障害別に見た福祉住環境整備

【①聴覚・言語障害】伝音難聴と感音難聴の原因疾患・生活上の不自由なこと vol.164

2020-11-24

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は福祉住環境の中から「視覚障害」について、今日と明日の2回に分けてまとめていきます。

聴覚障害の原因疾患と治療について

Contents

1.聴覚障害
2.聴覚障害の原因と治療・リハビリテーション
 1⃣伝音難聴の原因疾患と治療
 2⃣感音難聴の原因疾患
 3⃣成人期以降に聴覚障害を生じた場合のリハビリテーション
3.聴覚障害の生活上の不便・不自由
4.聴覚障害の生活上の配慮・工夫
5.聴覚障害の福祉住環境3つの整備

1.聴覚障害

「聴覚」とは、空気の振動によってできた音波が耳で受容され、蝸牛で電気信号に変換され、聴神経を通って大脳に伝えられ、音として知覚される感覚のことをいいます。

この聴覚の経路のどこかに機能低下が生じると、聴覚障害(難聴)が起きます。


聴覚の経路は、音の振動を蝸牛に伝える「伝音系」と、音を電気信号に変えて脳に伝え認知する「感応系」に分けられ、前者の障害による難聴を「伝音難聴」、後者を「感音難聴」といいます。
※機能低下のある場所の違いだけでなく、聞こえ方が異なります。

2.聴覚障害の原因と治療・リハビリテーション

1⃣伝音難聴の原因疾患と治療

「伝音難聴」の原因は、中耳・内耳の機能低下・中耳炎が代表的な疾患になります。

慢性中耳炎は、鼓膜に大きな穴が開き、浸出液(耳垂れ)が出ることもあり、重度の場合には手術が行われます。


感音系には障害がないため、比較的言葉の聞き分け能力である「言語音明瞭度」がよく、音を大きくすれば聞き取れます。

※聴覚の改善が望めない場合は、補聴器の適応となります。

2⃣感音難聴の原因疾患

「感音難聴」の原因は、中耳~聴覚中枢の機能低下によるものです。

加齢性(老人性)難聴」「音響外傷性難聴」「突発性難聴」「メニエール病」などが代表的な疾患となります。ただし、原因不明であることも多いです。

  • 加齢性(老人性)難聴:高い音域の聴力から徐々に低下し言葉が聞き取りにくくなる。そのため、話し声は聞こえても、何を言っているか聞き取れない場合がある
  • 外傷性難聴:強大音に一時的にさらされたり、騒音を長時間聴くことによる難聴
  • 突発性難聴:突然耳が聞こえなくなる。一側性であることが多い
  • メニエール病:めまいや発作、耳鳴り、難聴を繰り返す難病

3⃣成人期以降に聴覚障害を生じた場合のリハビリテーション

成人期以降に聴覚障害が生じた場合は、「補聴器」もしくは「人工内耳」を装用します。

この2つはそれぞれ調整と練習・訓練が必要になります。

  • 補聴器:適合調整と慣れるまでの練習が必要となります。
  • 人工内耳:調整と聞き取り訓練が必要となります。

補聴器や人工内耳を装用しても、完全に元の「聞こえ」の状態に戻るとは限りません。そのため、「読話」や「手話」など、新たなコミュニケーション手段の学習、会話の進め方の工夫が必要となります

「聞こえ」とは?

音の高さは周波数(ヘルツ)で表され、値が高くなるほど高い音として聞こえます。人が音として聴くことが出来る範囲は、約20Hzから約20.000Hz程度。音の大きさは、dB(デシベル)という単位で表します。WHOによる難聴の分類では、平均聴力は正常の場合25dB以内で、難聴は軽度から最重度まであり、最重度は91dB以上となります。

3.聴覚障害の生活上の不便・不自由

聴覚障害の生活上の不便・不自由は、様々ですが、代表的なものは下記の5つになります。

  1. 周囲から音や音声言語を通した情報の入手が困難となる
  2. 会話などのコミュニケーションを行うことが困難となる
  3. 外見上障害があることが分からず、必要な援助を得にくい
  4. 受傷時期により障害が異なる
  5. 地域社会や家庭内でコミュニケーション困難や不足が生じると、社会活動や楽しみが減ったり、孤立したりしてしまうことがある

言語習得期以前の聴覚障害は、発声言語の習得が必要になり、発音面でも障害(構音障害)が生じることもあります。

中途で聴覚障害になった場合は、音声言語習得には影響ありませんが、難聴による心理面の問題や、社会生活でのコミュニケーションに問題が生じます。

言葉が聞き取りにくいとは?

音として聞こえますが、言葉は聞き取れない場合があります。感音難聴では一番聞きやすい音声の大きさを超えると、音が耳に響いてかえって語音明瞭度は低下します。また、話す速度が速い、周囲の雑音が多い場合、残響時間が長い場合にも語音明瞭度は低下します。

4.聴覚障害の生活上の配慮・工夫

聴覚障害の生活上の配慮として、コミュニケーションや情報収集の支援が必要になります。そのため、介護者が聴覚障害者とのコミュニケーション方法を工夫することが大切です。

聴覚障害者が他の人とコミュニケーョンが図れるよう、必要な手段や方法を提供することが必要です。そして、聴覚障害者が自立的に周囲の音・情報を得られるよう、福祉用具や代替え手段を活用することが重要になります。

5.聴覚障害の福祉住環境3つの整備

1つ目の整備として、生活空間における音響特性として、

  • 「雑音が少ない」
  • 「必要以上に反響しない」
  • 「衝撃音が出ないようにする」

そのためにも、遮音性の高い壁や窓、吸音性の高い壁や床が必要となります。

2つめは、

  • 「電話のベル」「玄関のチャイム」などの音を聞こえやすくします 。( 音量を大きく、聞きやすい音域・音質にします)

そして3つめは、様々な情報が視覚的に分かるように工夫します。例えば、

  • 電話のベルの代わりに「フレッシュベル」
  • 玄関のチャイムの代わりに「回転灯」や「フラッシュ」

などの室内信号装置を設置します。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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