障害別に見た福祉住環境整備

【❻肢体不自由:切断】様々な原因による切断・福祉住環境整備とは vol.138

2020-10-29

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。

昨日”脳性麻痺”を書きましたが、今日は様々な原因による切断者の運動機能障害について、福祉住環境の視点からまとめていきます!

種々の原因による切断者:運動機能障害について

Contents

1.切断とは
 1⃣切断の特徴
 2⃣原因疾患・リハビリテーション
2.生活上の不便さと福祉住環境整備
(1)片側股関節切断
 1⃣室内移動
 2⃣浴室
 3⃣トイレ・玄関・出入り口
(2)両側大腿切断
 1⃣室内移動
 2⃣浴室
 3⃣トイレ・玄関・出入口
(3)片側大腿切断・膝関節離断
(4)下肢切断・サイム切断・足部切断
(5)上肢切断(装飾用・能動・作業・電動義手)

(1)片側股関節切断

一般的には股義足を装着。股・膝・足継手のコントロールは腰椎を前腕して義足を振り出すことによって行われるため、体力の無い高齢者や女性などは松葉杖やT字杖などを使った歩行が不可欠となります。

1⃣室内移動
室内移動

・義足を脱ぎ、両松葉杖歩行又は車いす移動 ▶ 出入り口が廊下は、車いすが通れる有効幅員を確保。床材を車いす歩行に適した表面の硬い材質に変更。敷居等の段差解消します。
・義足を装着したまま室内移動 ▶ 玄関・廊下・トイレ・浴室などに転倒防止の手すりを設置、床材は滑りにくい材質を使用します。

2⃣浴室
浴室

健側下肢の筋力と片足立ちバランス能力によって手すりの位置と高さを決める。浴槽への出入りは、バスボードに腰かけて行う。洗い場には安定した椅子を設置します。

3⃣トイレ・玄関・出入り口
トイレ・玄関・出入口

・トイレ ▶ 洋式便器の両側に手すりを設置します。
・玄関・出入口 ▶ 立位での靴の着脱が出来ないため、ベンチあるいは椅子、および手すりを設置します。

(2)両側大腿切断

両側長断端切断(大体の下1/3程度の切断)の場合、体力があり実用的な義足歩行が可能な若年者を除き、車いす移動が主となる ▶ 車いすのスペースや義足の着脱、収納する場所の考慮が必要となります。

1⃣室内移動
室内移動

自宅では義足を外して過ごす人が多く、義足を付けても小回りが利かないなど実用性は低い ▶ 両手で座位移動、または車いすを使用します。

2⃣浴室
浴室

健側下肢の筋力と片足立ちバランス能力によって手すりの位置と高さを決めます。浴槽への出入りは、バスボードに腰かけて行う。洗い場には安定した椅子を設置します(片側股関節離断と同様)。

3⃣トイレ・玄関・出入り口
トイレ・玄関・出入口

・トイレ ▶ 車いす移動の場合、便座と車いす座面の高さに多少の差があれば、正常な両上肢の筋力により移乗可能。便器の両側に補助手すりを設置します。
・玄関・出入口 ▶ 車いす対応とし、段差解消機またはスロープを設置します。

(3)片側大腿切断・膝関節離断

一般的に吸着ソケットやライナーを使用したソケットが付いた大腿義足が使われ、着脱が容易な差し込み式の使用例は少ないです。1度義足を脱いだ後では、再度装着せず両松葉杖で移動することが多くなります。義足装着時と非装着時のADL把握が必要となります。

  • 義足での階段の上り:前方の手すりを握り、健側を1段上の段に乗せて膝を伸ばす、義足を上の段に乗せます。
  • 義足での階段の下り:手すりを握り、義足を1段下に降ろす、健側を1段降ろし義足を揃えます。段鼻(階段の踏み板(踏み面)の先端部分のこと)に足が引っ掛かりにくい形状にします。

(4)下肢切断・サイム切断・足部切断 

①着脱が容易な下腿義足のソケットが数種類ある。従って日常生活では住環境整備の必要性は低くなります。
②義足装着を行うため、玄関など各生活空間に椅子を設置します。
③サイム切断、足部切断では、浴室に手すりを設置し、滑りにくい床材を使用。居室等には足部への衝撃を和らげるためのクッション性のあるカーペットなどを使用します。

(5)上肢切断

片側のみの上肢切断の場合▶ 健側上肢でADLは可能なことが多い。健側上肢で使いやすいように、日常生活で使う建具や備品の左右の位置交換が必要となります。

両側上肢切断の場合 ▶ 能動義手が不可欠で、少なくともどちらかの上肢の機能を持たせることが必要となります。戸の開閉は手先具で出来るレバーハンドルとし、電灯のスイッチなどは大きくして操作しやすくします。

義手の種類(上肢切断に用いる)

  • 装飾用義手:欠損部位を補完し、機能的な動作は出来ないが見た目を補う。
  • 能動義手:つかむ、握るなど日常生活機能を重視している。
  • 作業用義手:主に農業、林業など特定の作業を行うために使用する。
  • 電動義手:筋力の無い人や高齢者向け。切断端の筋活動に反応して動く。
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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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