こんにちは
介護ラボ・kanalogのカナです(^▽^)/ 今回は・・・
【自立に向けた身支度の介護】観察と3つのポイント
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自立した身支度とは
身支度は、利用者の生活の中の1場面として重要な行為です。そもそも、身支度とは「何かをするために身なりを整える」と定義されています。
①生活リズムを整える
人は、朝起きて「今日は出掛ける日だ」と思うと、その目的に合わせて、何を着ていこうか、髪は整っているかなど身支度を整えます。反対に予定の休日には、寝衣のまま過ごすことがあります。身支度は活動のための準備になり、生活リズムを整えることにもなります。
②自分らしさの表現、生活の中の楽しみ
身支度にはその人の好みが反映されます。
衣服は・・・
その人の好きな色やデザインがあり、
その日の気分や目的に応じて、
会う人や場に応じて衣服は選ばれます。
自分らしい衣服を選ぶことは「自分らしさ」の表現の1つであり、また選ぶ行為は、生活の中の楽しみになります。「自分らしさ」を表現することは、意欲の向上や社会参加にも繋がります。
③健康の維持
人は「最近、水を飲むと歯にしみるな」などという時には、歯磨きを行ている時などに口のなかや歯の状態を確認します。それでも原因が分からない場合は、「このままだと不安だし、歯医者に行ってもらうほうがいいかな」という考えが生じ、歯医者に行くという行為に繋がります。それは自分の健康を維持するための行為です。
また、身支度で行われる行為としての『着脱』には、外部環境や危険物から身を守ることや、体温と調整、清潔を保持するという意味があります。
自立した身支度の一連の流れ
身支度の介護をするうえで、まず普段どのように身支度をしているのかを理解する必要があります。
例えば衣服を着る時、からだで気温を感じます。それから外の様子や天気などを見て、その日の行動も考え、どのような服を着るかを考えます。着る服が決まったら着替え、最後に鏡で確認してから出掛けます。
- ✅衣服の着脱の一連の動作
- ①利用者の頭の中
「今日は外が寒そうだ」「外で人に会うから少し厚着をしよう」
【1日の予定を考える】
①利用者の頭の中
「今日は外が寒そうだ」「外で人に会うから少し厚着をしよう」
【1日の予定を考える】
③着替える、腕のボタンを留めるなど
【着替える】
④鏡で全体のバランスを見る
【鏡で確認する】
⑤外出の支度をして外に出る
【外出する】
⑥元気に人と挨拶ができる。笑顔で話をしている・・・
【人と会う】
自立に向けた身支度の介護をするために介護福祉職がすべきこと
加齢や障害等により身体機能に何らかの障害が生じると、身支度をすることが困難になることがあります。そのことで、人や社会と関わることが少なくなる人もいます。そうなると身なりを整える必要性が減るため、身支度をするという気持ちにも変化が生じます。その変化は良い循環とはなりません。
介護福祉職は、利用者の身支度の意義を理解し、加齢や障害などがあっても、その人らしさを表現することのできる支援を行うことが求められています。
また、身支度の一連の動作に何らかの手助けが必要な利用者と関わる介護福祉職は、利用者の状況を勝手に判断して決めつけたり介護行為を押し付けてはいけません。
安全や健康を明らかに阻害するような行為をしないことは当然のことです。
しかし、そこだけに主眼が置かれてしまうと、利用者の立場に立った介護行為、自立に向けた介護行為とは言えません。
例えば、衣服を選ぶ際の場面を想定してみます。
これから外出を予定しているので、介護福祉職は着脱を支援します。まず利用者に外出することを説明し、衣服の確認をします。利用者が少し薄手の洋服を選んだことに対して「これでは寒いな、風邪をひいてはいけない」と判断し『こちらの方が良いですね』と利用者の選んだ衣服ではない衣服に着替えてもらったとしたら、利用者はなぜ自分の選んだ衣服ではいけないのだろうかと思うかもしれません。
このとき介護福祉職は利用者の環境に目を向けていたでしょうか。利用者に外が寒いという情報を伝えていたでしょうか。施設の環境は温度設定がされています。伝えていなければ薄手の洋服を選ぶことが考えられます。
その場合、なぜこの洋服を選んだのか、利用者に一言確認すればその理由が分かります。その際に、外は寒いという情報を伝え、それでもその洋服がよいということであれば、下着を工夫したり、寒さ対策に応用できる羽織るものを持参するなどの介護行為が考えられます。そうすれば利用者は好きな洋服を自分で選び外出ができます。
介護福祉職は、自立に向けた身支度を支援するために、利用者の思いという心理面を理解しつつ、利用者の状態や環境を含めて、利用者のできるところ、支援が必要なことを考察し、その人に合った介護方法を行うことが求められます。
介護福祉職の持つ知識と技術で、出来るようにするための支援方法を提示し、一緒に行い、利用者が満足できる「自分らしさ」を支援していきます。そのことが、利用者の自信回復にも繋がり、生活の維持向上にも繋がります。
利用者の状態や状況を確認する
身支度の介護は、生命維持活動に直結するものではありませんが、その人らしさを支援するためには重要な介護技術であることを意識して行う必要があります。
また介護福祉職は身支度の介護を通じて、利用者の
✅「日頃の様子」や「今の様子」
を確認することで、利用者のこころの状態や身体機能の状態の変化を知ることに繋がります。
今まで自分できれいに髪を整えていた利用者が、髪の乱れを気にかけなくなったら、なぜか?と考え、状況を把握するようにします。その結果、肩に痛みがあり整髪が苦痛であるということが分かれば、医療職と連携し、痛みの緩和に関わってもらうことで、いつもの状態に戻ることに繋がります。
利用者の現状は情報として需要な事実です。それらの情報を多方面から分析し、なぜなのだろうと考え、解釈することで、その人に合った介護の実践をすることにに繋がります。
自立に向けた介護を行う際の3つの確認ポイント
運動機能や感覚機能、認知機能が低下した利用者の場合には、出来ないところを介護福祉職が介護する必要が出てきます。そのためには、利用者の身支度の習慣がどのようなものであるかを確認しておくことが大切です。習慣を継続するためには、どのような介護が適しているのかを考えることが必要になるからです。
そしてそれを実践することで利用者の自立に繋がります。
①整容の様子
・利用者がどのような身支度を望んでいるのか
・今までの習慣はどのようなものであったのか
・どのような用具を使用して、どこで行ってきたのか
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②健康状態や、その日の状態や体調
・認知機能の状態、精神機能の状態など
・皮膚・口腔・毛髪・爪の状態など
・身支度の行為に関連する運動・感覚機能の状態など
③環境因子の状況
・洗面所までの移動距離や環境など
・使用する洗面所などの高さや構造など
・室温、換気、明るさの状況など
今回はここまで(^▽^)/
今後細かい状況に応じた介助(洗顔や爪、口腔ケア)などを順次書いていこうと思います。
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