こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。
昨日“筋ジストロフィー”を書きましたが、進行性の肢体不自由について、何回かに分けて福祉住環境の視点からまとめていきます!
進行性疾患:脊髄小脳変性症について
Contents
1.脊髄小脳変性症の住環境整備
1⃣脊髄小脳変性症の特徴
2⃣脊髄小脳変性症の症状・治療・リハビリテーション
2.生活上の不便・不自由の配慮・工夫
1⃣ステージⅠ~Ⅳについて
3.福祉住環境整備
1⃣脊髄小脳変性症の起居・移動動作・福祉住環境などの生活指導
1. 脊髄小脳変性症の住環境整備
1⃣脊髄小脳変性症の特徴
脊髄小脳変性症とは?
原因としては、遺伝性と非遺伝性のものがあるとされ、患者数は、10万人当たり5~10人と推定されます。わが国では、遺伝性のものが40%を占め、残りの60%については原因不明になります。
2⃣脊髄小脳変性症の症状・治療・リハビリテーション
小脳・脳幹・脊髄などに変性が生じ、四肢の動きがぎこちなくなるなどの運動失調が起こる病気である。運動失調により歩行が不安定、手仕事がやりにくい、話し方が遅い、言葉が不明瞭になるなどの症状が出現します。
・失調性構音障害・上肢の運動失調を生じ、発症から2~5年の間にパーキンソン症状(固縮・無動など)が加わります。
・効果的な治療法はまだ無く、「薬物療法」と「リハビリテーション」により余病と合併症を防ぎ、残存能力を最大限に引き出します。
2.生活上の不便・不自由の配慮・工夫
日常生活では、移動能力が生活範囲を規定することが多く、移動能力を中心として『重要度分類』が用いられます。
1⃣ステージⅠ~Ⅳについて
stageⅠ(歩行自立期):屋外歩行自立▶ 手すりを使用せず階段昇降、屋内歩行自立 ▶ 階段昇降などは不安定。
stageⅡ(伝え歩き期)▶ 要所でつかまるものが必要な随時伝い歩き、及び常時伝い歩きの状態。
stageⅢ(車いす期)▶ 手膝這い移動、・車いす自立、及び実用性の低い座位でのずり移動の状態。
stageⅣ(移動不能期) ▶ 座位保持が出来なくなります。
3.福祉住環境整備
1⃣脊髄小脳変性症の起居・移動動作・福祉住環境などの生活指導
脊髄小脳変性症の起居・移動動作・福祉住環境などの生活指導について
▪起居・移動動作
⋄福祉住環境整備・補装具・補助具
【stageⅠ:歩行自立期】
▪就業、通勤に関する指導を行う
▪自動車を運転している人は、運転を止める見極めが重要
▪体力維持のために散歩などの歩行量の確保を指導
▪悪路や階段昇降は、杖、手すりを使う
【stageⅠ▶Ⅱ:移行期】
▪自立歩行が不可となっても、歩行車、車いすを使ってタクシーを利用できる
▪介護者と腕を組むなどの屋外補助歩行をする
⋄介助用車いすや膝装具、短下肢装具などの装具類、歩行車、杖などの福祉用具を使用
⋄起立、立位保持、移動の場所に、一般より高めの手すりを取り付ける
【stageⅡ▶歩行不安定期】
▪外出の機会となる社会資源の活用
▪起立、立位保持が不安定になるので、入院中から在宅での動作を想定して指導する
▪伝い歩きは、横歩き、両側壁伝い歩きなど在宅で必要な方法を指導する
▪屋内の一部で歩行車を使用する
▪屋外での車いすによる移動手段を確保する
▪伝い歩きなどで歩行量を確保する
⋄布団かベットを選択する
⋄車いすの使用
⋄トイレ、浴室の改造
⋄夜間は尿器などの使用
⋄衣服の着脱の工夫
【stageⅡ▶Ⅲ:移行期】
▪手膝這い移動と併用する
▪膝立ち位、片膝立ち位、高這い位(臀部を高くして這う姿勢)の練習
【stageⅢ:手膝這い期】
▪屋外の一部と屋内で車いすでの移動の仕方を指導する
▪伝い歩きと併用する
▪ベッド、椅子、洋式便器への移乗で、膝立ち位、片膝立ち位、高這い位の各動作を使う
⋄車いすの使用
⋄手すりの取り付け
⋄ベッドの使用
⋄家屋構造によりトイレとポータブルトイレ、尿器の使用
【stageⅢ▶Ⅳ:移行期】
▪介助歩行訓練を継続する
▪手膝這い、座位でのずり移動、起座が困難となる
【stageⅣ:臥床期】
▪部分的な車いす使用(座位保持)
▪ベッド用手すりを使っての起座方法
▪ベッド用手すりを使っての寝返り
▪座位時間の延長
⋄車いすの使用
⋄特殊寝台
⋄背もたれ付きポータブルトイレ、尿器の使用
⋄頸椎装具の検討
福祉住環境整備は、上記のステージ別移動能力に合わせて、個別に行うことが重要です。
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【②肢体不自由】身体的特性と障害の原因となる疾患 vol.73
【③肢体不自由】心理・生活面の理解と特性に応じた支援 vol.74
【❶肢体不自由:脊髄損傷】損傷レベルと感覚・膀胱・直腸機能障害とは? vol.133
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【①重症心身障害】障害の原因疾患3分類・障害特性7項目について vol.262
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