こんにちは⭐ 介護ラボ・カナログのkanaです。「虐待防止法」の4つについてまとめていきます!
虐待を発見した時どこに通報する?
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4つの虐待防止法
虐待防止法は対象者別に、
- 高齢者虐待防止法:高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
- 障害者虐待防止法:障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律
- 児童虐待防止法:児童虐待の防止等に関する法律
- 配偶者暴力防止法(DV防止法):配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
の4つがあります。
今回は、それぞれの相違点を比較していきます。
1⃣高齢者虐待防止法(5つの虐待行為)
- 高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
- ■目的
高齢者虐待の防止等に関する国等の責務、高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置、養護者の負担の軽減を図ること等の養護者に対する養護者による高齢者虐待の防止に資する支援のための措置等を定めることにより、高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって高齢者の権利利益の擁護に資することを目的とする。
高齢者虐待防止法は、2005年(平成17)に成立し、2006年(平成18)から施行されました。高齢者虐待は養護者によるものと要介護施設従事者等によるものの2つに分類されています。
❶養護者による高齢者虐待
❷要介護施設従事者等による高齢者虐待
- 養護者、要介護施設従事者等とは?
-
養護者とは、高齢者を現に養護する者で、要介護施設従事者以外の者のこと。要介護施設従事者等とは、老人福祉法に規定する老人福祉施設もしくは有料老人ホーム又は介護保険法に規定する介護保険施設等に従事する者のこと。
高齢者虐待にあたる行為として、
❶身体的虐待
❷心理的虐待
❸介護等の放棄(ネグレクト)
❹性的虐待
❺経済的虐待
の5つがあります。
2020年度(令和2年)において、高齢者虐待と判断された件数は、擁護者によるものが1万7281件、養介護施設従事者等によるものが595件となっています。高齢者の虐待で1番多いのは、❶の身体的虐待で、2番目に多いのは❷の心理的虐待となっています。※厚生労働省:令和 2 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果より
※5つの虐待行為については下記で詳しくまとめていきます。
高齢者虐待防止法では、国・地方公共団体、国民、高齢者の福祉に関係のある団体や専門職に対して、高齢者虐待の防止、擁護者に対する支援等に関する施策を促進するための責務等が定められています。
高齢者虐待への対応は、次の3つに分けることができます。
❶高齢者虐待の防止
❷虐待を受けた高齢者の迅速で適切な保護
❸養護者に対する適切な支援
まずは、早期発見が重視されています。そのうえで、発見者には
- 「市町村への通報」
が義務付けられています。
通報を受けた市町村には、高齢者の安全の確認や一時的な保護などの措置を行うことが求められます。
その方法として、地域包括支援センターなどの職員による高齢者宅への立ち入りや必要な調査、質問が認められています。その際トラブルが生じる恐れのある場合には、警察署長に対して援助を求めることが出来ることも定められています。
財産上の不当な取引による被害の防止についても定められており、その方法として成年後見制度の活用があげられています。
高齢者虐待の割合として、養護者による高齢者虐待では、虐待される高齢者は女性の方が多く、年齢は80歳~84歳が最も高い割合を占めています。虐待者の続柄は「息子」が最も多く、「夫」、「娘」と続きます。
要介護施設従事者等による高齢者虐待でも、虐待される高齢者は女性の方が多く、年齢は85歳~89歳が最も高い割合を占めています。施設・事業所の種別では、特別養護老人ホームが最も多く、次いで有料老人ホームとなっています。
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2⃣障害者虐待防止法
- 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律
- ■目的
障害者に対する虐待の禁止、障害者虐待の予防及び早期発見その他の障害者虐待の防止等に関する国等の責務、障害者虐待を受けた障害者に対する保護及び自立支援のための措置、養護者の負担の軽減を図ること等の養護者に対する養護者による障害者虐待の防止に資する支援のための措置等を定めることにより、障害者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって障害者の権利利益の擁護に資することを目的とする。
障害者虐待防止法は、2011年(平成23)に成立し、2012年(平成24)から施行され、
❶養護者によるもの
❷障害者福祉施設従事者等によるもの
❸使用者によるもの(障碍者を雇用する事業主など)
の3つに分けることが出来ます。
※虐待の種類は、上記の高齢者虐待と同じ5種類になります。
障害者虐待防止法では、国・地方公共団体、国民、障害者の福祉に関係のある団体や専門職に対して、障害者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進するための責務等が定められています。
障害者虐待への対応は、高齢者虐待への対応と同様で、養護者もしくは障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者の発見者には市町村への通報が義務付けられています。但し、使用者による障害者虐待の場合は、市町村又は都道府県への通報となります。
市町村・都道府県の部局または施設が、障害者虐待の対応窓口となる、
- 市町村障害者虐待防止センター
- 都道府県障害者権利擁護センター
としての機能を果たすこととされています。
・養護者による障害者虐待では、虐待される障害者は女性が高い割合を占めています。障害種別では「知的障害」が最も多く、次いで「精神障害」「身体障害」となっています。
・虐待者の続柄は「母」が最も多く、「父」「兄弟」と続きます。
- 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待では、虐待される障害者は男性が高い割合を占めています。
- 障害者種別では「知的障害」が最も多く、次いで「身体障害」「精神障害」となっています。
- 施設の種別は障害者支援施設が最も高い割合を占めています。
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3⃣児童虐待防止法
児童虐待防止法は、2000年(平成12)に成立し、同年から施工されました。この法律により、児童虐待に関する理解や意識の向上が図られつつありますが、その一方で子どもの生命が奪われるなど、重大な児童虐待事件が後を絶ちません。
全国の児童相談所に良さられる児童虐待に関する相談対応件数は、法制定直前の1999年度(平成11)の1万1631件から、令和2年度(2020年)には、20万5044件に増加しています。※厚生労働省:「児童相談所での児童虐待相談対応件数」より
児童虐待の特性は、
❶家族(地域)内に発生する
❷虐待と認めない親も多い
❸長期・多岐に渡る支援が必要
となっています。
これらの特性を踏まえ、虐待防止に向けた基本的な考え方を整理すると・・・
- 発生予防から虐待を受けた子供の自立に至るまでの切れ目ない支援
- 支援を要する過程の把握、初期対応の迅速化と積極的なアプローチによる親を含めた支援
- 児童虐待防止等のための医療機関など関係機関の連携強化
- 要保護児童対策地域協議会の機能強化など市町村における取り組みの強化
があげられます。
4⃣配偶者暴力防止法(DV防止法)
配偶者暴力防止法は、2001年(平成13)に成立し、同年から施工されました。
婦人相談所ではそれまで売春防止法に基づき要保護女子を保護する婦人保護事業の機関でしたが、配偶者暴力防止法により配偶者暴力相談支援センターとしての機能も担うことになりました。
まとめ
今回は4つの虐待防止法についてまとめました。
虐待の通報は、「秘密漏洩や守秘義務に関する法律の規定の妨げにならない」となっているので、速やかに市町村へ通報し、命を守ることを優先することが必要です。
虐待の中で身体的虐待や養護の放棄は比較的発見されやすいですが、心理的・性的・経済的虐待はなかなか見つけるのが難しいです。
家庭や施設という閉じられた中で行われているので難しい問題ではありますが、もし何かおかしいなと思う場面があった時は通報という手段があることを知っておくことは大切だと思います。
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