こんにちは🌟 介護ラボのkanaです。「障害の理解」の中から『障害者家族の支援』について、前回「【❶障害者家族の支援】障害を持って生まれた子どもの家族の場合 vol.277」、今回、次回「【❸障害者家族の支援】より良い支援方法の提案とは? vol.279」の3回に分けて書いていきます。
中途障害の家族の場合
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中途障害の家族の場合
生まれたときに障害がない人も、病気や事故が原因で人生の途中から障害を持つことになる場合があります。そのような状態を「中途障害」といいます。
1⃣配偶者が「中途障害」に
例えば・・・、配偶者が中途障害になった場合を考えてみます。それまで元気に生活し働いていた人が、病気や事故で倒れたら心配でいたたまれない気持ちになる事でしょう。仕事をしながら病院に様子を見に行ったり、一方自宅の掃除や洗濯もしなくてはいけませんし、自分の食事を作る必要もあります。
子どもがいる場合、子どもの世話も必要です。親が1人入院でいなくなったわけですから、子どもも心配しています。寂しい気持ちを我慢しているかもしれません。
子どもの気持ちを察して、やさしく関わってあげる必要がある事は分かっていても、配偶者のことが心配ですし、誰も家事や子育てを分担してもらえない場合には、仕事の疲れも重なってイライラしてしまうかもしれません。
子どもが寂しさから甘えたくてわがままを言っていることが分かっても、強く叱ってしまうかもしれません。子どもは大泣きし、その鳴き声で抑えていた感情が爆発して、家庭の中の空気は張り詰めた状態になるような悪循環に陥ってしまうかもしれません。
2⃣退院後の家族との生活
その後、配偶者は障害を持って退院することになります。障害を持つことになった事で、配偶者の気持ちは沈み込んでいるかもしれません。話を聞いて、気持ちが前向きになるように働きかけけなくてはならないでしょう。
また、その人が働いていた場合、職場に戻ることが出来れば良いですが、それが出来ない場合には収入が減り、経済的な問題が出てくる可能性があります。出費を抑えるため生活を切り詰めるか、もっと収入のよい仕事を探さなくてはならないかもしれません。
障害のある家族の介護も必要です。
- 仕事
- 家事
- 子育て
- 家族の精神的ケア的なサポートと介護
- 経済的な問題
など、1人で担う苦労を聞いてもらえる相手も、家族の中には居ないとしたら、それがどのような状況なのか、想像しながら支援を考えることが必要です。
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障害受容とは
「障害受容」とは、文字通り本人が自分自身の障害を受け入れたり、親が子どもの持つ障害を受け入れたりすることをいいます。
1⃣支援の現場での障害受容
支援の現場では、「〇さんはまだ障害受容出来ていないよね…」「△さんのお母さんはどうしたら子どもの障害受容が出来るようになるだろう…」などの会話が交わされることがあります。
- 障害受容の5段階
- ①ショック期
②否認期
③混乱期
④適用の努力期
⑤受容期
※上記はあくまでもモデルなので、全ての障害者に当てはまるわけではありません。また各段階で行ったり来たりすることもあります。
例えば、ケガで障害を負い、ずっと塞ぎ込んでなかなか前向きになってリハビリに取り組もうとしない人が居た場合、障害受容のモデルでは、③混乱期から⑤適応期に進めない人、と考えるでしょう。そして、リハビリがうまく進まないのは「本人が障害を受容していないからだ」と考えることは、そのことを本人の責任にしてしまうことになります。
障害受容について詳しくまとめています→【障害受容の5つの段階】障害者を取り巻く4つの障壁(バリア)vol.49
子どもに障害があるかもしれないと考えた保育所の職員が、子どもの母親に医師の診断を受けることを勧めても、母親が「うちの子に障害はありません」といって受診しようとしない場合、「お母さんは、子どもの障害受容が出来ていない」と言うことは、親を責めてしまうことに繋がります。
2⃣障害受容の問題
『障害受容からの自由ーあなたのあるがままに』の著者である田島朋子氏は、「受傷後の心理過程は必ずしも「階段理論」通りにはいかない。モデル例ありきの発想はかえって危険で、障害受容がいつの間にか障害を持つ者の義務になっていないだろうか?、疾病や障害を受容する過程は当事者の者であり、専門家や社会が強いるものではないはずである。立派な障害者を期待することは新たな社会的不利を形成してしまう」という言葉を紹介してます。
他にも、『社会受容ー障害受容の本質』の著者、南雲直二氏は、障害を負った後の心の苦しみについて、自分自身の中から生じるものを「自己受容」、他人から負わされるものを「社会受容」としました。
「障害受容とはこの2つの苦しみを緩和する方法」としたうえで、
- 日本では自己受容イコール障害受容となり、社会受容が姿を消してしまった
- (自己受容は)『私のため』というよりも寧ろ家族や医療関係者を含む社会の人の為であることの方が事実に近い
- 障害受容の本質は、『第一の心の苦しみ』の為ではなくて、『第二の心の苦しみ』の為にある
と述べています。
3⃣スティグマとは
前項の、南雲直二氏の「第二の心の苦しみ」に対する答えの1つの方向としたうえで、スティグマは「他者から見た”その人らしさ”(社会的アイデンティティ)を形作る」と述べています。
他にも、アメリカの社会学者のアービング・ゴッフマン(Goffman,E.)は社会的アイデンティティによって負わされる心の苦しみを『スティグマ(負の烙印・レッテル)と名付けています。
4⃣障害受容についての4つの提言
『障害受容からの自由ーあなたのあるがままに』の著者である田島朋子氏は、「障害受容についての4つの提言」として、次のように提案しています。
❶完全に「障害受容」することなどできない
❷専門家・支援者は「障害受容」は対象者に絶対押し付けてはならない
❸専門家・支援者は「障害受容」を求めるのではなく、サービスの選択肢の少なさや障害に対する負の烙印を問題視すべきである
❹「障害受容出来ていない」と思わせる人は「孤立した状態にいる」
と捉え、行為レベルで一歩踏み出し、その人にとって希望の感じられる仲間(もちろん自分がなってもよい)や、その人にとっての目前の課題をクリアできる支援に繋がるよう働きかけることが大切になります。
次回は、「次回は、「【❸障害者家族の支援】より良い支援方法の提案とは? vol.279」について書いています。良かったら見に来てください!
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