こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「人間の理解」の中から『社会心理学』について5回に分けて書いていきます。今日は4回目です。
集団規範と集団凝集性について
Contents
1.社会心理学からみた人間関係
1⃣集団生活の展開
(1)2つの集団の形成
(2)集団生活に至る5つの過程
2⃣集団のなかの人間関係(グループにおける力動性)
(1)集団規範:集団は基準を共有する
(2)集団凝集性:集団はまとまる
◉集団凝集性の2つの側面
1.社会心理学からみた人間関係
1⃣集団生活の展開
集団はどのように形成されるのでしょうか。集団の形成のされ方は、下記の表のように2通りあります。
- (1)2つの集団の形成
- ❶【計画的形成による集団】
・周囲の要請に基づいて形成
・社会的目標を達成するためにつくられた「公式集団」
・メンバーは地位や役割によって結びついている
(例)学校、クラスなど
❷【自発的形成のよる集団】
・集団のメンバーの1人ひとりの意思に基づいて形成
・自然発生的に集まった「非公式集団」
・メンバーが主に感情によって結びついている
(例)クラスの中で仲の良い集団
この2つ、「計画的形成による公式集団」と、「自発的形成による非公式集団」は影響し合う関係となっています。
一例となりますが、私たちはこれまでの生活で、公式集団の影響を受けて非公式集団が形成されるという経験をしています。
- 保育所
- 幼稚園
- 学校
- 職場
など、多くの場面で「公式集団」から社会生活がスタートします。
例えば、学校におけるクラスは、教育的配慮により目的合理的に形成された集団です。クラスにはリーダー的な立場のクラス委員長や、様々な係、委員についている児童生徒がいます。
クラスは学校の公式集団なので、児童生徒はクラスを自由に選択することが出来ません。
やがて、クラスの中で少人数の仲良しグループが生まれたり、クラスの違う児童生徒と共通の興味・関心を通して仲間になったりします。
これらは、学校が計画的に形成した集団ではなく、児童生徒による自発的形成による「非公式集団」です。
なお、このような集団での生活に至る過程は、下記の図のように5段階で整理することが出来ます。
- (2)集団生活に至る5つの過程
- ❶その集団のメンバーとして、ただ集まっている段階
<個の集まり>
↓
↓
❷メンバー間に相互のはたらきかけがみられる段階
<相互作用>
↓
↓
❸集団への所属意識を持つようになり、仲間を作りはじめる段階
<仲間の形成>
↓
↓
❹集団への所属意識が強まり、連帯感が高まる段階
<役割の分担>
↓
↓
❺集団の一員として一体感が強まる段階
<集団生活の展開>
2⃣集団のなかの人間関係(グループにおける力動性)
私たちの行動は、集団の影響を強く受けています。1人でいる時の行動と集団の中にいる時の行動が異なるのは、集団が持つ心理学的な力が働いているからです。
集団の影響は、メンバー間の人間関係においてもみられるということが、集団力学(グループ・ダイナミクス)の研究によって明らかにされています。
(1)集団規範:集団は基準を共有する
集団規範とは、集団内の大多数のメンバーが共有する判断の枠組みや思考様式のことです。その集団に属しているメンバーに期待される価値観や判断、態度、行動などの基準ともいえるでしょう。
学校規則や就業規則のように明確に示された規範もあれば、メンバー間で暗黙の了解として共有されている規範もあります。
集団規範は、メンバーの行動が適切か不適切か、あるいは許容範囲内であるか否かを評価する基準になります。
その規範に基づいて行動しない場合には、他のメンバーから心理的圧力が加えられることもあるでしょう。規範は、集団を維持し、共通の目標を達成していく為の手段として機能します。
また集団規範は、その集団のメンバーにとって、判断や行動の拠り所でもあります。規範に従うことで自分の行動や考えに妥当性が与えられ、精神的な安定が得られるというメリットがあります。
しかし、その一方で、規範に固執し過ぎるとメンバーの意識や行動が画一化してしまい、状況の変化に柔軟に対応することが難しくなります。
(2)集団凝集性:集団はまとまる
- ◉集団凝集性の2つの側面
- 【対人的凝集性】
・メンバーたちが互いに好意を持つことにより生じる集団の魅力
【課題達成的凝集性】
・その集団に所属することで自分にとって重要な目標を達成できることにより生じる集団の魅力
メンバーをその集団に留まらせようとする力のことを「集団凝集性」といいます。この集団凝集性には上記のような2つの側面があります。
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