こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「医療的ケア」の中から『経管栄養での急変・事故発生時の対応と事前対策』について書いていきます。
急変・事故発生時の対応
Contents
1.経管栄養での急変・事故発生時の対応と事前対策
1⃣緊急を要する状態(症状)
2⃣急変・事故発生時の対応(報告)
◉事例
3⃣急変・事故発生時の事前対策(医師・看護職との連携体制の確認)
2.まとめ
1.経管栄養での急変・事故発生時の対応と事前対策
1⃣緊急を要する状態(症状)
経管栄養の実施について、緊急を要する状態とは、生命の危機に直結する状態を指します。
具体的には、
- 呼吸が停止している
- 呼吸状態が悪化している(苦しそうな表情や顔色が悪くなった)
- いつも意識がある人が意識が無いように見える
- 嘔吐して気管に嘔吐したものが詰まっている
などの場合です。
すぐに生命の危機に直結しなくても、胃ろうの場合に急を要するのは、胃ろうチューブが抜けているのを発見した時です。時間が経つと、ろう孔部が閉鎖してしまうからです。
2⃣急変・事故発生時の対応(報告)
緊急を要する状態であると気付いた時には、ただちに医師や看護職へ報告・連絡します。
緊急時に慌ててしまい、何をしてよいのか分からず混乱することも考えられるので、報告相手や報告内容などについてマニュアルを作成し、介護福祉職・医師・看護職・家族で共有し、十分に理解しておきます。
医師・看護職への報告するときには、まず呼吸を整え、慌てず正確に報告します。報告にあたっては、
- 「いつ」
- 「どこで」
- 「誰がまたは何が」
- 「どのように」
- 「どうしたか」
- 「どうなったか」
を明確に伝えます。
必ず利用者の状態の変化を報告します。
◉事例
例えば・・・
- 「いつ」:どのような状況の時か(経管栄養注入前、注入中、注入後、何をしていた時か、など)
- 「どのように、どうしたか、どうなったか」:利用者にどのような変化があったか(腹部の状態、呼吸の状態、顔色、嘔吐の有無、意識の状態など)、チューブの詰まりなどの器具の不具合の様子など
どう対応するかは、医師や看護職の指示に従います。勝手な判断で対応することは、かえって危険な状態に繋がることがあるので控えます。
3⃣急変・事故発生時の事前対策(医師・看護職との連携体制の確認)
事前対策として、事前に緊急時の連絡先について連絡網を用意して、関係者・医師・看護職と共有しておきます。そして、誰に何を報告するべきか整理しておきます。
緊急時の対応方法については、事前に医師や看護職と相談して、「応急手当方法のマニュアル」として共有し、分かり易い場所に掲示するなどしておきます。
また、急変・事故発生時の記録には、
- 「いつ」
- 「どこで」
- 「誰がまたは何が」
- 「どのように」
- 「どうしたか」
- 「どうなったか」
を正確に記します。
その記録は、その後の治療や対処を決定する重要な情報となります。
記録をもとに関係者・医師・看護職・介護支援専門職(ケアマネジャー)・介護福祉職などが原因などについて話し合い、それぞれの立場から再発検討策を検討・共有することで、再発の防止に繋げます。
2.まとめ
施設や事業所においては、どのような急変・事故がどのように起こっているのか、評価を行い、全職員が共有できるように定期的に確認することが大切です。
そのためには、日頃から家族を含む関係者間で何でも気軽に相談できる信頼関係が、事故を防止していく為に重要なカギとなります。
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