障害の理解

【内部障害】狭心症・心筋梗塞・心不全の特性と支援 vol.96

2020-09-17

こんにちは 介護ラボ・kanalogのカナです。今日は・・・

見えない障害・心臓機能障害とは??

Contents

1.心臓機能障害
 1⃣心臓機能障害とは
  ❶狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)
  ❷心不全
  ❸不整脈
 2⃣障害の原因
 3⃣障害の特性の理解
  ❶身体・心理的特性の理解
  ❷生活面の理解
  ❸社会的課題の理解
  ❹障害のある子どもの理解
 4⃣障害の特性に応じた支援
  ❶生活支援上の留意点
  ❷チームアプローチ
  ❸制度や社会資源の活用

1.心臓機能障害

1⃣心臓機能障害とは

心臓機能障害

心臓機能障害とは、心臓のポンプ機能(収縮と拡張を繰り返す事で肺や全身に血液を送るはたらき)が低下し、日常生活に支障をきたす状態をいいます。
心臓機能障害によって身体障害と認定されるためには、医学的に確認できる一定の状態の変化に加え、生活の中で心不全症状、狭心症症状、危険な不整脈がみられる、又はペースメーカーを埋め込んでいたり、人工弁移植や弁置換を行っていたりすることが基準になります。

❶狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)

虚血性心疾患とは、心筋に酸素や栄養を送る冠(状)動脈の内腔が狭くなる(狭窄)こと(動脈硬化)によって、血液を十分に供給することが出来なくなり、心筋が酸素欠乏になる状態(虚血)を指します。

  • 狭心症:一過性の心筋虚血
  • 心筋梗塞:心筋の壊死に至る
狭心症

狭心症には、ある一定の強い活動や精神的緊張で前胸部の圧迫感や締め付けられる感じ(絞扼感)が出現する「労作性狭心症」と、安静時に起こる「安静時狭心症」があります。
症状としては前胸部の圧迫感や絞扼感のほかに、左肩から左上腕痛、歯痛等も併用することもがあります。通常はそれらの症状が数分間持続し、ニトログリセリン製剤の舌下錠や舌下スプレーによって軽快します。
心筋梗塞では、30分以上持続する強い共通が特徴的です。

❷心不全

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下することで、心臓の内圧が上昇し心拍出量が低下した結果、臓器のうっ血や呼吸困難、易疲労(疲れやすい)をもたらす症候群です。

心不全は、右心不全と左心不全に分けられますが、高齢者では両心不全が多く、ほとんど全ての心疾患の最後に行きつく状態と言われています。

左心不全は、左心室のポンプ機能の低下で、肺動脈から左心房へ戻る血流が肺循環系で停滞した状態です。呼吸困難と咳、痰が代表的な症状で、患者は臥床(寝ている状態)より、起座位(起きて座っている状態)の方が呼吸が楽に感じられ、自然と座位をとるようになります(起坐呼吸)。

左心不全が長期化することで、肺動脈の抵抗が高まり、右心室から右心房、さらには静脈系の圧が高まり右心不全を発症します。四肢や背部にも浮腫がみられるようになります。

児における心不全症状

小児における心不全症状は、先天性疾患によるものが多く、継続的な医療を必要とし発育障害を伴うことがあります。

❸不整脈

不整脈とは、心臓の拍動や異常になる状態(頻脈・徐脈・脈がとぶなど)を指します。

徐脈性の不整脈では状態によってペースメーカーの植込みが行われます。多くは前胸部の皮膚の下に発信機を埋め、そこから心臓まで達するリードを通して人工的な電気刺激を送り、正常な速さの脈を作り出す装置です。

心室細動、心室頻拍のような状態が起これば心拍出量がなくなり致命的になります。

植込み型除細動器は、ペースメーカーと同様に埋め込まれ、発作を感知して即座に電気治療を行い、脈を正常に戻す装置です。これらの装置は薄くて軽いため、着衣の状態で外見上目立つことはありません。

ペースメーカーとは?

本体に電池と電気回路が密封され、心臓内に留置した同線(リード)と接続している。本体は左または右の前胸部に埋め込まれることが多い。電池は外部からの充電は出来ず、一般的には5~10年ほどで交換する必要がある。

植込み型除細動器とは?

体内から除細動(電気ショック)を行う装置。リードと呼ばれる電線を通して常に脈を監視している。危険な頻脈を感知すると、心臓に電気ショック(直流除細動)を与えて正常な脈拍に戻し、突然死を防ぐ。

2⃣障害の原因

心不全のほどんど全ての心疾患が最後に行きつく状態であり、

  • 虚血性心疾患
  • 高血圧
  • 頻脈性不整脈
  • 拡張型心筋症
  • 弁疾患
  • 先天性心疾患

などが主な原因です。

狭心症や心筋梗塞(虚血性心疾患)の原因

狭心症や心筋梗塞(虚血性心疾患)の原因は「動脈硬化」です
動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして働きが悪くなる状態を指します。長期間に渡る高血圧や糖尿病などによって血管の内側の細胞が傷つけられ、血管壁の中に脂肪物質がたまって粥状になります。それが次第に厚くなったり崩れたりして血栓を作り、血管をふさぐことが分かっています。その結果、心筋の細胞に酸素や栄養が供給されない状態となります。
※動脈硬化に至る危険因子は「脂質異常症」「糖尿病」「高血圧」「肥満」「喫煙」「加齢」です。

3⃣障害の特性の理解

心臓機能障害のある人は、易疲労感や息切れしやすいなどの自覚症状がありますが、日常生活動作を自力でこなしていたり、通院や生活管理をしながら仕事を続けていたりする人もいます。

外見からは障害が分かりにくいため、周囲の人に理解されにくいという問題があります。

❶身体・心理的特性の理解

心臓機能障害は、

  • 呼吸困難
  • 息切れ
  • 動悸
  • 浮腫
  • 体重増加・減少
  • 易疲労感
  • 疼痛
  • 倦怠感
  • 抑うつ
  • 不安
  • 睡眠障害
  • 認知障害
  • 食欲不振

と、多彩な症状を示します。

精神的ストレスが心臓疾患の重要な危険因子であることは知られていますが、心臓機能障害のある人にとっても、精神的ストレスは症状を悪化させる要因になります。

また、体力低下の症状があるために他の病気になりやすい、風邪をひきやすいという特徴を持っています。

特に高齢者では、同時に多くの疾患を合併している割合が多くなっています。複数の疾患が関連し合いながら、心不全の急性増悪(症状が急に悪化すること)と改善を繰り返しながら、徐々に悪化するという経過をたどるため、それに伴って生活面での障害も大きくなっていきます。

❷生活面の理解

心臓機能障害のある人は、一般的に食事(塩分)制限、水分制限、安静と運動の管理、禁煙、内服薬の継続、感染防止など日常生活での留意事項が多く、それらの制限の中で日常生活を送っています。

身体的症状に加え、抑うつなどにより引き起こされる活動制限は、精神的ストレスとなります。精神的ストレスに加え、生活管理を続ける意思の低下によっても症状を悪化させたり、さらに参加制約を引き起こしたりする危険性もあります。

障害と上手に付き合う技術を本人と支援者が理解し、実践することが重要です。

❸社会的課題の理解

社会的課題として、不整脈がある人の車の運転や就労にかかわる問題もあります。

自動車の運転中に不整脈による意識消失、あるいは意識混濁をきたす場合には、正常な運転が不可能となって重大交通事故を起こし、本人だけでなく他人の生命や身体を害する危険性が高いからです。

道路交通法第90条及び第103条では、「発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であって政令で定めるもの」にかかっている人は運転免許を拒否又は保留(第90条)、運転免許の取り消し又は効力の停止(第103条)とすることが定められています。

障害がある人にとっては人混みで不用意に電磁波にさらされないために、自動車を利用することが安心に繋がりますが、失神発作などによる二次災害防止のうえから、出来る限り運転は控える方がよいでしょう。

またICDを装着している人については、自動車運転免許の取得・更新には医師の診断書が必要です。

❹障害のある子どもの理解

心臓機能障害のある子どもについては、身体面・心理面のみならず教育や社会経験といった成長に応じた発達を支えること、保護者による生活の管理から本人による管理に移行し社会生活に適応していくことなど、ライフイベントに対応した身体的・心理的・社会的な多岐に渡る課題があります。

4⃣障害の特性に応じた支援

❶生活支援上の留意点

心臓機能障害のある人は、日常生活での留意事項が多く、それらに対するコンプライアンス(医療者の指示や指導に従うこと)が体調維持のかぎになります。

正しく理解したうえでの忍耐強い自己管理が求められています。

介護福祉職は利用者の健康状態の観察が適切に行えるようにしておくこと、医療職との連携のもとに個別の利用者の日常生活上の留意事項を知り、適切な自己管理が行われているのかを観察できるようにしておくことが求められます。

また、利用者が障害についてどのように理解しているのか、どのような生活を望んでいるのか、精神的ストレスを抱えていないかなどについても把握し、支援していくことが求められます。

認知機能の低下などによって、これまで出来ていたことが自分では難しくなってくるといった事態もあります。

日々変化する生活の状況を正しく博することが重要です。

❷チームアプローチ
心臓機能障害のある人の日常生活

心臓機能障害のある人の日常生活においては、個別の状況に応じて、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、リハビリテーション専門職といった医療職による疾患とその管理評価に加え、医療ソーシャルワーカー、介護支援専門員、介護保険サービス担当者、介護福祉士などによる生活の現況把握、さらには本人や家族たちの意志や希望をすり合わせるなどのチームアプローチが重要になります。

心臓機能障害のある子どもの場合

心臓機能障害のある子どもの場合には、成長段階に応じて医療機関に加え、福祉事務所、児童相談所、児童福祉施設、障害児の通園施設、療育センター、保育所・幼稚園、学校、地域の子育てサークルやボランティア、NPO、親の会、家族の会といった広範囲でのチームアプローチが必要になってきます。
原因となる疾病の状況や発達段階、家族を含めた周囲の環境によって課題は多様であり、かつ変化していくため、チームを構成する職種・機関も状況に応じて変化していきます。

チームケアにおける介護福祉職の役割

チームケアにおける介護福祉職の役割としては、利用者のADLの状況、活気、食欲、浮腫、排泄の状況、体重、呼吸状態等、日常生活場面における症状の変化に留意しつつ、障害を持ちながらの生活に対する本人の思いに寄り添う姿勢が重要です。

❸制度や社会資源の活用

社会保障の側面からは、心臓機能障害のために身体障害者手帳を取得していると、

  • 税金の控除
  • 交通機関の割引
  • 駐車禁止等除外標章の発行

など、様々な公的支援や医療費の助成を受けることが出来ます。

その他に心臓ペースメーカー植込み後、患者に対して発行される「心臓ペースメーカー手帳」には、患者自身の住所、氏名などの個人情報に加えて、心臓ペースメーカーとリードの機種、適応疾患、設定など心臓ペースメーカーに関する情報が個別に書かれています。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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