【❷発達障害の人へのコミュニケーション技術】心理的問題への5つの配慮(SPELL) vol.460

こんにちは 介護ラボのkanaです。「コミュニケーション技術」の中から『発達障害』について。昨日はコミュニケーション支援、今日はコミュニケーション技術の2回に分けてまとめていきます。

発達障害の人への3つの基本的対応

Contents

1.発達障害の人へのコミュニケーション技術
 1⃣基本的対応
 (1)LD:学習障害
 (2)ADHD:注意欠如・多動性障害
 (3)ASD:自閉スペクトラム症
2.発達障害がもたらす心理的問題への配慮
 1⃣構造化する:Structure
 2⃣肯定的に:Positive
 3⃣共感的に:Empathy
 4⃣穏やかに:Low Arousal
 5⃣繋がりを:Links
3.まとめ

1.発達障害の人へのコミュニケーション技術

1⃣基本的対応

(1)LD:学習障害
LD:学習障害

言葉を聞いて理解することに困難のある人に対しては、出来る限り簡単で具体的な語を使った短い文でゆっくりと話しかける、答えられる間を十分に置きながら話しかける、などの配慮が有効です。

話すことに困難のある人に対しては、

  • 「はい」
  • 「いいえ」

で答えられるような質問をする、答えの選択肢を文字や絵・写真などで示して選んでもらうなどの配慮が出来ます。

読むことに困難のある人には、文を読み上げる支援が有効です。タブレット端末やパソコンなどで利用出来るテキスト読み上げアプリやソフトの利用が役立ちます。また、書くことが難しい人でもキーボードによる文字入力なら出来ることがあります。

このように、読み書きに障害のある人に対してはICT(情報通信技術)の活用が特に効果的です。

(2)ADHD:注意欠如・多動性障害
ADHD:注意欠如・多動性障害

言葉を聞いて意味を理解することには問題はありませんが、人の話を最後まで聞いていないことがよくあります。話が続いている途中で分かったつもりになってしまうのです。

長い話になると、最後の方はしっかり聞いていないことが多いので、話しかける時にはあまり長くならないように心掛け、大切なことは話の最初の方で伝えることが重要です。

また、不注意さもありますので、急に話しかけると聞き洩らしてしまうこともよく見られます。まず注意を引いてから話しかけることも必要です。

ADHD・注意欠陥多動性障害
(3)ASD:自閉スペクトラム症
ASD:自閉スペクトラム症

知的障害を伴う場合と、伴わない場合で対応が少し変わります。知的障害を伴わず話し言葉でコミュニケーションが出来る場合は、言葉の表面的な意味は分かっても意図が伝わらないことがよくあります。

例えば電話に出た子どもに、

  • 「お母さんいる?」と言うと、
  • 「うん、いるよ」

だけで終わってしまうといったことです。母親がいたら電話を代わって欲しいと伝えたかったわけですが、その意図が伝わっていません。このような場面では、

  • 「お母さんがいたら電話を代わって下さい」

と、省略せずに具体的に伝える必要があります。

相手が行間を読み、察してくれることに任せないことが大切です。

また、人の話を聞いていないことがよくあります。ASDの人は相手に合わせることが難しいので、相手が話をするタイミングで相手に注意を向けにくいのです。

そのような場合、大切な情報は話して伝えるだけでなく文字で示すと受け止めてもらえる可能性が高まります。例えば、「メモを渡す」などをします。

知的障害を伴い、話し言葉での意思伝達が困難な場合は、言葉以外の手段を活用します。絵や写真などを使うと意思の伝達がしやすくなります。最近では、タブレット端末などで様々な意思伝達用アプリが使えるようになっています。

ASD・自閉スペクトラム症

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2.発達障害がもたらす心理的問題への配慮

1⃣構造化する:Structure

  • 何をどのような順序で行うか
  • どこで行うか
  • いつ終わるのか
  • 最後にどうなるか

などの見通しが持てると安心できます。それらのことが一目でわかるような環境をつくることを「構造化」といいます。

具体的には、それぞれの活動を行う場所を決めたり、スケジュールを示したりします。言葉で伝える時にも配慮が出来ます。例えば、「あと少しで終わります」ではなく「あと5分で終わります」と言うなどです。

2⃣肯定的に:Positive

失敗経験を積み重ねて自尊感情が低下すると、「二次障害」が生じやすくなります。またASDの人は自分は脅かさ絵rているという不安感が強く、指図されることに抵抗を感じます。

二次障害とは?

失敗経験の積み重なりやいじめなどのネガティブな体験から不適応が生じ、うつなどの精神症状を起こすことをいう。その予防は発達障害支援において最も重要な課題の1つと考えられている。

「〇〇してはいけません」という禁止・命令の形ではなく、「〇〇するのがよいです」と肯定的に伝えることが大切です。禁止を伝えなければならない時には、一方的な押し付けではなく、なぜそれをしてはいけないのかを丁寧で穏やかに説明するのが効果的です。

そして苦手なことより得意なことや長所に目を向けることも大切です。

3⃣共感的に:Empathy

ASDの人の経験している世界は、一般の人とは少し異なっています。興味や関心の持ち方も個性的です。

そのため、人と話題が合わず孤立し、人に理解してもらえないという孤独感に悩むこともよくあります。ASDの人の理解の仕方や物事の感じ方を想像し、寄り添い、共感的に接することが大切です。

雑談は苦手なことが多いですが、興味のある分野の話題だと会話を楽しめることがあるので、そういったことを通して共感的な関係を築くこともできます。

4⃣穏やかに:Low Arousal

ASDの人は感覚がとても繊細です。音や光などに過敏で、大声が苦手で、明るすぎると落ち着きません。イヤーマフというヘッドフォンのような防音用のツールを使ってうるささを和らげている人や、サングラスをかけて眩しさを和らげている人もいます。

大声は威圧的に感じることがありますので、穏やかに話しかけることが大切です。

また、部屋は明るすぎないほうがよいでしょう。真っ白は眩しすぎることが多いようで、白地に黒の文字は読みにくいという人もいます。

5⃣繋がりを:Links

支援にかかわる多職種の連携が大切です。支援の方向が一致していないと混乱するからです。また仲間との繋がりも大切です。

発達障害の人達は友人関係を築きにくく孤立しがちですが、地域に発達障害の人達同士が集い交流できる場所や機械があると、こころの健康を保つうえでとても大きな支えになります。

3.まとめ

発達障害の人達は周囲に合わせることに大変な苦労をし、ストレスに満ちた生活をしています。その結果、うつなどの精神症状を呈しQOLが低くなっていることが少なくありません。

発達障害の人達の心理的問題への支援を考える時に、英国自閉症協会が考案したSPELLの原則が役立ちます。上記1⃣~5⃣が支援のための重要なキーワードでその頭文字になります。

ASDの人を対象にしたものですが、他の発達障害にも当てはまる場合が多いので、心理的問題への配慮することが大切です。

発達障害
コミュニケーション

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