通所リハビリテーション・デイケアとは?
Contents
1.通所リハビリテーションとは
1⃣どのようなサービスなのか?
2⃣どのような人たちが利用しているのか?
3⃣どのような生活や活動をしているのか?
4⃣どのようなケアを行っているのか?
5⃣どのような人たちと一緒に働いているのか?
6⃣他の職種の人とどのように協働しているのか?
7⃣介護福祉職はどんなチームを組んでいるのか?
1.通所リハビリテーションとは
1⃣どのようなサービスなのか?
通所リハビリテーションとは、介護保険サービスにある居宅サービスの1つになります。
介護保険法によれば、居宅要介護者について、
- 「介護老人保健施設」
- 「介護医療院」
- 「病院」
- 「診療所」
等に通わせ、その施設において心身機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行う場とされています。
居宅要支援者は、その場を介護予防の目的に利用します。その場合は、介護予防通所リハビリテーションと言います。
そのことから、通所リハビリテーション事業所は、リハビリテーションと介護を同時に提供する場だといえます。利用時間は利用者の希望をもとに、1時間単位で決めることができ、事業所への送迎も行います。
通所介護がデイサービスと呼ばれるように、通所リハビリテーションは、一般的にはデイケアと呼ばれています。デイケアの日本の歴史は、1972年(昭和47)に東京都老人医療センターでデイホスピタルが開始されたのが最初といえます。
国の施策としては、1983年(昭和58)に老人保健法に基づく老人デイケアが初めて制度化されました。
2⃣どのような人たちが利用しているのか?
通所リハビリテーションは、要介護状態等によって利用が制限されることなく、心身の機能回復のためのリハビリを必要とする人たちが利用しています。
脳血管疾患等の治療が終わり、退院後にさらにリハビリが人達が利用をしたりしています。医師や看護師が配置されているので、パーキンソン病や心疾患、慢性腎不全、糖尿病等多くの疾患を抱えている人にとっては、医学的管理のもとで介護サービスが提供される安心感があります。
3⃣どのような生活や活動をしているのか?
自宅等で生活をしている利用者は、通所リハビリを通う日には出掛ける準備から始まります。自宅では毎日の身だしなみに時間をかけることが少ない人も多くの利用者や職員と顔を合わせることから、服装選びや化粧といった身だしなみを整えて気分を高めます。
排泄や着衣の介護が必要で、同居家族が出来ないときには、訪問看護(ホームヘルプサービス)を利用したり、送迎に来た通所リハビリの職員が手伝うこともあります。
1人暮らしの人や自宅に閉じこもっている人の場合は、誰とも話さない日があったりしますが、通所リハビリに通うことで、同世代の人たちや職員たちと話す機会にもなっています。
そして、通所リハビリでは、レクリエーションや食事といった時間を過ごします。
🔹通所リハビリの日課表の例
8:30 送迎開始
9:00 バイタルチェック、水分補給
10:00 朝の会
個別レクリエーション
個別リハビリテーション
入浴、水分補給
11:30 嚥下体操
11:45 昼食準備
12:00 昼食
13:00 集団レクリエーション
(音楽療法・集団体操・ゲーム)
15:00 おやつ
15:30 終わりの会
送迎
❶レクリエーション:通所リハビリではレクリエーションも身体機能や認知機能の訓練を目的に考えられています。レクリエーションであるため楽しい要素も不可欠です。個別レクリエーションには、塗り絵や編み物、手芸やオセロ、書道などがあります。
❷リハビリテーション:利用者は理学療法士や作業療法士が提供する機能訓練を受けて、自宅での生活に役立つようリハビリテーションに努めています。
理学療法
理学療法の例として、平行棒を使った歩行運動や練習階段を使った階段の昇降訓練があります。歩行能力に低下がみられる人や姿勢保持に障害のある人が、正しい新t内の使い方を身につけるために訓練を行います。
作業療法
作業療法の例として、工作や手芸のほかに、家事などの日常生活動作(ADL)の訓練等があります。
❸食事:通所リハビリを午後以降も利用する人は、食事サービスを利用し多彩な食事や季節感のある食事が提供されます。また慢性腎疾患や糖尿病といった食事制限が必要な内科疾患のある利用者には、特別メニューを考えて提供されます。自宅での食事が低栄養になりやすい人には、通所リハビリで食事をすることが生活の支えに繋がります。
4⃣どのようなケアを行っているのか?
通所リハビリの1日は送迎から始まり、個別レクリエーションやリハビリテーションといった日中活動、食事や入浴、排泄の介護、そして自宅への送迎によって構成されます。
介護福祉職のケアは、介護技術やコミュニケーション技術を使って生活支援を行う点で、他のサービスと変わりはありません。
5⃣どのような人たちと一緒に働いているのか?
老健は施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理のもとに介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の介護のを提供します。そのため様々な職種が勤務しています。
6⃣他の職種の人とどのように協働しているのか?
通所リハビリにおいては、他職種との連携は事業所内だけでなく地域にまで広がります。地域における連携としてサービス担当者会議があります。そして、施設内の連携としてはケアカンファレンスやミーティングがあります。
サービス担当者会議
通所リハビリからも介護主任やリハビリ専門職が、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が主催するサービス担当者会議に出席します。
サービス担当者会議は、居宅サービス計画(ケアプラン)に組み込まれたサービス事業所関係者を集めて行います。利用者は、通所リハビリの他にも福祉用具貸与や訪問看護ステーションのような様々なサービスを利用して地域生活を送っています。
そのため、それらのサービス提供者や介護支援専門員、利用者、家族が同席してケアプランに関する介護を行います。
サービス事業所間で情報を共有し、サービス提供の目的、介護内容について話し合い、介護支援専門員はその意見をケアプランとしてまとめ、利用者や家族から同意を得ます。
このサービス担当者会議は、利用者の自宅や病院の会議室で開催されます。
ケアカンファレンス
通所リハビリの利用者へのリハビリテーションの方針や開度内容の検討を行う場です。介護福祉職チーム内で検討された介護方法はケアカンファレンスで提案され、リハビリ専門職がや看護師、また相談員といった職種らと共に話し合います。
リハビリ専門職や看護師から示される医学的根拠、相談員からの家族や自宅の状況といった情報を整理しながら、具体的な介護方法にするのが介護福祉職の役割です。
話し合われた内容は、通所リハビリ計画として介護主任や相談員らがまとめ、利用者や家族の同意を得てから計画を実施します。
また、実施内容に問題はないかを確認したり、利用者の心身の上行に変化がある場合は見直しをするなど、継続してケアカンファレンスは行われます。
検討された内容は、担当の介護支援専門に伝えます。このような話し合いは、利用者が帰宅した夕方に開催されることが多いです。
ミーティング
朝の送迎車種発前、利用者の帰宅後の夕方に開催されるミーティングの例としてあげます。
❶送迎者出発前のミーティング
前日までの情報をもとに、その日の送迎者の確認。新規の利用者宅の住所は家のどこから入るのかといった情報を共有し、送迎に出発します。
朝のミーティングは数分で終えないと送迎者の出発に遅れが出てしまうため、効率的な情報交換をします。
❷利用者帰宅後のミーティング
利用者が全員帰宅した夕方以降は、職員全員が意見交換をするのが可能な時間帯となります。その日の振り返りと翌日への取り組みについて話し合います。
ここで話し合われた内容は、通所理社ビリの利用者の個々の状態把握に生かされます。リハビリ専門職から健康状態の報告は介護福祉職が行う介護方法の変更や配慮に役立てることになります。
こうした情報共有やお互いの専門性を用いた利用者のアセスメントを通して連携に繋がっていきます。
7⃣介護福祉職はどんなチームを組んでいるのか?
通所リハビリも他のサービスと同様に、介護主任や副主任といった管理者、業務内容によってリーダーを担う中堅職員、そして新人社員を含めた職員らによって構成されます。
管理者らは、通所リハビリの介護サービスの提供を実務面で管理します。毎日の常務の中で、入浴担当やレクリエーション担当、送迎担当などを決めます。例えばレクリエーション担当となった場合、担当職員は担当者のレクリエーションの内容やルールを決めたり、必要な物品を準備します。そこで苦手と感じている職員が居れば、中堅職員らが助言をします。
チーム内の連携は介護現場の動きの中で見ることができます。
入浴や排泄の介護場面でお互いの情報や動きをリアルタイムで共有していきます。多数の利用者が過ごしている中で職員がトイレ誘導の言葉がけを忘れてしまうこともあるかもしれません。その場合、誰にどのような介護を行ったのかを口頭や記録を用いて共有し合うことで、連携が図られます。
また症状の変化によっては介護方法についてはチーム内で話し合うことで連携が図られます。そこで話し合われた介護方法についてはケアカンファレンスに提案し、他職種からの意見を求めたりします。
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