バリアフリー・ユニバーサルデザイン

【❽建築物の環境整備】既存施設におけるバリアフリー改修のポイント vol.677

2022-04-21

こんにちは♡ 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『建築物の環境整備』について9回に分けて書いていきます。今回は8回目です!

視覚障害者建築物移動等円滑化基準

Contents

1.既存設備によるバリアフリー改修のポイント
 1⃣バリアフリー法建築物移動等円滑化基準
 2⃣視覚障害者建築物移動等円滑化基準

1.既存設備におけるバリアフリー改修のポイント

既存建築物に対しては、「改善目標」と「整備計画」を立案し、中長期的視点で改修を進めます。

既存建築物の改修では、

  • 「規模」
  • 「用途」
  • 「空間の部位」
  • 「利用者や地域のニーズ」

によって、改善箇所の優先順位を検討することが必要です。

場合によっては、移動等円滑化基準や福祉のまちづくり条例の基準を満たせない改修もあり得ますが、その場合には可能な限り利用者との協議を行うことが望まれます。

文化財や歴史的建造物、史跡など標準的なバリアフリー改修が困難な場合には、仮設的な改修、人的対応についても十分配慮します。

福祉住環境コーディネーターは、今後、

  • 新築建築物よりもむしろ既存都市や既存建築物のバリアフリー
  • ユニバーサルデザイン改修のアドバイス
  • そのための利害が異なる市民・利用者間の意見調整
  • 行政や事業者と市民を繋ぐ役割

に大きな期待がかかっています。

※建築物のバリアフリー整備の詳細については、国土交通省が発行する「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」(最新版:2021年(令和3年)3月)を参照。

1⃣バリアフリー法建築物移動等円滑化基準

◉バリアフリー法建築物移動等円滑階準
【一般基準】
【廊下等】第11条
・表面は滑りにくい仕上げであるか
・点状ブロック等の敷設(階段又は傾斜路の上端に近隣する部分)※1
※1:工事で定める以下の場合を除く(告示第1497号)
  ・勾配が1/20以下の傾斜部分の上端に近接する場合
  ・高さ16cm以下で勾配1/12以下の傾斜部分の上端に近接する場合
  ・自動車車庫に設ける場合


【階段等】第12条
・手すりを設けているか(踊り場を除く)
・表面は滑りにくい仕上げであるか
・段は識別しやすいものか
・点状ブロック等の敷設(段部分の上端に近接する踊り場の部分)※2
・原則として主な階段を回り階段としていないか
※2:工事で定める以下の場合を除く(告示第1497号)
  ・自動車車庫に設ける場合
  ・段部分と連続して手すりを設ける場合


【傾斜路】第13条
・手すりを設けているか(勾配1/12以下で高さ16cm以下の傾斜部分は除く)
・表面は滑りにくい仕上げであるか
・前後の廊下等と識別しやすいものか
・点状ブロック等の敷設(傾斜部分の上端に近接する踊り場の部分)※3
※3:告示で定める以下の場合を除く(告示第1497号)
  ・勾配が1/12以下の傾斜部分の上端に近接する場合
  ・高さ16cm以下で勾配1/12以下の傾斜部分の上端に近接する場合
  ・自動車車庫に設ける場合
  ・傾斜部分と連続して手すりを設ける場合


【トイレ】第14条
・車いす使用者用便房を設けているか(1以上)
 ①腰掛便座、手すり等が適切に配置されているか
 ②車いすで利用しやすいよう十分な空間が確保されているか
・水洗器具(オストメイト対応)を設けた便房を設けているか(1以上)
・床置式小便器、壁掛け式小便器(受け口の高さが35cm以下のものに限る)その他これらに類する小便器を設けているか(1以上)

【ホテル又は旅館の客室】第15条
・客室総数が50以上の場合、車いす使用者用客室を客室の総数1/100(端数は切上げ)以上設けているか
・トイレ(同じ階に供用の車いす使用者用便房があれば代替可能)
 ①トイレ内に車いす使用者用便房を設けているか
 ②出入り口の幅は80cm以上であるか(当該便房を設けるトイレも同様)
 ③出入口の戸は車いすり使用者が通過しやすく、その前後に高低差がないか(当該便房を設けるトイレも同様)

【敷地内の通路】第16条
・表面は滑りにくい仕上げであるか 
・段がある場合
  ①手すりを設けているか
  ②識別しやすいものか
  ③つまずきにくいものか
・傾斜路
  ①手すりを設けているか(勾配1/12以下で高さ16cm以下又は1/20以下の傾斜部分は除く)
  ②前後の通路と識別しやすいものか

【駐車場】第17条
・車いす使用者用駐車施設を設けているか(1以上)
  ①幅は350cm以上であるか
  ②利用居室までの経路が短い位置に設けられているか

【標識】第19条
・エレベーターその他の昇降機、トイレ又は駐車施設があることの表示を見やすい位置に設けているか
・標識は、内容が容易に識別できるものか(日本産業規格Z8210に適合しているか)

【案内設備】第20条
・エレベーターその他の昇降機、トイレ又は駐車施設の配置を表示した案内板等があるか(配置を容易に視認できる場合は除く)
・エレベーターその他の昇降機、トイレの配置を点字その他の方法(文字等の浮き彫り又は音による案内)により視覚障害者に示す設備を設けているか
・上記2点の代替措置として案内所を設けているか

2⃣視覚障害者建築物移動等円滑化基準

視覚障害者移動等円滑化経路の、道等から案内設備までの1以上の経路に係る基準が、下記の3点になります。

【案内設備までの経路】第21条

  • ❶線状ブロック等・点状ブロック等の敷設又は御礼誘導装置の設置(風除室で直進する場合は除く)※1
  • ❷車路に接する部分に点状ブロック等を敷設しているか
  • ❸段・傾斜がある部分の上端に近接する部分に点状ブロック等を敷設しているか※2

※1:告示で定める以下の場合を除く(告示第1497号)

・自動車車庫に設ける場合

・受付等から建物で入り口を容易に視認でき、道等から当該出入口まで線上ブロック等・点状ブロック等や音声誘導装置で誘導する場合

※2:告示で定める以下の部分を除く(告示第1497号)

・勾配が1/20以下の傾斜部分の上端に近接する場合

・高さ16cm以下で勾配1/12以下の傾斜部分の上端に近接する場合

・段部分又は傾斜部分と連続して手すりを設ける踊り場等

今回はここまで。次回最終回は、移動等円滑化経路の基準と、ユニバーサルデザイン環境整備の標準的な流れについてまとめていきます!!良かったら見に来て下さい💚

バリアフリー

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【バリアフリー・ユニバーサルデザインの歴史と取り組み】vol.119
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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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