状況により現れ方が異なり、入院中気付かれなかった問題が日常生活に戻ってから顕在化してくることが多いです。
4.生活上の配慮・工夫(介護)
2022.4.11 ❸画像下【適切な対応と環境設定」
- 症状に合った代償手段の活用:予定を覚えられない場合のメモ活用など。本人が使い慣れ、関心や興味があるものを使用する。
- 生活環境の単純化:シンプルでわかりやすい環境にする。
- 行動の単純化:毎日のスケジュールを決め、予定表を作る。
- コミュニケーションの工夫:要件は、出来る限り1つずつ、簡潔で、明確な言葉で伝える。文字、絵、記号、などを利用する
・必要以上に保護的になったり過度の期待を掛けたりせず、本人の心理的安定に配慮する。
・周囲からの分かりにくさや本人の障害認識の低さから、家族は心理的に孤立しがちになる。※家族が心身を休養させることが出来る場所や機会をもてるように配慮します。
5.福祉住環境の4つのポイント
4つのポイント
❶安全な環境
⓵注意力低下、安全への配慮が出来にくい、身体機能障害などにより転倒の危険性が高い➡床段差解消
⓶階段や浴室などに手すり設置、など
❷慣れた環境
⓵新しい環境には適応しにくい➡出来る限り発症前の住環境で生活する
⓶転居や改修が必要な場合➡間取りを大きく変えない、使い慣れた家具を配置する、など
❸シンプルな環境
家具や器具は出来る限り少なく、使用方法が簡単なものにする
❹落ち着ける環境
本人が心理的に安らぐことができ、休息の出来る空間を確保する
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