生活支援技術Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

【②調理の介護】家庭で出来る食中毒予防の6つのポイント vol.472

2021-09-28

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「生活支援技術」の中から『調理の介護』について、昨日と今日の2回に分けて書いていきます。

消費期限と賞味期限の違いとは?

Contents

1.調理の介護
 1⃣電子レンジの利用
 2⃣嚥下職や治療食の作り方
 3⃣食品の保存(消費期限と賞味期限の違い )
 4⃣衛生管理
 5⃣家庭で出来る食中毒予防の6つのポイント
2.まとめ

1.調理の介護

1⃣電子レンジの利用

訪問看護での調理は限られた時間内に行わなければならないこと、利用者1人分を作ること、という条件があります。

電子レンジは温めるだけではなく、野菜を茹でるような下ごしらえをしたり、調味液等を入れて調理することもでき、時間短縮や少量の調理に向いているので、状況に応じて活用することが大切です。

2⃣嚥下職や治療食の作り方

出来ることなら、最期まで口から食事をしたいものです。しかし、疾病や加齢によって噛むことや飲み込むことが困難になる利用者もいます。噛みやすくするため調理時間を長くして食材を柔らかくしたり、繊維を垂直に断ち切るような切り方、薄く切る、など、食材の切り方を変える方法があります。

しかし、細く切ってしまうとかえって飲み込みにくくなってしまうことがあるので注意しなければなりません。

食べやすい食材を選ぶこともとても需要です。例えば、

  • カボチャ
  • イモ類
  • 豆腐

などは食べやすいものの1つです。ひき肉やばら肉、卵なども調理法によっては食べやすいようです。

固形物の飲み込みが難しくなると「ミキサー食」をつくることになります。水分が少ない料理は、ミキサーがうまく回らないので、水分を加えながら回します。

また、1つの料理ごとにミキサーをかけます。全部を混ぜたりすると味もわからなくなり、見た目も食欲がわかないものになってしまうからです。ミキサーをかけたままではサラッとしていて飲み込みにくい場合は、とろみ調整食品を使います。

  • 利用者の嚥下状態に合ったとろみの具合を、医療職や栄養士と連携・相談しながら決めます。

腎臓病食や糖尿病食を作る際は、医療職や管理栄養士と連携、相談しながら行います。摂取量の制限があるので、普通の食事を作る以上に計量などをきちんと行うことが重要です。

3⃣食品の保存 (消費期限と賞味期限の違い )

食品を保存するときは、表示されている「消費期限」や「賞味期限」を確認しましょう。ただし、消費期限も賞味期限も、封を開けないで書かれた通りに保存していた場合の安全性や美味しさを保証するものです。一度開けてしまったものは、期限に関係なく早めに食べるようにすることが必要です。

消費期限賞味期限とは?

消費期限とは、封を開けないままで書かれた保存方法を守って保存していた場合に、安全に食べられる期限のこと(期限が過ぎたら食べないほうが良い)。

賞味期限とは、封を開けないままで書かれた保存方法を守って保存していた場合に、品質が変わらずに美味しく食べられる期限のこと。

調理したものが残ってしまった場合、常温のままで置いておくと菌が増え、食中毒の原因となります。例えば、

  • カレー
  • シチュー

などは、食べる時に加熱すれば菌がいなくなると思うかもしれませんが、加熱調理後、発育に適した温度になると「ウェルシュ菌」が急激に増えます。

ウェルシュ菌は熱に強いため、他の菌が死滅しても生き残ります。食べ物は作り置きはせずに、当日食べらえる分を作るようにしましょう。また、やむを得ず保管する場合は、小分けにして冷凍保存しましょう。

冷凍食品に関しても注意が必要です。

1度解凍してしまうと、そこから菌が増殖し、食中毒の原因となることがあります。さらにそれを再冷凍することは食中毒の危険を増大させることに繋がります。また、冷凍・解凍を繰り返すことで食品自体の味も損なわれます。

4⃣衛生管理

調理に使った包丁やまな板などの器具、布巾はよく洗って乾燥させます。菌が付いているとそれらを使って調理するときに食べ物に付いてしまい、食中毒の原因になります。

また、調理する時には、

  • エプロンをする
  • 髪をまとめる
  • アクセサリーを外す
  • 手をよく洗う
  • 爪を短く切る

ことが大切です。

5⃣家庭で出来る食中毒予防の6つのポイント

❶食品の購入

❶食品の購入
・生鮮食品は新鮮なもの、表示のある食品は消費期限などを確認して購入する。
・肉汁や魚などの水分が漏れないようにして、早めに持ち帰る。

❷家庭での保存

❷家庭での保存
・冷蔵や冷凍の必要な食品は、出来るだけ早く冷蔵庫や冷凍庫に入れる。
・冷蔵庫や冷凍庫に入れる食品は、7割程度とし、早く使い切る。

❸下準備

❸下準備
・生の肉や魚を切った包丁、まな板はすぐに洗い熱湯をかけておく。
・こまめに手を洗う。

❹調理

❹調理
・加熱は十分に行う(中心温度75℃、1分間以上)。
・調理を途中でやめてそのまま放置せず、食材を冷蔵庫に入れる。

❺食事

❺食事
・清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛り付ける。
・温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下にしておく。

❻残った食品

❻残った食品
・残った食品は早く冷えるよう、小分けにして清潔な容器に保存する。
・保存したものを食べるときは、75℃以上になるように再加熱する。

2.まとめ

調理が終わったらシンクをよく洗い、排水溝のゴミなどを取り除きましょう。台所が不衛生だと、ネズミやゴキブリが発生する可能性があります。

安全な食事ができるよう、使ったらすぐ洗い、片付けることを心掛け、前項❶~❻までのポイントを参考に食中毒を予防することが大切です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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