認知症の理解

【❶これまでの認知症を取り巻く状況】治療優先、集団管理的ケアの時代とは? vol.390

2021-07-08

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『これまでの認知症を取り巻く状況』について今日から3回に分けて書いていきます。

ケアなきケア時代からの脱却

Contents

1.認知症の人の現在
2.ケアなきケア時代からの脱却
 1⃣病と捉えない
 2⃣福祉の対象としての位置づけ
 3⃣治療優先、集団管理的ケアの時代
 4⃣小規模介護の誕生

1.認知症の人の現在

認知症への関心が世界的に高まる中、日本に保いても認知症施策を加速させるため、2015年(平成27)1月に「認知症施策推進総合戦略・新オレンジプラン)が取りまとめられました。

日本では65歳以上の高齢者の薬4人に1人が認知症の人またはその予備軍とされ、高齢化の進展に伴い、認知症の人は2012年(平成24)で462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人でしたが、「平成29年度版 高齢者社会白書」によると、2025年には認知症の人は約700万人前後になり、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になる見込みが公表されました。

現在、認知症施策は国の重要課題とされ、「人生100歳時代」を見据えた社会の到来と、どこに住んでいても適切な医療・介護を安心して受けられる社会の実現である地域包括ケアシステムの構築を目指し、制度の安定性・持続可能性の確保を図るべく、2017年(平成29年)に介護保険法が改正され、2018年度(平成30年)には介護報酬が改正されました。

認知症についても医療・介護現場の連携のあり方や認知症の人への対応の強化、若年性認知症への取り組み強化、認知症の理解、新たな働き方の推進等への取り組みが示されました。

若年性認知症

このような現状の中で、認知症を取り巻くこれまでとこれからについて次項でさらに考えていきます。

2.ケアなきケア時代からの脱却

1⃣病と捉えない

認知症の人に対する介護が制度として取り組まれてきた歴史は古くはありません。前近代社会においては、認知症高齢者は祖霊信仰(高齢医者が無くなった後、子孫の守護神となり守ってくれる)や、忠孝道徳(儒教の教え。高齢者や親を敬い存在そのものを尊い接すること)のものと、高齢者が生活を支える柱として捉えられていました。

存在するもこと医jタイに意味を持たせる文化のなか、認知症を病と捉えず、そこに存在するだけでよいと大切にされていました。

高齢者の認知症が病気と見なされるようになったのは、幕末から明治期にかけて導入された西洋医学の考え方に基づくもので、主に認知症の人に対する処遇を行うのは、精神科病院でした。

2⃣福祉の対象としての位置づけ

1963年(昭和38)に老人福祉法が制定され、高齢者が福祉の対象となりました。

  • 養護老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 軽費老人ホーム

といった老人福祉施設が体系化され、老人福祉施策の基本的枠組みが形成されました。

また、家庭奉仕員派遣事業(後のホームヘルプサービス)等の在宅福祉施策が着手され、1966年(昭和41年)には敬老の日が定められました。

1972年(昭和47年)に発表された小説「恍惚の人:有吉佐和子著)は、194万部のベストセラーになり、認知症に対する関心を高めることになりました。

しかし、認知症の表面的な行動上の問題だけが強調され、正しく認知症の理解が得られるまでには至らず、むしろ、社会的にも処遇困難者として捉えられていました。

その後、1973年(昭和48年)に老人医療費支給制度(医療費無料化制度)が実施されましたが、1970年代の認知症の人に対する社会的な支援策は殆どなく、在宅介護が限界に達すると、多くの人が精神科病院に入院するなど、家族にとってはやむにやまれない苦渋の選択を迫られていた時代でした。

しかし、精神科病院における処遇は薬物による活動抑制が主流であった事、また閉鎖病棟が持つ雰囲気や精神障碍者に対する偏見が、認知症の人に対するマイナスイメージを膨らませることとなりました。

3⃣治療優先、集団管理的ケアの時代

1970年代の後半には、認知症に対する問題が大きくなってきました。しかし、認知症の行動上の問題が中心となり、介護者側の都合が優先されたケア論が中心でした。

1980年(昭和55年)には、京都市で、「呆け老人をかかえる家族の会:現・公益社団法人認知症の人と家族の会」が発足し、国もようやく老人精神保健対策として認知症問題についての見解を述べるようになりました。

当時から認知症に対する治療の限界を補うものとしての介護の必要性や、地域での在宅支援、家族支援の在り方について述べられていましたが、保護的・教育的であって、認知症の人の生活問題を中心とした実態に迫るものではありませんでした。

1984年(昭和59年)から、全ての特別養護老人ホームにおいても認知症の人を積極的に受け入れるように、痴呆性老人処遇技術研修が行われることになりました。

また、国立療養所菊池病院(言・独立行政法人国立病院機構菊池病院)のように、認知症の理解や処遇の方向性を示す精神科病院もあり、室伏君子(菊池病院名誉院長)をはじめとした、精神科医による認知症問題への取り組みも進められていきました。

さらに、地域では杉山孝博(川崎幸クリニック院長)のように、多くの実践例に基づくケアの方向性を示し、家族と共に認知症ケアの確立に取り組む報告もなされてきました。

一方、一般的には安全と保護の名のもとに老人病院や施設が乱立する中、認知症ケアの在り方についても課題となり、どのように対処すればよいのか検討が行われるようになりました。

しかし、問題対処型の議論が中心であり、おむつを外してしまう認知症の人への対処方法として、今日では虐待になる「つなぎ服」が推奨されたり、外出防止のため施錠による管理が当然のことのように行われていました。

また、病院や施設では、回廊式廊下による外出抑制や、疲れによる睡眠誘導をはかるなど、認知症の人の人格を無視するような取り組みが一般的でした。この時代は、治療優先、集団管理的ケアの時代とも呼ばれました。

1987年(昭和62年)、社会福祉士及び介護福祉士法が制定され、施設に終える寮母という概念から脱し、介護という専門性が問われることになりました。認知症ケアも少なからず影響を受け、介護福祉職の多くが認知症介護にかかわることになりました。

4⃣小規模介護の誕生

こうしたなかで、病院や大型施設におけるプログラムに基づく画一的な介護や管理的治療に疑問を持つ現場実践者による新たな取り組みが「小規模介護」として誕生しました。

1987年(昭和62年)、出雲市のことぶき園(小規模多機能型老人ホーム)において、日本で初めての「認知症グループホーム」が誕生しました。

認知症になっても地域で安心して暮らし続けることが出来るように支援する新しい介護サービス形態であり、介護保険の居宅サービスの1つに位置づけられました(これは、2006年(平成18年)以降、介護保険の地域密着型サービスとして新たに位置づけられています)。

また、環境を含めて認知症の人を取り巻く全体の状況を理解しようとする視点への転換が認知症ケアの課題となりました。環境や人との関係性が問われ、中核症状と行動上の問題への理解、また、行動上の問題の多くは関わる側が発生させているという認識のもと、認知症ケアのあり方を模索した時代ともいえます。

このころより、関わり方によって認知症の症状の軽減が図られることが実践的に立証されるようになりましたが、介護時代はADL(日常生活動作)を中心とした身体介護が中心の域を出ることはありませんでした。

1990年代に入り、認知症グループホームをはじめとして小規模化することで得られる介護の有効性が主張されるようになり、環境や関わり方、生活の継続性の重要性が、認知症ケアの現場から報告されるようになります。

あすは2回目として、ユニットケアの導入や介護保険導入後の認知症ケアについてまとめていきます。

小規模多機能

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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