障害の理解

【❸高次脳機能障害とは?】障害の特性に応じた支援と留意点 vol.269

2021-03-09

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「障害の理解」の中から『高次機能障害』について、今日と明日、明後日の3回に分けて書いていきます。

高次脳機能障害者の年齢による福祉サービス表

Contents

1.高次脳機能障害の特性に応じた支援
 1⃣高次機能障害者に対する相談支援
 2⃣高次脳機能障害と福祉サービス
 3⃣症状に応じた支援
●環境調整:認知障害に対する支援
●環境調整の具体例
  ●社会的行動障害に対する支援
 4⃣高次脳機能障害の原因疾患、年齢と福祉サービス(表)
 5⃣家族支援

1.高次脳機能障害の特性に応じた支援

1⃣高次機能障害者に対する相談支援

かつては、身体障害を伴わない場合、高次脳機能障害は福祉の対象にならず、退院後は何の支援も補償も受けられずに、本人も家族も苦しんできました。

その後、2001年度(平成13)から、高次脳機能障害支援モデル事業が開始され、

「高次脳機能障害診断基準」をはじめ、

「高次脳機能障害標準的訓練プログラム」

「支援ニーズ判定票」

などが作成され、徐々に支援のための土台整備が進みました。

そして、高次脳機能障害は、日常生活や社会生活に制約があると診断されれば、器質性精神障害として「精神障害者保健福祉手帳」の対象とされるようになりました。身体障害もある場合には、「精神障害者保健福祉手帳」に加えて「身体障害者手帳」の申請も可能です。
※18歳未満で発症した場合は、居住する管轄の自治体の指定期間で知的障害と判定されれば「療育手帳」の申請も可能です。

高次脳機能障害者に対する相談支援は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律である障害者総合支援法の地域生活支援事業に定められ、市町村が行う一般的な相談支援のほか、都道府県が行う専門性の高い相談支援に位置付けられています。

都道府県は、高次脳機能障害者の支援拠点機関を設置し、そこに支援コーディネーターを配置して、専門的な相談支援や関係機関とのネットワーク作り、福祉関係者を対象とした研修などを行い、高次脳機能障害者支援に関する啓発や普及を行っています。

2⃣高次脳機能障害と福祉サービス

高次脳機能障害と福祉サービス

身体障害がない場合でも、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けられるようになったことにより、障害者総合支援法に基づいて障害者福祉サービスを利用することも可能となりました。

介護保険制度による介護サービスは、原則65歳以上で支援や介護を必要とすると認められた人が対象となりますが、高次脳機能障害の原因疾患の1つである脳血管障害による場合は、支援や介護が必要であると認められると40歳から対象となります。

ホームヘルプやデイサービス、入所施設などの介護サービスの利用が可能ですが、介護サービスは障害福祉サービスより介護保険サービスが優先されます。しかし、

  • 自立訓練
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援

など、介護保険制度にないサービスについては、障害福祉サービスを利用することが可能です。

3⃣症状に応じた支援

●環境調整:認知障害に対する支援
環境調整

高次脳機能障害のある人が出来る限り自立した望む生活を実現するためには、持っている力を発揮できるように安心して過ごせる環境を整えることが重要です。これを「環境調整」といいます。

高次脳脳機能障害支援における環境調整の考え方は・・・

  • 物理的環境:鍵や財布など大切なものの置き場所を決める
  • 構造化:ルールや日課(1日のやることや順序、時間)を一定にする

などです。この「構造化」は、複雑なものを段階的に小さなものに分けて分かり易くすることで、高次脳機能障害のみではなく、発達障害や認知症のある人の支援においてもよく用いられます

また、環境調整では本人の症状に合わせて認知障害によって苦手になった事を補う、または代替する方法を検討して用います。

認知症状
●環境調整の具体例
環境調整の具体例

下記が環境調整の具体例となります。高次脳機能障害の症状は個人差が大きいので、その人の症状にあった調整が大切になります。

  • 薬の飲み忘れや飲み間違いが起こらないように、日付を記入した袋にっ薬を入れカレンダーに貼り付けておく。飲み終えたら空袋を決まったところに保管し確認してもらう。
  • 調理の際に火を消し忘れないようにタイマーをセットする。
  • カレンダーやメモリーノートを活用し、スケジュールや日課を忘れずにい覚えて置く代わりに書き留めておく。
  • 調理の手順書を作成し、調整台の前に貼り付ける。
  • 冷蔵庫に入っているもの、消費期限・賞味期限のリストを冷蔵庫のドアに貼る。

これらの方法は特別なことではありませんが、重要な事は専業主婦と単身生活の場合では、家事に対する支援ニーズが異なる可能性が高いように、その人の生活様式と症状に合わせて工夫することが大切です。

●社会的行動障害に対する支援
社会的行動障害の症状

社会的行動障害の症状も様々です。自宅に訪問して生活面の支援をする場面で、特に感情コントロールの低下により。急に怒り出して興奮が治まらないことがあると支援が進まなくなってしまいます。その場合、まずは場面や話題を変えると興奮が治まることがあります。本人がイライラした様子の際に、注意や説得をしようとするとかえって興奮しやすくなるので注意が必要です。

何度か接していると、その人がなぜイライラしているのか、きっかけとなる言葉や場面が分かる場合があります。支援としては、自分の感情の出方に気付き、コントロールの仕方について学べるように、落ち着いた状態になってから社会的に好ましい行動を伝えることが重要です。

また、本人をサポートする家族や支援者とも連携しながら、

  • 周囲の人それぞれが一致した対応が出来ているか
  • 不安が生じるような事態が起きていないか

など、状況を確認していくことも必要です。

もしも繰り返し症状がみられる時には、高次脳機能障害を支援する機関の専門スタッフなどから助言を受けることや、精神科受診を勧めることが必要な場合もあります。

4⃣高次脳機能障害の原因疾患、年齢と福祉サービス

5⃣家族支援

退院後、高次脳機能障害に初めて気づくのは家族の場合が多く、その後は回復への期待や不安、対応の分からなさや、それまでの生活の喪失感など、様々な思いがのしかかります。

家族が出来る限り障害を理解し、家族としてサポート出来るようになるためには家族支援が重要になります。

医療機関等においては専門スタッフによる家族支援を行っているほか、高次脳機能障害支援拠点機関等では、高次脳機能障害に関する研修会を開催し、障害とその対応方法について学ぶ機会を提供しています。

高次脳機能障害支援拠点機関とは?

高次脳機能障害者に対する専門的な相談支援、関係機関との支援ネットワークの充実、高次脳機能障害の正しい知識を促進するための普及・啓発、高次脳機能障害者の支援手法等に関する研修等を行い、高次脳機能障害者に対する支援体制の確立を図ることを目的として都道府県が指定する機関です。2017年度(平成29)は、全国で104の支援拠点機関が指定されています。

また、当事者家族会も各地で立ち上げられており、家族が家族を支える新たなサポートの場が広がりつつあります。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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