こんにちは 介護ラボ・kanalogのカナです。今回でリハビリについて3回目!
リハビリの専門職と健康・ADLの概念
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リハビリテーションに従事する主な専門職
1⃣理学療法士
理学療法士(PT:Physical Therapist)とは、病気、けが、高齢。障害などによって運動機能が低下した状態にある人に対し、運動機能の維持・改善を目的に行う運動療法や、温熱、電気、水、光線などを用いた物理療法などの理学療法を実施する専門職です。
理学療法士及び作業療法士法で「理学療法」は、
✅『身体に障害のあるものに対し、主としてその基本的運動能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう』
とあります。
運動療法でや物理療法を主な手段として、本人の運動機能の獲得や、基本的な姿勢、動作の習得、またその動作をもとに生活機能を高め、社会での活動や参加へ繋げる役割を担っています。
2⃣作業療法士
作業療法士(OT:Occupational Therapist)とは、
基本的な運動能力から、社会の中に適応するまでの3つの能力、
◉基本的動作能力
◉応用的動作能力
◉社会的適応能力
を維持・改善し、その人らしい生活の獲得を「作業」を通して実施する専門職です。
理学療法士及び作業療法士法で「作業療法」は、『身体又は精神に障害のあるものに対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせることをいう』とあります。
作業療法の主な手段として、生活機能を高め、社会での活動や参加に繋げる役割を担っています。
3⃣言語聴覚士
言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapist)とは、
言語聴覚士の業務は、「音声機能、言語機能または聴覚に障害のあるものについてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行う」とありますが、言語や聴覚ばかりではなく、音声、認知、発達、摂食、嚥下にかかわる障害に対しても、必要に応じて訓練や指導、支援などを行う専門職です。
※昨今は摂食や嚥下についても他の専門職と共に中心となって支援しています。
リハビリのチームアプローチ
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST
を一般的にリハビリテーション専門職と呼びます。
また3つの専門職を合わせて「セラピスト」と呼ぶこともあります。
リハビリテーションは、医学・教育、職業・社会・地域と多くの分野で実践されているので、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士ばかりではなく、医師や看護師、社会福祉士、介護福祉士、臨床心理士、義肢装具士、介護支援専門員、福祉用具専門員などの多くの専門職種が集まり、チームとして行われることになります。
このことをチームアプローチと呼び、絶えず連携し、情報法を共有し、共通の方針を持ち、障害のある人々のリハビリを支援することになります。
リハビリテーションのチームとは??
患者・利用者を専門職がチームとしてかかわること
【医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、介護福祉士、臨床心理士、臨床工学技士、義肢装具士、歯科衛生士、福祉用具専門相談員、介護支援専門員、管理栄養士、薬剤師 等】
リハビリを考えるうえでの障害の理解と評価
1⃣健康の概念
そもそも、「健康」とは??
一般的には身体が健全であることや、病気にかかっていないことを言います。
しかし、慢性疾患に罹っていても、治療によって病気をコントロールして、元気に仕事や活動をしている人も多くいます。また、逆に健康そうな人がやる気がなかったり、精神的に不安が強かったりと、こころに病を抱えている場合もあります。
世界保健機構(WHO)憲章の前文では、健康を、
「完全な肉体的、精神的及び社会的複利の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義しています。
病気があれば不健康ということではないのです。
同様に、歩くことが出来ない障害のある人でも、歩けないだけで病気でもなく健康である人も多くいます。障害によって日常生活が不自由な人を見て不健康と思うのではなく、障害のある場合でも、心身共に健康であることが大切となります。
これによって、様々なことを自ら決定し、社会の中で「活動」や「参加」が出来ることになります。
他の『健康とは何か』記事はこちらから・・・
【健康とは何か?】健康には3つ定義がある vol.4
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2⃣障害の考え方
障害の考え方には、「ICF」の概念と「ICIDH」というとらえ方があります。
ICIDH:国際障害分類は、
【機能障害ー能力障害ー社会的不利】
という3段階で考えます。
例えば・・・
足の力が弱い(機能障害)ー歩くことが出来ない(能力障害)ーそのために外出が困難(社会的不利)
といった考え方です。
このICIDHの考え方だと、歩くことが出来ない人に車いすが使える環境を作って、車いすを使って社会参加をしてもらうという考え方にはなりにくいため、ICFという考え方が生まれてきました。
医療の現場ではどのようにすれば歩けない人を歩けるようにできるかと考えますが、地域や在宅などの福祉の現場では、歩けない人は車いすを使って社会参加してもらうという思考になります。
ICIDHの改良版がICFですが、基本的な考え方が違います。それぞれの考え方を理解していくことが大切です。
「ICF」についてはこちらにまとめてます!!
【ICF】介護におけるICFのとらえ方・各因子との相互関係性 vol.71
3⃣ADLの概念と評価方法
リハビリテーションの医学評価内容の1つにADL(日常生活動作)があります。
このADLの評価は日々の生活の中でどのように活動しているかを評価するもので、チームとして共有し、目標の設定やリハビリテーションプログラムの作成が行われます。
この評価は、健常者を基準として量的、質的な比較によって記録されますが、その際の細かな観察もしっかりと行うことが大切です。
ADLの評価手段として一般的に広く使われるものとして、
・バーセルインデックス(Barthel Index)
・FIM(フィム:Functional Independence Measure)
があります。
ADLをより拡大したものとして、IADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)という考え方があります。
基本的なADLが自分自身の屋内での活動を中心とした評価であることに対し、IADLは、
- 「バスや電車を使って外出が出来るか」
- 「預金の出し入れが出来るか」
- 「日常品の買い物が出来るか」
など、地域生活を考えた評価となります。
他の『ADL』記事はこちらから・・・
【心臓機能障害の観察と支援】ペースメーカーの留意点5つ vol.36
【認知症の特徴】多様な原因疾患、治療可能な認知症とは? vol.66
【リハビリテーション】リハビリの目的・役割と3つの領域 vol.80
【医療型障害児入所医療施設・療養介護施設とは?】サービス内容と利用者要件 vol.112
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【❸ADL ・福祉住環境整備】キッチン・居室・寝室について vol.151
【障害者のADL】リハビリテーションの段階と障害受容について vol.170
【利用者主体】在宅生活を支える介護の基本姿勢について vol.171
【ADL・入浴】介助が必要になった場合の住環境整備と安全対策 vol.188
4⃣QOLの概念
ADLとは違う概念として、QOL(生活の質)という概念があります。
障害が重度であっても自ら決定して様々な支援を他者に依頼したうえで、活動や参加をしている人もいます。
また、障害は軽度で日常生活は全て自立しているものの、自ら何も決めることもなく周りの意見に流されて、毎日ただテレビの前に座り眺めているだけの人もいます。
このような場合、どちらの方が質の高い生活でしょうか?
生活の質は、障害の程度ではなく、その人がその人らしい生活を営むことが出度る度合いを見ることです。
リハビリの中での自立のとらえ方
人は人生の時期によって、他者との関係性に変化が起こります。
その変化を理解していないと、その人の自立に関する価値判断に食い違いが起こり、適切な支援が出来ません。
人は長く生きるほど、多くの別々の経験を積み重ねていくので、個々人で全く違く価値観を持つことになります。
また価値観ばかりでなく、自立の意味も変わってきます。
幼年期や児童期、青年期では親など経験を持った支援者の決めた大きな枠の中で、自らの決定を行います。しかし青年期の後半から自らのことは自らが決めることになり、成人期では他者の出来事に関しても選択をしなけれあならなくなります。
そして、高齢期、自らの選択ばかりでなく他者の選択までしていた人が突然、高齢になった事を理由に、子どもや周りの人、専門家と言われる人が、なすべきことを選択してくれるようになってしまします。
もしかしたら、自らの存在を否定されたような気持になってしまうかもしれません。
加えて、何らかの原因で障害を受け、からだが不自由になり、介護が必要になったとしたら、自らの価値観で判断し行動したくても、からだが思い通りにできない分、自らの主張を抑えつけて伝えることを諦めてしまったり、逆に攻撃的に主張することなどが起こったりします。
自立の支援の際には、このようなことを十分に頭に入れて、この人はどのような人生を歩み、どのような価値観の中で生きてきて、何を決めてもらうのか、しっかりと理解することが大切になります。
リハビリにおける介護福祉士の役割
介護福祉職は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、医師、看護師等と情報を共有して、訓練場面で身につけたADL能力を、生活場面(自然な1日の生活の流れの中)で、活用できるよう支援し、室内に留まらず地域へ繋げていくことが求められます。
訓練室で「出来るADL」を、困難なく当たり前に生活の中で「しているADL」に繋げるためにも、他職種との情報共有と目標設定が重要になってきます。
日々の生活場面で行われるADL・日常生活動作は貴重なリハビリテーションになります。
その生活の中で行われるリハビリを主に担っている介護福祉職は、正しい利用者の状態像「できるADL」をリハビリの専門職と情報共有し、生活場面でのリハビリに生かしていくことが大切です。
介護福祉職の役割は、利用者の心身の状況に合わせて直接的かつ具体的にその行為を代行したり、補ったり、その人の考えを引き出し一緒に考えていく等の支援を行うことであるといえます。
自立を支援する介護では、その過程で転倒等の事故が発生する危険性もはらんでいます。そうしたリスクに気付く能力、根拠に基づく適切な介護技術用を提供できるような知識・技術の習得が必要になります。
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