コミュニケーション技術

【❶統合失調症の人へのコミュニケーション支援】統合失調症の主な9つの症状 VOL.455

こんにちは 介護ラボのkanaです。「コミュニケーション技術」の中から『統合失調症』について。今日はコミュニケーション支援、明日はコミュニケーション技術の2回に分けてまとめていきます。

統合失調症による日常生活コミュニケーションの6つの支障

Contents

1.統合失調症の特徴と生活への支障
 1⃣統合失調症の特徴
 2⃣統合失調症の主な9つの症状
2.統合失調症による日常生活コミュニケーションの6つの支障
 1⃣同じ話を何度も繰り返す
 2⃣一方的に話し続ける
 3⃣話に集中できない
 4⃣現実的ではない突飛な話をする
 5⃣呂律が回らない
 6⃣以前と異なる主張・これまでと意見が変わる

1.統合失調症の特徴と生活への支障

統合失調症とは?

「統合失調症」は、かつて精神分裂病と呼ばれていました。主に思春期から青年期に発病し、思考、感情、意欲、自我機能などが障害され、物事の認識や人付き合いに困難を抱えることが多い精神疾患です。

自我機能とは?

精神分析の用語で、社会の習慣など現実を考慮し、衝動的な本能や欲求を抑え、自分を防止しようとする働きのこと。

1⃣統合失調症の特徴

発病年齢や、病前性格、発症後の経過年数など、状況や環境の違いも影響して症状のあらわれ方は変わります。知的障害とは異なりますが、長年の闘病により年齢に見合わない幼さや、知的能力の低下がみられることもあります。

病気であるという自覚である「病識」が乏しいことも特徴の1つです。

統合失調症を発症する要因は1つに特定されておらず、根本的な治療法は未確立ですが、薬物療法を中心として社会復帰のための支援や社会生活技能訓練等も併用し、再発を防止しながら生活力を再獲得するために様々な支援が行われています。

社会生活技能訓練とは?

社会生活を起こるうえで必要な技能、特にコミュニケーションの力を獲得するために、ロールプレイや練習をすることで、グループによる構造化された取り組みが一般的である。Social Skills Training(SST)ともいいます。

2⃣統合失調症の主な9つの症状

 

【妄想】
・訂正不能な思い込み、事実とは異なる考え

【幻聴】
・実在しない声や音が聞こえること

【感情鈍麻】
・感情反応が乏しくなること

【無為】
・何もしない、したくない状態

【自閉】
・自分の世界にこもった状態

【思路障害】
・思考のまとまりが悪い状態

【易刺激性】
・ちょっとしたことに大きく反応すること、変化に弱い状態

【興奮】
・気持ちや感情が高ぶった状態

【不眠】
・眠れない事、何度も目が覚める状態や寝つきが悪い状態

2.統合失調症による日常生活コミュニケーションの6つの支障

6つの支障とは?

前項のよう統合失調症は思考や感情、自我機能に関する障害があるため、周囲に違和感を与える言動や不可解な発言をすることもあります。次項は、コミュニケーションにおいて6つの支障となることについてまとめていきます。

1⃣同じ話を何度も繰り返す

会うたびに、また毎日のように電話をしてきて、同じことを確認したり依頼したりします。 物忘れというよりも、不安感や焦りなどによる言動で、本人はわかっていてもやめられないこともあります。

話題が乏しく、コミュニケーションのきっかけとしていつも同じ話しになってしまっていることも考えられます。

2⃣一方的に話し続ける

こちらが話すことに耳を貸さず、自分の言いたいことを間断なく話し続けたり対話の脈略に沿っていないのにもかかわらず一方的に主張することがあります。

気持ちが高揚している時や興奮状態でも見られますが、相手にわかって欲しいあまりの行動であり、人との接し方の機微を習得出来ていない場合にも生じる傾向です。

3⃣話に集中できない

対話していても話に集中できなくなり、問いかけに応答せず目線も合いにくくなることがあります。本人にとって、

  • 話の内容が難しい
  • 刺激が強い

等の理由で、疲れたり思考が追い付かなくなるためと考えられます。

また、精神科治療薬の副作用の場合もあります。その他、周囲の雑音が気になったり、幻聴が聞こえている場合も話に集中しづらくなります。

4⃣現実的ではない突飛な話をする

精神症状の1つである妄想による場合が考えられますが、本人は現実だと思い込んでおり、真剣であればあるほど周囲からは奇異に聞こえるかもしれません。

また、長期入院等による体験の乏しさや社会から孤絶した閉鎖的な環境に長年暮らしていたために、思考が現実離れしてしまっていることもあります。

5⃣呂律が回らない

発語が明瞭でなく、口の中でぼそぼそと話したり、うつむいて小さな声で話したりするため、言葉が聞き取りにくいことがあります。

社会経験の乏しさなども原因となって、自身のなさや人との距離感が掴めない、人との交流に慣れていない等があると、そのような話し方になることがあり、薬による副作用の場合もあります。

6⃣以前と異なる主張・これまでと意見が変わる

人の気持ちや考えは、状況や環境、また本人の成長に応じて変化しますが、そうしたことを考慮しても理解しがたいほどの大きな変更や、意見の急激な転換を表明することがあります。

多くの場合、特に人の意見に推されて熟考なく決断したり、後から不安が高じたことなどが理由となっています。体験の乏しさや想像力を働かせることの困難さ、また融通を聞かせることが苦手な傾向なども影響します。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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