【養護老人ホームとは?】サービス内容や利用者の要件について vol.107

養護老人ホームについて

Contents

1.養護老人ホームとは
 1⃣どのようなサービスなのか?
 2⃣どのような人たちが利用しているのか?
 3⃣どのような生活や活動をしているのか?
 4⃣どのようなケアを行っているのか?
 5⃣どのような人たちと一緒に働いているのか?
 6⃣他の職種の人とどのように協働しているのか?
 7⃣介護福祉職はどんなチームを組んでいるのか?

1.養護老人ホームとは

1⃣どのようなサービスなのか?

養護老人ホーム

養護老人ホームは、1963年(昭和38)の老人福祉法の制定に伴い、旧・生活保護法による養護施設をベースに、新たな基準により創設された施設。
老人福祉法に規定される老人福祉施設の1つです。

同じ老人福祉施設である特別養護老人ホーム(以下、特養)が2000年(平成12)の介護保険法施工に伴い、介護保険施設にも位置付けられ、従来の措置施設から契約施設へ転換された後も、養護老人ホームは従来の措置による入所形態を継続してきました。

しかし、2006(平成18)年度の中途より、養護老人ホームは、介護保険法の指定居宅サービスである外部サービス利用型特定施設入居者生活介護の指定を受けることが出来るようになり、養護老人ホームの入居者は、契約により介護保険の居宅サービスを利用できることになりました。

外部サービス利用型の指定を受ける養護老人ホームの場合は、施設があらかじめ委託契約を結んだ訪問介護(ホームヘルプサービス)や、通所介護(デイサービス)、訪問看護等を利用できます。

また、個別契約型といわれる介護保険の指定を受けない養護老人ホームの場合は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネージャー)が居宅サービス計画を立案し、居宅サービスを自由に組み合わせて利用することが出来ます。

さらに、2015(平成27)年度より、これまで外部サービス利用型のみ指定から介護保険法による一般型特定施設入居者生活介護の指定を受けることが可能になりました。

この指定を受けた場合、外部サービス(訪問介護、通所介護等)ではなく、介護保険施設である特養のように入居者3名に対して職員1名で配置された介護・看護職員により24時間のケアを受けることが出来る方になります。

同じ養護老人ホームであっても、介護保険の指定の有無や種類によって、人員配置や介護サービスの提供方法が異なります。制度の概要を理解することで、現場でのケアの流れや入居者の生活プログラムへの理解も深めることに繋がります。

2⃣どのような人たちが利用しているのか?

養護老人ホームは、65歳以上で、「環境上の理由」及び「経済的な理由」により在宅において養護を受けることが困難な人を対象にしています。
※詳しくは下記にまとめます。

具体的には❶❷のいずれかに該当する場合をいう。

❶環境上の理由については、健康状態は「入院加療を要する病態」でないこと、家族や住居の状況など、現在置かれている環境のもとでは「在宅に置いて生活することが困難」であると認められること。


❷経済的理由については「属する世帯が生活保護法による保護世帯」であることや、「市町村民税の所得割の額がない」こと、災害時の事情により「世帯の生活の状態が困窮している」と認められること(環境上の理由及び経済的な理由については、措置を行う市町村がそれぞれ基準を設けているため、一部異なる場合もある。

2012年(平成24)に行われた全国社会福祉法人経営者協議会「養護老人ホームの現状と今後のあり方―機能強化型養護老人ホームの提案」の調査によると、3年間の新規入所者の入所理由(措置理由)は、

  1. 家族関係調整(虐待以外)26.3%
  2. 退院後戻る家がない 10.4%
  3. 認知症(Ⅱ以上) 8.2%
  4. 家族等による虐待 7.1%
  5. 精神障害(認知症を除く) 6.8%
  6. 借家からの強制退去 6.5%
  7. その他 24.8%

となっています。これら以外では、

  • 身体障害
  • 知的障害
  • 震災に伴う事情
  • 触法経験あり(刑務所受経歴のある人等)

とあり、退所理由については、

  • 死亡 46.1%
  • 特養などの介護施設、病院、福祉施設への移行 46.9%

で、在宅復帰の比率は非常に低い傾向にあります。

さまざまなニーズを持つ人が利用している状況があるからこそ、近年、養護老人ホームのに「関係づくり」や「環境づくり」といったソーシャルワークの機能が必要とされています。
入居する人の疾病や障害だけでなく「心理面」「社会面」など、多面的な理解が求められます。

養護老人ホームには、高齢化や疾患、障害等により、介護の必要な人も多くいます。近年では、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受ける施設や、外部の介護サービスを利用する環境が整ってきたこともあり、要介護状態の人も数多く暮らしています。

要介護状態の人は、食事や排泄、入浴の介護、医療やリハビリについて、施設の職員の他に、訪問介護や通所介護を定期的に利用して暮らしています。

介護や医療を必要とする人、その他さまざまな理由により孤立傾向にある人や、人間関係でトラブルを生じさせやすい人もいます。その個別性や主体性を重視しながら、心身状態や社会関係の把握にも努める必要があります。

3⃣どのような生活や活動をしているのか?

要介護状態の多くは、個室もしくはプライバシーに配慮した環境になっており、入居者はそれぞれの暮らしを営んでします。出来ることは自分で行うことが生活の基本となるので、居室の掃除や洗濯、入浴、外出を自分でする人や、施設入所前から続けていた体操や書道などの趣味活動を日課とする人もいます。

多くの施設では、「文化活動」「運動」等のプログラムを行っています。

これを楽しみにする入居者も多く、施設への入居をきっかけに新しい趣味や生きがいを見つける人や、何十年も遠ざかっていた趣味を再開する人もいます。

これらの活動は、外部の講師を招いたり、職員がリード役になる場合もありますが、入所者による自主的な取り組みの場合もあります。

養護老人ホームでの活動メニューの例

  • 手芸
  • 書道
  • 華道
  • 茶道
  • ガーデニング
  • 料理
  • 音楽教室
  • パソコン
  • グランドゴルフ
  • 体操
  • 散歩 など

施設では外出も自由に出来るので、バスやタクシーを利用して買い物や美容院へ行く人もいます。また庭園でくつろいだり、花や野菜の栽培をしたりしています。

4⃣どのようなケアを行っているのか?

利用要件

養護老人ホームには、「経済的理由」や「居住環境」など、様々な理由により在宅での生活が困難になった人が入居しています。高齢を対象とする施設ですので、加齢に伴う心身機能の低下等から介護が必要な人も少なくありません。

多様なニーズを持つ養護老人ホームの入居者だからこそ、丁寧な介護過程、

(アセスメント⇒介護計画の立案⇒介護の実施⇒評価)

が展開が必要になります。

どのようなニーズがあるのか、どのような繋がりの中で暮らしてきた人なのか、生活歴等をアセスメントを通じて明らかにし、入居者を中心としたケアカンファレンスの中でケアの目標をを明確にします。この目標の達成に向けて、介護福祉職はチームケアを行います。

施設内で行われるケアは幅広く、「身体介護」「生活支援」「見守りや相談」「通院の付き添い」「レクリエーションや行事」の支援を行う場合もあります。

主なケア内容

・生活介護
見守り、安否伺い、掃除(居室や共有部分)、洗濯、洗濯物整理、通院の付き添い、配膳、レクリエーション、買い物、手続きや届け出の支援、デイサービスの準備、デイケアの準備等

・身体介護
食事、排泄、整容(歯磨き、整髪、義歯洗浄、髭剃り、洗顔等)、移乗・移動、外出、着替え、入浴、服薬、ナースコール対応等

・相談・調整
相談の対応、家族・関係者との連絡や調整、医療、介護サービス関係者との連絡や調整等

・その他
介護にかかわる記録、会議の準備や運営、行事やクラブの企画・実施等、実習生やボランティアの受け入れ等

いずれも入居者の望む暮らしの実現に向けた自立支援の取り組みです。

入居者の能力を最大限活用し、必要に応じて新しい用具や方法の提案等も行いながら「自立」を目指して行われるものです。

また、他の入居者との交流を持ちながら、楽しみや生きがいを見つけ、自立した生活や関係づくりが進むように支援することも重要です。入居者同士の交流は、暮らしに潤いのあるものにし、活動力が高まる効果も期待されます。

5⃣どのような人たちと一緒に働いているのか?

他職種協働(どのような人達と一緒に働いているか)

🔸施設長
施設の運営管理などを行います。

🔸医師
入居者の健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数が配置されています。定期的な診察、往診を行い、必要に応じて薬の処方や処置、外部の医療機関、専門医との連携も行います。

🔸看護師(准看護師)
医師の指示を受け、入居者の健康管理及び療養上の世話を行います。

🔸生活相談員
入居者やその家族からの相談、サービス内容の調整に応じます。また新規入居・退去の調整を行います。家族との連絡調整、外部の介護支援専門にとの情報交換を行います。

🔸支援員
生活に必要な支援、見守り、介護等を行います。必要に応じて個々の入居者に合わせた支援を行います。

🔸管理栄養士・栄養士・調理員
入居者の食人献立考案、カロリー管理、栄養指導・相談、嗜好調査を行います。病気によっては特別な食事が必要になることもあるためその対応を行います。

🔸その他職員(事務員等)
事務員、その他の職員が適当数、配置されます。

🔸介護サービス関係職員
・介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受ける養護老人ホームでは、特定施設サービス計画を立案する介護支援専門員や施設内の介護を担当する介護福祉職が配置されています。
・個別契約型の養護老人ホームでは、介護支援専門員や介護福祉職は配置されませんが、在宅の高齢者と同じように居宅介護支援事業所、地域包括支援センターの介護支援専門員等が居宅サービス計画(要支援との場合、介護予防プラン)を立案します。

6⃣他の職種の人とどのように協働しているのか?

他職種協働

介護福祉職は非常に幅広いニーズに対応できる専門職ですが、入居者の暮らしを支え、自立へ向けたかかわりを行うためには、他職種との連携、協働を欠くことは出来ません。

前項でも述べてきた通り、養護老人ホームでは、様々な職種がケアに関わります。場合によっては、医療機関や福祉用具事業者等の施設外部の資源、専門職との連携が必要なこともあります。

この調整は生活や介護相談員や介護支援専門員が行うこともありますが、いずれの場合も介護福祉職は、入居者の生活に最も身近な存在として、心身状態や生活全体を把握しながら、他職種と「入居者の今」を把握し、共有するキーパーソンとなります。

7⃣介護福祉職はどんなチームを組んでいるのか?

チームケア

施設で勤務する介護福祉職は、交代勤務で入居者の24時間の位を支えています。介護福祉職として根拠ある共通したケアを実施するために、同職種チーム内の情報共有は重要です。

施設により呼び方は異なりますが、「申し送り」「引継ぎ」「ミーティング」等、情報共有の時間が日課の中に設けられています。

多くの施設では、夜勤者の勤務時間の開始と終了時に合わせて、夕方と朝に情報共有や、ケアの内容の確認・調整等の時間が設けられています。例えば、入居者の心身状態、活動状況(通院、行事、面会、デイケアの参加等)についての情報共有を行います。

情報共有の中で、体調が良くない入居者への検温や、体調を伺う頻度、観察ポイントなどを確認します。また排便のコントロールが難しい入居者には、水分補給やトイレへの言葉かけを行うためのケア内容の確認を行います。

委員会活動

施設により異なりますが、委員会活動を通じて情報共有や新しい取り組みを検討する場合もあります。「感染症」「事故防止(リスクマネジメント)」「身体拘束の禁止」「苦情対応」「給食委員会」等がこれにあたり、さらに「入浴」「食事」「排泄」など個別テーマごとに情報共有やケアの見直しを進める施設もあります。

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