【⑦高齢者及び障害児・者の経管栄養概論】経管栄養による下痢の原因と4つの要因 vol.546

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「医療的ケア」の中から『高齢者及び障害児・者の経管栄養概論』について10回にわけて(消化器系の役割から経管栄養が必要な状態など…)書いていきます。今日は7回目です!

主なスキントラブル

Contents

1.経管栄養実施上の留意点
 1⃣経管栄養実施上の留意点
 2⃣経管栄養で起こりうるからだの異変 (経管栄養による下痢の原因と4つの要因)
 3⃣スキントラブル

1.経管栄養実施上の留意点

1⃣経管栄養実施上の留意点

経管栄養を行っていても通常の生活を送っている人も沢山います。経管栄養は、その人の生活や行動範囲を制限するものではありません。しかし、異物が消化管に入っていることは変わりありませんので、次項のような異変を見つけたら、医師や看護職に速やかに連絡することが必要です。

毎日のケアの中で、異常を早期発見できる観察力を身に付けることが大切です。

2⃣経管栄養で起こりうるからだの異変(経管栄養による下痢の原因と4つの要因)

疾患によっては、経管栄養において、
✔脱水
✔電解質異常
✔血糖値の異常
などが起こることがあります。
電解質異常などを起こすと、発熱、心不全、呼吸不全、意識障害、けいれんなどの重篤な症状を呈することがあります。

利用者の状態に合った経管栄養剤が、医師により選択され実施されているので、介護福祉職の判断で注入する内容や、量を変更することは大変危険です。

また、利用者を間違えて実施しないよう、何度も確認することが大切です。

経管栄養を行う上で最も重篤な合併症「誤嚥性肺炎」は、死に至ることもあります。

誤嚥性肺炎の原因は、以下のようなケースがあります。

  • 嚥下機能の障害で、口腔内の汚染物質が気道へ流れて起こる
  • 胃の内容物が逆流し、気道に入ってしまい引き起こされる
  • 食道裂孔ヘルニアやサイズが大きすぎる経管栄養チューブ(胃ろう・腸ろう栄養チューブも含む)を使用している時に逆流を起こして発生する

最も危険なのは、経鼻経管栄養の場合で、鼻から入れたチューブが胃ではなく、気道に留置されていることに気が付かず栄養剤を注入してしまうことです。経鼻経管栄養チューブの挿入留置は、医師や看護職が行います。

また、チューブの先端が胃の中に留置されていることを定期的に確認するのは医師や看護職の役割です。

栄養剤の注入時は、上半身を30~45度起こして、逆流を防止することが重要です(安定して座位の保持ができる人は座位で行い、自力で寝返りの出来ないような人は、30度程度起こす等、医師や看護職の指導のもと個別計画に基づいた方法で行います)。

  • 腹痛
  • 嘔気
  • 嘔吐
  • 腹部膨満感

を起こすこともあります。このような消化器症状は、消化管の運動の低下や、便秘がある場合に発生します。

下痢は最も多い症状の1つで、様々な原因が考えられます。まずは経管栄養による下痢なのか、その他の原因による下痢なのかを鑑別する必要があります。

経管栄養による下痢の原因と、一般的にみられる要因は下記の4つです。

  • 注入速度による下痢:経管栄養の標準的な注入速度は1時間あたり200㎖ですが、利用者の状態や注入する栄養剤の濃度などにより医師から指示されます。経管栄養の滴下速度には個人差があるということです。注入速度が原因で下痢が起こる場合は、滴下速度を遅くするのが一般的な対処となりますが、終了までに長時間かかることで心身の苦痛が増したり、活動が制限されたりしてQOL(生活の質)に影響を及ぼします。
  • 経管栄養材の濃度:高濃度の経管栄養剤の注入では、腸管からの水分吸収がアンバランスとなり高浸透圧性の下痢症の原因となります。一般的な1㎖あたり1㎉の製品の多くは、血管内の浸透圧に近づけて製造されています。したがって希釈しなくても高浸透圧性の下痢は生じません。しかし、一部の経管栄養剤や自宅で作成したものの中には高い浸透圧の物もあり、それを注入する場合はあらかじめ希釈するなどの配慮が必要です。また、絶食期間が長い利用者は腸管機能が低下していることから通常の浸透圧でも下痢が生じることがあり注意が求められます。
  • 不潔な操作:経管栄養剤の汚染により細菌性下痢症を発症することがあります。長時間にわたる栄養剤の滴下は、栄養剤自体が細菌の培養となることがあります。経管栄養の注入に使用する器具類は清潔な状態で使用することが原則です。使用度は十分洗浄し乾燥させておきます。特に施設においては不潔作業により手指が汚染しやすい状態にあり十分な手洗いをしたうえで器具の洗浄を行わないと経管栄養の操作自体が施設内感染の原因となります。また、医師の指示により看護職が実施する経管栄養ポンプを使用した24時間持続注入の場合は、注入中に細菌発生が起こる可能性を考え8時間を目安として定期的に栄養ルートの交換を行う必要があります。
  • 注入する経管栄養剤の低温による下痢:体温より極端に低い温度の経管栄養剤を注入すると、腸管刺激により腸蠕動が亢進し下痢を起こします。経管栄養剤の保存場所と実施時の気温や室温、利用者の状態について判断ができない場合は、医師・看護職に相談することが必要です。

などがあります。

3⃣スキントラブル

経管栄養チューブ挿入部のスキントラブルは、QOLを損ねる大きな要因になります。起きやすいスキントラブルは、栄養チューブが当たっている部分に「びらん」や「潰瘍」が生じることです。

栄養チューブの固定の仕方が適切でないなどの「機械的な刺激」や、消化液や栄養剤の漏出などの「化学的な刺激」により起きます。経管栄養チューブのサイズが合わない場合などに見られがちです。

胃ろう・腸ろう経管栄養では、ろう孔周囲の皮膚が感染を起こし、「不良肉芽」を形成してしまうこともあります。

  • 「びらん」とは?▶ただれくずれること。皮膚や粘膜の上層の細胞が剥がれ落ち、内層が露出している状態になること。ただれ。
  • 「潰瘍」とは?▶皮膚・粘膜などの表層がただれて崩れ落ち、欠損を生じた状態。
  • 「不良肉芽」とは?▶傷が治るとき肉(組織)が盛り上がって肉芽形成し治るのが自然であるが、傷が膿むなどしてなかなか治らない状態。

経管栄養チューブ挿入部やろう孔周囲が赤くなったり、滲出液が出たり、傷みや出血があったり、変な臭いがしたり・・・など、異変に気付いた場合は、医師や看護職に連絡することが必要です。
※滲出液:炎症により血管壁や組織の性質が変化して血液や組織液が血管外へ流出する、その液体のことを滲出液という。

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