生活支援技術Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

【⑦自立に向けた食事介護】10の他職種の役割と介護福祉職との連携 vol.494

2021-10-20

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「生活支援技術」の中から『自立に向けた食事介護』について7回に分けて書いていきます。今日は最終の7回目です。

食事介護における多職種連携の必要性

Contents

1.食事介護における多職種連携の必要性
2.他職種役割と介護福祉職との連携
 ❶医師
 ❷歯科医師・歯科衛生士
 ❸看護師
 ❹薬剤師
 ❺臨床検査技師
 ❻理学療法士(PT)
 ❼作業療法士(OT)
 ❽言語聴覚士(ST)
 ❾管理栄養士・栄養士
 ❿介護支援専門員:ケアマネジャー

1.食事介護における多職種連携の必要性

食事は人が生きていく上で欠かせない行為であり、QOL(Quality of Life:生活の質)を向上させるために重要な役割を果たしています。

介護福祉職は、利用者がいつまでも、「美味しく」かつ「楽しく」そして「安全に」食事が摂れるよう支援していくことが求められます。

介護を必要とする高齢者や障害のある人は、様々な疾患や障害により咀嚼や嚥下機能が低下していて、誤嚥や窒息事故を招く恐れがあります。

また、体力低下が著しく栄養摂取が必要であるのに食欲が無かったり、病気のため食事や水分の制限が必要であったり、口腔機能に問題があったりと、食事の際に求められる課題は多岐に渡ります。

介護福祉職は、日々、利用者の日常生活に密接に関わるという特性から利用者の心身の状態把握を1番近くで行うことが出来るといえます。食事や水分摂取の状況・状態、口腔機能の状態等、食事に関する部分から得られた情報は、他の専門職に報告・相談を行い、連携・協働を図りながら支援にあたることが求められます。

2.他職種役割と介護福祉職との連携

利用者のより良い生活に向けた食事の介護をするにあたって他職種との連携は欠かせません。

連携する職種として、

  • 医療関係職:医師、歯科医師、歯科衛生士、看護師、薬剤師、臨床検査技師
  • リハビリテーション関係職:理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)
  • 栄養面の管理・指導、料理:管理栄養士、栄養士、調理師
  • サービス内容や社会資源の調整:介護支援専門員(ケアマネジャー)

など、多職種協働チームアプローチによって解決していくことが重要です。次項からさらに細かくまとめていきます!

❶医師

介護福祉職は、利用者の日々の食生活に直接関わります。その中で、食欲不振や摂食・嚥下状態の問題、体重の減少など状態の変化や異変に気付くことがあります。そのような場合は、速やかに医師に情報提供し、診察へ繋ぐことが必要となります。

医師は、介護福祉職からの情報を含めて診察を行死、検査等を経て診断を下します。そして、病気の治療にあたります。

投薬や検査、訓練の指示、さらには生活のアドバイスや食事制限等の生活管理も医師が行います。

口から食べられない、食べられても十分な量を摂取出来ない状態が続けば、低栄養・脱水症状を招き、状態が悪化すれば生命にかかわる問題となります。

これを避けるために、別ルートからの栄養補給として経静脈栄養(中心静脈栄養や抹消点滴)や、経管栄養(経鼻経管栄養や胃ろう・腸ろう等)を検討し、実施する場合があります。その判断および、本人・家族への説明、実施の指示等は医師が行います。

❷歯科医師・歯科衛生士

虫歯で歯が傷む場合は、しっかり噛むことが出来なくなります。また、加齢に伴い、歯茎がやせたり、筋力の低下に伴い口腔内の状態が変化することがあります。それにより、義歯である入れ歯がぐらついたり、噛む力が低下したり、傷みが生じたりすると、食べることに支障が生じます。

虫歯や歯周病等により自分の歯を失った場合には、義歯(入れ歯)を使用することもあります。

介護福祉職は利用者の食事摂取の様子を観察し、しっかり噛めているかを確認します。また、口腔ケアの際にも口腔内の状態を確認しましょう。

利用者の訴えを聞くなどして咀嚼に問題が無いか注意を払い、不具合がみられた場合、また、むせが多くみられたり、飲み込みが上手く出来ない場合など嚥下障害が疑われるときには歯科受診に結びつけます。

歯科医師は、

  • 虫歯の治療
  • 義歯(入れ歯)や補助具の作成
  • 誤嚥の有無と嚥下の状態

などを調べます。

嚥下障害があると疑われる場合には、どこにどのような問題が起きているのか、誤嚥が生じているのかを見極めて対策を立てます。

口腔内の健康管理においては、歯科衛生士のサポートも重要です。

  • 歯の磨き方や指導
  • 義歯の手入れの指導
  • 嚥下体操の指導
  • 口腔ケアの助言や指導、相談

などにあたり、介護福祉職と連携していきます。

❸看護師

介護福祉職は、利用者の日々の食事介助を通し、飲み込む時にむせる、咳きこむ、食べ物が口の中に残る、食べるのに時間が掛かるなど、食事摂取時の異変を感じたり、食欲や食事摂取量の低下に気付くことがあります。そのような場合には、まず看護師に報告・相談することが大切です。

看護師は、利用者の食事時の摂取状況、食事・水分摂取量、心身の健康状態についての把握を図り、介護福祉職絵の助言や指導を行います。

健康状態に問題がある場合は、意思への報告を行い、医師の指示に基づいた対応をはかります。

嚥下障害により食事介助の難易度が高い利用者の場合は、看護師自ら食事介助にあたるほか、介護福祉職や家族に対して安全なそ食事介助の仕方を助言・指導します。万一、食事中に知っ食した場合には応急手当てにあたります。

また、医師の指示に基づき、点滴や経管栄養の実施に携わるとともに、介護福祉職が行う経管栄養の指導にあたります。

❹薬剤師

介護福祉職は、利用者の服薬介助にあたります。しかし、利用者が薬をなかなか飲み込めなかったり、むせてしまったりする場合があります。また、併用薬や健康食品との飲み合わせで、強い副作用が出たり、薬の効果が弱まったりする場合があります。

そのため、介護福祉職は、注意しておくべき副作用などを把握しておく必要があります。副作用と思われるような症状が出た場合は、薬剤師に報告・相談を行います。

薬剤師は嚥下が困難な人への薬の処方を工夫し、安全に薬を飲み込むことが出来るよう取り組みます。また、薬の保管方法、服用にあたっての注意点、副作用の説明等を介護福祉職や家族に行います。

❺臨床検査技師

摂食・嚥下障害が疑われる場合には、どこがどのように問題なのかを正確に把握することが必要となります。医師は「スクリーニングテスト」(質問紙や反復唾液嚥下テスト等)や、パルスオキシメーターで血液中の酸素濃度を測る、聴診器で肺やのどの呼吸音を聞く、内視鏡による検査等を実施するとともに、X線検査(造影剤を使用してX線で動画を見る嚥下造営検査)をもとに判断を下します。

臨床検査技師は医師の指示に基づいて必要な検査を行い、医師に報告します。

※スクリーニングとは??▶ 摂食・嚥下障害が疑われる人に簡易なテストを行い、摂食嚥下機能が正常であるかどうかを判定する方法のこと。

❻理学療法士(PT)

食事の際は、食事を摂るのに適した座位姿勢の確保とともに、上肢の活用が必要となります。介護福祉職は、利用者が食事をする時の姿勢や上肢の活用状態を観察し、理学療法士(PT)に助言や指導を求めます。

理学療法士(PT)は、利用者の体幹訓練などの身体機能へのアプローチ、使用する椅子やクッション等を利用した座位姿勢の改善等を通して食事に適切な座位姿勢の確保を図ります。

また、上肢の機能の維持や回復に向けた訓練を行うことで利用者の食事の安全と自立を支援します。

❼作業療法士(OT)

食べ物は食器に盛り付けられ、箸やスプーンを使用して食べます。麻痺があったり、筋力低下、手先の遅効性が損なわれている場合などは、上手に食べることが出来なくなります。

介護福祉職は利用者の食事摂取の様子を観察し、スムーズに食器や橋、スプーンを羽化得ているか、不自由さを感じていないかを見守ります。

問題がみられる場合には作業療法士(OT)に相談します。

作業療法士は、食事摂取の際、利用者のどこがどのように問題となっているかを見極め、食べる動作に関連した訓練や食器の工夫、箸やスプーン等の自助具の選定を行い、食べることをサポートします。

❽言語聴覚士(ST)

介護福祉職は利用者の日々の食事介助にあたる中で、摂食・嚥下状態に異変や問題を感じた場合は、言語聴覚士(ST)に報告・相談します。

言語聴覚士は食事の支援にあたり、摂食・嚥下障害の評価をもとに食べる力を取り戻すための訓練の実施及び指導にあたります。

利用者への摂食指導を行うほか、介護福祉職や家族に対する食事介助の指導、嚥下体操の指導を行います。

❾管理栄養士・栄養士

利用者に食欲がみられない、食べ残しが目立つ、食べ物を噛むのが困難であるといった問題がみられるほか、病気等により食事制限が必要で治療食が必要な利用者に対しては、医療職と共に管理栄養士や栄養士との連携が大切となります。

管理栄養士や栄養士は、利用者の症状に合わせた栄養の摂り方や食事内容を提案したり、栄養面に考慮した献立の作成、調理方法の指示を行うほか、高度な専門知識に基づいた栄養指導を行います。

管理栄養士

他の『管理栄養士』記事はこちらから・・・
【②家事介護における多職種との連携】施設の場合 vol.482

❿介護支援専門員:ケアマネジャー

介護支援専門員であるケアマネジャーは、ケアプラン(居宅サービス計画又は施設サービス計画)を立案します。その際に利用者の食事に関するアセスメントを行い、利用者の意向に沿いながら心身の状態に合わせて食事に関連する課題を解決できるよう目標を設定します。

各サービス運営者と連絡・調整を行い実際に介護サービスを受けられるようコーディネートします。サービス担当者会議(居宅サービス計画の策定にあたって介護支援専門員が開催する会議)を開催し、目標を全てのサービスにかかわる職種及び利用者・家族と共有します。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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