人間の理解

【④社会福祉の変遷】世界人権宣言のもとで「生存権保障」と「より人間らしく生きること」 vol.638

2022-03-13

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「人間の理解」の中から『社会福祉の変遷』について5回に分けて書いていきます。今日は4回目です!

4つの人権とは?

Contents

1.「生存権保障」と「より人間らしく生きること」ー世界人権宣言のもとで
 1⃣2つの世界大戦の反省から
 2⃣より人間らしく、よりその人らしく生きる(人権の広がり)
 (1)子どもの人権
 (2)女性の人権、ジェンダー
 (3)LGBTの人権
 (4)高齢者の人権

1.「生存権保障」と「より人間らしく生きること」ー世界人権宣言のもとで

1⃣2つの世界大戦の反省から

世界大戦後(戦後)の社会政策・社会保障・社会福祉の出発点となったのは、1948年に国際連合で採択された「世界人権宣言」です。

2つの世界大戦への深い反省に基づいて、国家責任としての、

  • 「生存権保障」
  • 「より人間らしく生きること」

への具体的内容が幅広く明記され、世界各国に発信されました。

「より人間らしく生きること」が「よりその人らしく生きること」へと繋がっていくのは1980年代に入ってからです。

世界人権宣言には、1919年に、第1次世界大戦で大きな痛手を受けたドイツで制定され、はじめて「生存権」が規定されといわれるワイマール憲法や、第2次世界大戦の戦禍を踏まえて「5つの巨人悪ー貧困・疾病・無知・不潔・無為」の国家的対応が明記されたイギリスのベバリッジ報告(1942年)などが影響を及ぼしていたことはいうまでもありません。

2⃣より人間らしく、よりその人らしく生きる(人権の広がり)

戦後は、障害のある人の人権保障に大きな比重がおかれることになりますが、それについては後にまとめることにして、ここでは、まず世界人権宣言の入り口に、子どもの人権や女性の人権、そして近年話題に上ることの多いLGBTの人権、さらに最後に取り組まれることとなった高齢者の人権についての動向を概観します。

(1)子どもの人権

世界人権宣言は、人類社会の全ての構成員に向けられた宣言ですが、とくに「母と子」は「特別の保護並びに援助を受ける権利を有する」ことが宣言されています。

子どもは、次世代の担い手として保護されてきましたが、ともすれば大人の従属物であるかのように扱われ、1人の人格を有する存在としてはみなされないという歴史があり、今も続いています。

1942年の「ジュネーブ宣言」以降、子どものための、子どもだけの権利については別の条約をつくる必要があるといわれながら、1989年に児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)が国際連合で採択されるまで長い時間が掛かりました。

子どもの権利条約の内容を見ると、世界には、戦争で傷ついている子ども、病気で苦しんでいる子ども、飢えや貧しさの中にある子ども、教育が受けられない子どもがまだ沢山居ることがわかります。

日本でも子どもの貧困が今、あらためて注目され、「子ども食堂」などの取り組みが広がっています。

  • 子どもにも自由にのびのびと自分らしく生きる権利があること
  • 子どもも1人の人間として尊重されること
  • 子どもはどのような差別からも守られる

ことが、この条約に述べられています。

この条約を受け入れた国は、これをきちんと守っていることを約束した国です。日本も1994年、世界で158番目にこの条約を批准しています。

(2)女性の人権、ジェンダー

子どもを産み育てる女性は、やはり子供と同様に、時代の中で、男性の従属物として扱われ、「人」とはみなされず、したがって公民権も相続権もなく「人権」が保障さえなかったという歴史をたどっています。

この延長線上で、社会的、文化的に形成された男女の違い、性別に応じた役割特性がジェンダーと呼ばれています。

社会の中で作り上げられた女性像や男性像、「女だから」という言われれなく差別や役割の押し付けは今もまだ存在し、女性が社会で活動しにくい状況があります。

女性が行う仕事とされてきた家事や保育、介護などの領域は、社会的労働としての位置づけが不十分で、賃金も低く抑えられています。

女性の平等、差別撤廃には大きな課題とされ、1979年に女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女子差別撤廃条約)が国連で採択されています。

日本でも多様な女性運動が展開されてきましたが、1980年代に入って、女性の労働力が注目され始め、ようやく労働場面での男女の差別を禁止する雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)が施行され、1990年代には「男女共同参画社会の構築」が政策目標として掲げられました。

また、ジェンダーの違いを乗り越えて男女の対等な関係を目指す「ジェンダーフリー」という視点が定義されていますが、一方で、「男女の平等が日本の伝統を壊し、社会秩序を乱す」という考え方もまだ根強く残っています。

(3)LGBTの人権

生物学的な性差に関しても、男と女だけでは分けられない人間の多様性が明らかになってきました。

1990年代半ばからアメリカやヨーロッパで、多数派とは異なる性的指向を持つ人たちからの訴えを受け止める中、とくに人権にかかわる場面で、それぞれの性的な特徴を肯定的にとらえた、同じ人間として同等、かつ尊厳ある呼称としてLGBTが用いられてきており、それが浸透しつつあります。

LGBT以外の性的指向を持つ少数者が存在することも明らかになっていますが、「LGBT」が「性的マイノリティ(性的少数者)」全体を指す用語として使われています。

日本では、少数派を意味する「マイノリティ」が用いられてきましたが、「少数派」とすること自体が差別的だと捉えられる側面もあり「LGBT」が使われるようになっています。

2006年には、LGBT並びにインターセックスの人権の確保を求めた「レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの人権についてのモントリオール宣言」が、カナダのモントリオール国際会議(第1回ワールドアウトゲームズ)で議決されています。

ジェンダーやLGBTを理解するということは、その人を多様な存在として認識し、「これまでの自分の常識」にこだわらず、自分のいる立ち位置を見直しながら、その人の生活や人生を共感をもって柔軟に支えていく音に繋がるはずです。

(4)高齢者の人権

高齢者については、世界的な視野でみると、1990年に入ってやっと、その存在意義や、尊厳を支える支援の在り方、最後まで人間らしく生き抜くための支援の在り方が問われることになりました。

1991年に国連で採択された「高齢者のための国連原則ー人生を刻む年月に活力を加えるためにー」では、

  • 独立(自立)
  • 参加
  • ケア
  • 尊厳
  • 自己実現

の5領域について、高齢者の地位について普遍的な基準が設定されました。

さらに、その原則の普及・促進等のために、1999年が国際高齢者年と設定され、「すべての世代のための社会を目指して」というテーマのもと、さまざまな事業、イベント等が展開されました。

なお、高齢者自身による問題定義としては、1999年にIFA(International Federation on Ageing:国際高齢者団体連盟)が、世界の高齢者の諸問題と踏まえるべき原則、さらに国連に対する要望を示しました。

また、高齢社会の最先端を行く日本では、1988年(昭和63年)に第2回高齢者大会で「高齢者憲章」が提唱されています。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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