コミュニケーション技術

【❶うつ病・抑うつ状態の人へのコミュニケーション支援】うつ病の判断基準とは? VOL.453

2021-09-09

こんにちは 介護ラボのkanaです。「コミュニケーション技術」の中から『うつ病・抑うつ状態』について。今日はコミュニケーション支援、明日はコミュニケーション技術の2回に分けてまとめていきます。

高齢期のうつ病・抑うつ状態の特徴

Contents

1.うつ病・抑うつ状態の特徴
 1⃣うつ病と抑うつ状態
 2⃣うつ病の判断基準
 3⃣高齢期のうつ病・抑うつ状態の特徴
2.うつ病・抑うつ状態がもたらす日常生活コミュニケーションへの支障
 1⃣抑うつ状態の人に対するコミュニケーションの4つの支障
 2⃣うつ状態の人に対するコミュニケーションへの支障

1. うつ病・抑うつ状態の特徴

1⃣ うつ病と抑うつ状態

抑うつ状態とは?

私たちは日常生活の中で、時折気分が落ち込んだり、憂鬱な気持ちになったり、食欲がわかないことがあります。このような症状がいくつかある場合を「抑うつ状態」と呼びます。

多くの場合、私たちは自分自身が持っている心身の自然治癒力や抵抗力、あるいは気分転換をしたり、人に相談したりして、不具合を回復させ時間の経過とともに徐々に元気になることが出来ます。

うつ病とは?

しかし、時間が経っても改善しない、あるいは逆にどんどん悪化して、仕事、家事、人との交際といった日常生活や社会生活全般に支障をきたすようになる場合もあります。そのような状態は「うつ病」として位置づけられます。

2⃣うつ病の判断基準

うつ病の診断には「DSM-5」等が用いられます。

  • 食欲の障害
  • 睡眠の障害
  • 強いうつ気分
  • 自殺念慮

などがみられ、その症状が2週間以上継続する場合「うつ病」が疑われます。

日内変動のために1日のうちで調子が良くなったり悪くなったりするといった変動はあっても、症状そのものが時間の経過で自然に緩和されることはありません。

3⃣高齢期のうつ病・抑うつ状態の特徴

軽度認知症とは?

高齢者のうつ病は、通常の診断では見落とされてしまう可能性があります。高齢者では、典型的なうつ病の症状を示す人は3分の1から4分の1と言われています。

高齢者のうつ病の特徴としては、

  • 「気分低下やうつ思考が目立たない」
  • 「悲哀の訴えが少ない」
  • 「意欲や集中力が低下する」
  • 「反応が遅くなる」
  • 心気的な訴えや記憶力の衰えに関する訴えが多い」

などがあげられます。

また、脳血管の病変に関連する「血管性うつ病」もあり、脳血管障害を発症した人は注意が必要です。したがって、出来る可能性のある課題を提示したり、言葉のやり取りだけでコミュニケーションが成立する場合は、長い文、複雑な文をあえて使って刺激を与えることも大切です。

心気的、血管性うつ病とは?

比較的小さな身体的な不調である頭痛や腹痛などを「重い病気じゃないか?」などと思い込んでしまい、その思考を修正することが困難な状態のこと。

血管性うつ病は、脳血管障害の後にうつ病を発症した場合と、元々うつ病であった人が脳血管障害を起こした場合、どちらも含んだ疾患群で、抑うつ的気分に加え、認知機能の低下も多くみられます。

高齢期は、重要な人の喪失や死別(ペットも含む)、自分や身近な人の病気やケガ、家族や友人とのいさかい、身体疾患や身体機能の低下、施設入所や子との同居に伴う転居などでみ慣れた家を離れたり、経済的な問題など不安やストレスを生じるライフイベントが起こることがあります。

高齢者はうつ病や抑うつ状態に陥りやすい状況にあることを理解することが必要です。

2.うつ病・抑うつ状態がもたらす日常生活コミュニケーションへの支障

中度認知症とは?

抑うつ状態とうつ状態では、日常生活におけるコミュニケーションの状況にかなり違いがあります。

1⃣抑うつ状態の人に対するコミュニケーションの4つの支障

抑うつ状態の時は、日常生活では次のような様子が見られます。ただ、何とか人の中に出てきて、人とやり取りすることは出来る状態です。

基本的なコミュニケーションは言葉のやり取りで可能です。

  • ❶「楽しみや喜びを感じない」:これまでなら楽しかったことでも、楽しみや喜びを感じなくなります。何をしていても憂鬱な気分を感じ、笑顔も見られなくなります。
  • ❷「良いことが起きても気分が晴れない」:きっかけとなった出来事や原因が解決したり、自分にとって良いことが起こったりしても気分が晴れない状態が続きます。
  • ❸「趣味や好きなことが楽しめない」:気分転換として、これまで好きだったことをしたとしても楽しめないどころか疲労感ばかりが増す。
  • ❹「ネガティブな発言が多い」:会話の端々に、「どうせ私なんか」「むなしい」「疲れた」「長生きしても迷惑をかけるだけ」など、心身の疲労を表す後ろ向きな発言が多く聞かれる。

2⃣うつ状態の人に対するコミュニケーションへの支障

うつ病になると、そもそも人の集まる場所を避け接触を持ちません。

こちらが話しかけても無反応だったり、全ての質問に首を振ったり、人と関わること自体を拒絶しがちです。また、妄想や居なくなってしまいたいという自殺念慮の気持ちがみられることもあるので注意が必要です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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