こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は福祉住環境の中から「視覚障害」について、今日と明日の2回に分けてまとめていきます。
聴覚障害の原因疾患と治療について
Contents
1.聴覚障害
2.聴覚障害の原因と治療・リハビリテーション
1⃣伝音難聴の原因疾患と治療
2⃣感音難聴の原因疾患
3⃣成人期以降に聴覚障害を生じた場合のリハビリテーション
3.聴覚障害の生活上の不便・不自由
4.聴覚障害の生活上の配慮・工夫
5.聴覚障害の福祉住環境3つの整備
1.聴覚障害
「聴覚」とは、空気の振動によってできた音波が耳で受容され、蝸牛で電気信号に変換され、聴神経を通って大脳に伝えられ、音として知覚される感覚のことをいいます。
この聴覚の経路のどこかに機能低下が生じると、聴覚障害(難聴)が起きます。
聴覚の経路は、音の振動を蝸牛に伝える「伝音系」と、音を電気信号に変えて脳に伝え認知する「感応系」に分けられ、前者の障害による難聴を「伝音難聴」、後者を「感音難聴」といいます。
※機能低下のある場所の違いだけでなく、聞こえ方が異なります。
2.聴覚障害の原因と治療・リハビリテーション
1⃣伝音難聴の原因疾患と治療
「伝音難聴」の原因は、中耳・内耳の機能低下・中耳炎が代表的な疾患になります。
慢性中耳炎は、鼓膜に大きな穴が開き、浸出液(耳垂れ)が出ることもあり、重度の場合には手術が行われます。
感音系には障害がないため、比較的言葉の聞き分け能力である「言語音明瞭度」がよく、音を大きくすれば聞き取れます。
※聴覚の改善が望めない場合は、補聴器の適応となります。
2⃣感音難聴の原因疾患
「感音難聴」の原因は、中耳~聴覚中枢の機能低下によるものです。
「加齢性(老人性)難聴」「音響外傷性難聴」「突発性難聴」「メニエール病」などが代表的な疾患となります。ただし、原因不明であることも多いです。
- 加齢性(老人性)難聴:高い音域の聴力から徐々に低下し言葉が聞き取りにくくなる。そのため、話し声は聞こえても、何を言っているか聞き取れない場合がある
- 外傷性難聴:強大音に一時的にさらされたり、騒音を長時間聴くことによる難聴
- 突発性難聴:突然耳が聞こえなくなる。一側性であることが多い
- メニエール病:めまいや発作、耳鳴り、難聴を繰り返す難病
3⃣成人期以降に聴覚障害を生じた場合のリハビリテーション
成人期以降に聴覚障害が生じた場合は、「補聴器」もしくは「人工内耳」を装用します。
この2つはそれぞれ調整と練習・訓練が必要になります。
- 補聴器:適合調整と慣れるまでの練習が必要となります。
- 人工内耳:調整と聞き取り訓練が必要となります。
補聴器や人工内耳を装用しても、完全に元の「聞こえ」の状態に戻るとは限りません。そのため、「読話」や「手話」など、新たなコミュニケーション手段の学習、会話の進め方の工夫が必要となります
- 「聞こえ」とは?
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音の高さは周波数(ヘルツ)で表され、値が高くなるほど高い音として聞こえます。人が音として聴くことが出来る範囲は、約20Hzから約20.000Hz程度。音の大きさは、dB(デシベル)という単位で表します。WHOによる難聴の分類では、平均聴力は正常の場合25dB以内で、難聴は軽度から最重度まであり、最重度は91dB以上となります。
3.聴覚障害の生活上の不便・不自由
聴覚障害の生活上の不便・不自由は、様々ですが、代表的なものは下記の5つになります。
- 周囲から音や音声言語を通した情報の入手が困難となる
- 会話などのコミュニケーションを行うことが困難となる
- 外見上障害があることが分からず、必要な援助を得にくい
- 受傷時期により障害が異なる
- 地域社会や家庭内でコミュニケーション困難や不足が生じると、社会活動や楽しみが減ったり、孤立したりしてしまうことがある
言語習得期以前の聴覚障害は、発声言語の習得が必要になり、発音面でも障害(構音障害)が生じることもあります。
中途で聴覚障害になった場合は、音声言語習得には影響ありませんが、難聴による心理面の問題や、社会生活でのコミュニケーションに問題が生じます。
- 言葉が聞き取りにくいとは?
-
音として聞こえますが、言葉は聞き取れない場合があります。感音難聴では一番聞きやすい音声の大きさを超えると、音が耳に響いてかえって語音明瞭度は低下します。また、話す速度が速い、周囲の雑音が多い場合、残響時間が長い場合にも語音明瞭度は低下します。
4.聴覚障害の生活上の配慮・工夫
聴覚障害の生活上の配慮として、コミュニケーションや情報収集の支援が必要になります。そのため、介護者が聴覚障害者とのコミュニケーション方法を工夫することが大切です。
聴覚障害者が他の人とコミュニケーョンが図れるよう、必要な手段や方法を提供することが必要です。そして、聴覚障害者が自立的に周囲の音・情報を得られるよう、福祉用具や代替え手段を活用することが重要になります。
5.聴覚障害の福祉住環境3つの整備
1つ目の整備として、生活空間における音響特性として、
- 「雑音が少ない」
- 「必要以上に反響しない」
- 「衝撃音が出ないようにする」
そのためにも、遮音性の高い壁や窓、吸音性の高い壁や床が必要となります。
2つめは、
- 「電話のベル」「玄関のチャイム」などの音を聞こえやすくします 。( 音量を大きく、聞きやすい音域・音質にします)
そして3つめは、様々な情報が視覚的に分かるように工夫します。例えば、
- 電話のベルの代わりに「フレッシュベル」
- 玄関のチャイムの代わりに「回転灯」や「フラッシュ」
などの室内信号装置を設置します。
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