【④家族支援】介護福祉職が行う認知症の人の家族への支援方法 vol.412

こんにちは。介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『家族支援』を4回に分けてまとめていきます。今日は最終日の4回目になります。

家族が嬉しかったと感じる言葉とは?

Contents

1.介護福祉職が行う認知症の人の家族への支援方法
 1⃣入所施設での家族支援
 2⃣居宅系サービスでの家族支援
 3⃣家族への情報提供と助言の方法
 (1)理想論だけを述べない
 (2)あいまいな概念を使わない
 (3)家族が嬉しかったと感じる言葉とは?

1.介護福祉職が行う認知症の人の家族への支援

1⃣入所施設での家族支援

家族支援は、在宅介護をしている家族だけでなく、施設入所をしてからも行わなければなりません。入所をしても認知症の人は家族の一員です。

入所にあたって自分の家族を他人に任せてしまって言えるという罪責感を感じる家族も少なくありません。

  • 「どのように生活しているか」
  • 「迷惑をかけていないか」

といった不安感を持つ家族もいます。

認知症の人も、入所後は環境に馴染めず、暫く落ち着かなかったり、これまでにない症状があらわれたりすることがあります。

介護福祉職は、家族から在宅生活の様子や本人の好みや趣向を詳しく聞く機会を設けることが大切です。その機会をつくることで家族の安心感につながり、信頼関係にも繋がります。

それにより、認知症の人にとって良い介護計画や支援に繋がるヒントも得られることがあります。

また、家族が施設に面会に訪れた時にも、挨拶だけではなく、日常生活の様子、家族が不安なことはないかなどコミュニケーションを取ることを心掛けることが大切です。

2⃣居宅系サービスでの家族支援

訪問サービスや通所サービスの事業所の職員は、家族の負担感を軽減する役割もあります。家族と関わる機会が多く、その都度観察や声掛けを積極的に行うことが望まれます。

家族は申し訳ないという気持ちも多くあり、要望を言い難く遠慮している場合もあります。表情や様子から観察し、今困っていることはないか、何か不安なことはないかを察し、声掛けをすることが大切です。

家族の体調や睡眠時間、健康問題についてさりげなく聞き取り、サービスの提案や相談が必要であれば、介護支援専門員や相談員に繋げることを伝えます。

通所介護等で家族が見ていない時の認知所の意人の様子を伝えることも、家族の安心と気付きに繋がります。自宅では何もしなかった人が通所介護では明るく楽しそうに過ごしていることもあります。

家族は、通所介護に行っている時も、どうしているのか不安が頭から離れないことがあるので、こうしたことを伝えると、不安が軽減し介護サービスを利用してよかったと思える気持ちにも繋がります。

3⃣家族への情報提供と助言の方法

在宅介護をする家族に情報提供をする際には、次項の「理想論だけを述べない」「 あいまいな概念を使わない 」に注意する必要があります。

(1)理想論だけを述べない

例えば、「認知症になってもこころは生きています」ということを伝えても、「あなたには何もわからない」と思われてしまうでしょう。同じように「問題行動という言葉はやめましょう。本人にとっては問題ではないのです」と言うのも同じように感じるでしょう。

家族が知りたいのは、理想ではなく、どのように今の状況を回避すればよいのかという現実的な生活の工夫なのです。

家族にとっては、生活を脅かす問題行動なのでしょう。その際は、まずは十分に今の話を聞くことが重要です。何に困っていてどんな気持ちなのかについて耳を傾けましょう。

そして、すぐに助言をするのではなく、家族が望ましい生活をするためにどうしていくことが良いのかを助言しましょう。

もしかしたら、買い物に行く時間や友人に会う時間が欲しいのかもしれません。こうした要望を叶えるためにどうしたらよいのかを一緒に考えたうえで、次に対応方法について助言するようにします。

(2)あいまいな概念を使わない

  • 「その人らしさが大切です」
  • 「パーソンセンタードケアが基本です」
  • 「説得より納得」

といった曖昧な概念での説明は避けましょう。

家族は、具体的な助言を聞きたいのです。

例えば、「何度も時間を聞いてきてイライラする」という悩みに対して、「怒ってはダメです。その人の気持ちになってみましょう」では具体性がありません。

まずは、家族の気持ちを受け止め、「怒りたくなる気持ち」を理解し、そのうえで、いくつかのアイデアを出していきます。例えば、

  • 時計を目の前に置く
  • デジタル時計にしてみる
  • 出来るだけ本人の目の前に行って伝える、それでもダメな時は3回まではしっかり答えて、その後は別の話題にする

など、具体的で実用的な試すことができる助言を心掛けます。

概念的な話ではなく、今の話をすることが大切です。

ケンカによる怒りの感情は家族だからこそ生まれるものであり、一方で家族だからこそ生まれる喜びもあります。

ケンカばかりでは疲れてしまうので、出来るだけ笑顔が増えるような生活を送ることを目指す助言をすることが大切になります。

(3)家族が嬉しかったと感じる言葉とは?

言葉は、同じ言葉でも誰に言われたかによって感じ方が異なります。

838人の認知症の人を介護する家族の「専門職からの言われて嬉しかった言葉」として多い順から、

  • 「体調への気遣い」106/838
  • 「介護者への気遣い」101/838
  • 「サービス利用の提案・手配」93/838
  • 「苦労の評価」82/838
  • 「相談に乗ってくれた」68/838
  • 「話を聞いてくれた」58/838
  • 「要介護者への気遣い」40/838
  • 「気分転換・休息のすすめ」35/838

となっています。

自分の「体調への気遣い」について最もうれしかったとの回答が1番多くありました。

サービスを利用する認知症の人への声掛けや体調の心配はあるものの、家族の体調を聞いてくれることがないと感じているからこそ、体調を気遣った声掛けを嬉しいと思うのかもしれません。

介護者が健康でいなくては、在宅の介護は成り立ちません。

介護者が健康であれば、介護福祉職の助言や情報提供をもっと活用できるでしょう。介護福祉職と家族が協力し合うことが、より良い介護に繋がる近道なのかもしれません。

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