【社会生活のメカニズム】社会生活上の7つの基本的欲求とは? vol.511

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのカナです。今日は「社会の理解」の中から『社会生活のメカニズム』について書いていきます。

社会関係の二重構造

Contents

1.社会生活のメカニズム
 1⃣社会生活
 2⃣社会関係
 ◉基本的欲求に対応する基本的社会制度の理念型
 3⃣社会関係の二重構造
 4⃣社会福祉専門職の固有の対象
 5⃣社会生活と社会的役割

1.社会生活のメカニズム

今回は、「ソーシャルな視点」から、生活を捉える枠組み(社会生活)について考えていきます。

1⃣社会生活

今回は、社会福祉学における著名な理論家である「岡村重夫(戦後の日本の社会福祉理論を打ち立てた代表的な研究者の1人)」による『社会生活』の概念についてみていきます。

岡村重夫氏によれば、生活とは「生活者たる個人と生活環境としての社会制度との相互関係の体系」と規定されます。

いうまでもなく、人間は社会的動物です。

私たちが命を紡ぐ行為は、他者や物理的環境等を含む様々な社会関係との相互関係=社会関係、つまりは社会生活の中で成り立っています。

そこで、「社会生活」の構成要素は、

  • 社会生活上の基本的欲求の主体者としての個人
  • 各々の基本的欲求に対応する基本的な社会制度
  • 両者を結び付ける社会関係

に分類されます。

2⃣社会関係

社会生活上の基本的欲求には、まず衣食住の充足の基礎となる「経済的安定」があります。さらに、一般的に経済的に安定するためには「職業的安定」が必要です。

  • ❸❹社会的協同ないしは社会参加」のないところでは、経済的、職業的安定はあり得ません。

また、心身の健康を維持するためには、「医療の機会ないしは保障」が必要です。種族保存や自己継続の要求は、社会的承認に基づく「家族関係の安定」の中で実現されます。

さらに、知識や技術、文化の伝承は「教育の機会」により達成されます。

これらの岡村重夫氏によ提示された基本的要求は、あくまでも理念型であり、実践的適用においては7つ(❶~❼)に限定されるものではありません。

今日的には、基本的要求とは「ニーズ」を示すものであり、介護福祉士が利用者をアセスメントする際に用いる視点と同じ広がりを持つものとして理解しなければなりません。

これらの基本的要求に対応するものが、「基本的社会制度」です。

ここでいう制度とは、社会における人間の行動や関係を規制する確立された制度=法令とは異なり、社会的に承認された行動様式の意味です。

高度に分業化された現代社会では、人人々の基本的要求は社会的承認に基づいた通路を通じて充足されます。

この通路が、社会的基本制度です。

◉基本的欲求に対応する基本的社会制度の理念型

【基本的欲求】  ≪社会関係≫   【基本的社会制度】
経済的安定      ⇔     産業・経済、社会保障制度
職業的安定      ⇔     職業的安定、雇用保険制度
医療の機会      ⇔     保健・医療・衛生制度
家族的安定      ⇔     家庭、住宅制度
教育の機会      ⇔     学校教育、社会教育
社会的協同      ⇔     司法、道徳、地域社会
文化・娯楽の機会   ⇔     文化・娯楽制度

基本的社会制度は、「社会自体が存続しうる組織的機構であるばかりでなく、個人の生活上の基本的要求を社会統制的な仕方で充足させるための通路でもある」とされています。

具体的には、

  • 社会成員の生物学的機能の維持に関する「保健・医療・衛生制度」、
  • 貸材及びサービスの生産と分配に関する「産業・経済、社会保障制度」や「職業的安定、雇用保険制度」、
  • 社会成員の後継者の生殖や暮らしに関する「家庭、住宅制度」、
  • 新しい社会成員の社会化に関する「学校教育、社会教育」、
  • 秩序の維持・安定に関する「司法、道徳、地域社会」、
  • 社会的動機づけや文化的機能に関する「文化・娯楽制度」

により構成されます。

社会関係とは、基本的要求と基本的社会制度との関係であり、岡村重夫氏は「社会関係こそ社会生活の本質的条件である」と指摘しています。

基本的要求が基本的社会制度との関係を通じて充足される過程を社会関係といいます。

3⃣社会関係の二重構造

社会関係の第1の契機は、自らの「基本的要求」です。第2の契機は、基本的社会制度の側から個人に対して向けられる、客体的・制度的に規定された「役割期待」です。第3の契機は、基本的社会制度により規定された一連の客体的・制度的な役割期待に対して、個人が主体的に応える「役割実行」です。第4の契機は、個人の役割実行の結果としての、基本的社会制度による個人の「基本的要求の充足」です。

つまり、社会関係は、生活者としての個人の主体的側面と基本的社会制度により規定される客体的側面の二重構造により成立しています。

上記の図は、あくまでも理念型であり、現実の社会生活では多数の社会関係に基づく多数の社会的役割を同時に実行しなければなりません。

その際に、専門分業化された基本的社会制度による役割期待は相互に整合性がとれたものとは限りません。

必然的に、多数の社会関係が調和する場合もあれば、矛盾し合う場合もあり得ます。岡村重夫氏は、相互に無関係に成立している多数の社会関係を主体的に統合し、調和させながら社会的役割を実行していく側面を「社会関係の主体的側面」とし、基本的社会制度によって客体的に規定される生活条件を「社会関係の客体的側面」と規定しました。

介護福祉士の職務を含む社会福祉専門職の固有の視点は、社会関係の主体的側面に立った視点に求められます。

4⃣社会福祉専門職の固有の対象

福祉実践における生活者のニーズ=生活困難とは、社会関係の客体的側面に関連し、社会関係の主体的側面で生じます。

ここでいう生活困難とは、

  • 個人の持つ多数の社会関係、すなわち社会関係の客体的側面の相互矛盾としての「社会関係の不調和」、
  • 基本的社会制度との社会関係を失った状態としての「社会関係の欠損」、
  • 基本的要求と基本的制度との断絶としての「社会制度の欠損」

の3類型に整理されます。

制度の狭間題としての社会的孤立や社会的排除の問題は、このようなメカニズムの下で生起するのです。

介護福祉士を含む社会福祉専門職は、このような視点から利用者の社会生活を捉えることが求められます。

5⃣社会生活と社会的役割

ノーマライゼーションは、社会福祉の普遍的な思想として位置づけられていますが、当初は1959年のデンマークにおける精神遅滞者法に端を発したものです。

この思想は、世界的な規模での障害者のゼグリゲーション(分離処遇)からの解放を推進し、今日では「社会的な役割の可能か、確率、増進、維持、ないし防衛」へと成熟しています。

つまり、社会的役割は葛藤や生活困難を引き起こす要因ともなるものですが、社会的役割なしには社会生活は出来ないという厳しい現実を物語っているのです。

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