こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『多職種連携と協働』について5回に分けて書いていきます。今日は3回目です!
認知症ケアに携わる16職種の例
Contents
1.認知症ケアに携わる多職種
1⃣認知症ケアに携わる多職種
2⃣認知症ケアを担う多職種チーム
(1)認知症ケアに携わる16職種の例(他職種)
(2)チーム形成の4つのプロセス
❶チーム形成
❷リーダーシップとメンバーシップ
❸チームの評価
◉褥瘡を治した多職種のチーム力
1.認知症ケアに携わる多職種
1⃣認知症ケアに携わる多職種
認知症に携わる多職種とは、社会福祉士や介護福祉士、介護支援専門員・ケアマネジャーなど国の法律に基づく職種です(次項に関連16職種について記載あり)。
認知症のケアには園芸療法やアニマルセラピーなど、様々な療法があり、これらの療法を専門に学んだ療法士の人もいます。
例えば、日本音楽療法学会などが認定している「音楽療法士」などです。各専門分野の団体が基準を作って認定しているものです。
他にも、地域では、
- 「認知症地域支援推進員」
- 「民生委員」
- 「自治会の役員」
- 「認知症サポータ」
- 「ボランティア」
- 「行政の職員」
なども、認知症ケアに携わります。
認知症の人のケアニーズに応じて、警察や消防、近所のコンビニの店員なども関わることがあります。これらの人達の専門的な役割や地域住民としての特徴を理解して、連携し協働して認知症の人のケアに取り組みます。
他の『認知症地域支援推進員』記事はこちらから・・・
【❷新オレンジプラン設立の経緯】認知症の7つの施策(理念)とは? vol.553
2⃣認知症ケアを担う多職種チーム
認知症ケアは日常的に多職種連携と協働で行われていますが、認知症の人の課題が明確な場合に、その解決を目指して多職種チームを組織しケアを行うことがあります。この場合は、チーム運営のスキルが必要になります。
まず、一般的にチームはどのようにつくられて活動するのか、そのチーム編成のプロセスを知ることが大切です。
そして、チームには、リーダーとメンバーがいますので、リーダーの役割やメンバーの役割を理解し、リーダーシップとメンバーシップを発揮することです。
さらに、メンバー同士で、情報の共有や目標の共有を図ること、互いに理解し合い支え合うことが大切で、多職種チームではこのようなスキルが求められます。
チームは目標が達成されると解散しますので、チームの評価を行うことで、そのチームに参加したメンバーのスキルがアップします。
(1)認知症ケアに携わる16職種の例(他職種)
❶【介護福祉士】
・障害のある人や高齢者の日常生活の介護等を行う
❷【社会福祉士】
・社会福祉業務全般を行う
❸【精神保健福祉士】
・精神障害者の保健福祉分野にかかわる
❹【介護支援専門員:ケアマネジャー】
・介護保険制度におけるケアマネジメントを行う
❺【生活支援コーディネーター】
・地域支えあい推進員。自治体ごとに設置され地域の社会資源をコーディネートする
❻【医師】
・診断と治療という医療行為を行う
❼【看護師】
・疾病者や妊産婦の療養上の世話や診療の補助、医師の指示のもと医療行為を行う
❽【管理栄養士】
・疾病者の療養のために必要な栄養の指導や、施設の給食管理及び栄養管理などを行う
❾【薬剤師】
・処方箋に基づき医薬品を調剤し供給する
❿【理学療法士:PT】
・運動療法や物理療法などの医療行為を行い、基本的動作能力の回復を図る
⓫【作業療法士:OT】
・手芸、工作などの作業を通して応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図る
⓬【言語聴覚士:ST】
・言語や聴覚、認知、音声、摂食嚥下にかかわる障害に対する支援などを行う
⓭【歯科医師】
・歯科医療、保健指導を行う
⓮【歯科衛生士】
・歯科予防処置、歯科診療補助及び歯科保健指導などを行う
⓯【公認心理士】
・心理的行為として心理検査、カウンセリングなどの心理的支援などを行う
⓰【福祉住環境コーディネーター】
・商工会議所が主催、医療・福祉・建築に関するコーディネーター、福祉用具等のアドバイザー
◉生活支援コーディネーターは、各自治体で位置づけており、地域住民の生活支援や介護予防のための様々なサービス調整が仕事である。地域で暮らす認知症の人のサービスにも参加している。
◉公認心理士は2017年(平成29年)公認心理法が施行され、2018年(平成30年)から正式に資格取得がスタートした。新しい国家資格である
(2)チーム形成の4つのプロセス
❶【形成期】
・メンバーが決定し、チームの目標や課題を共有する時期、互いのことをよく知らない時期
❷【混乱期】
・チームの課題を解決するアプローチを模索する時期、メンバー間での考えや価値観がぶつかり合う嵐の状態
❸【統一期】
・チームとしての行動規範や役割分担が形成される時期、メンバーが互いの考えを受容し、関係性が安定する時期
❹【機能期】
・チームとして機能し、成果を創出する時期、チームに一体感が生まれチームの力が目標達成に向かう状態
❶チーム形成
一般的にチームは、
✅形成期 ➡ 混乱期 ➡ 統一期 ➡ 機能期
というプロセスをたどると言われています。
認知症ケアでは、具体的な課題を解決するためにメンバーが集まります。
早い時期に形成期と混乱期を抜け出して、統一期になることができれば十分機能し大きな成果を得ることができます。
❷リーダーシップとメンバーシップ
チームメンバーはパートナーとして尊重し合い、対等な関係性を心掛けます。しかし、メンバーの意見や気持ちを1つにまとめ、メンバーを信頼して、メンバーの力を発揮させるようなリーダーシップを思ったリーダーが必要になります。
また、メンバーもリーダーの信頼にこたえ、目標達成に力を発揮しようとする「メンバーシップ」の姿勢が大切です。
❸チームの評価
チームは取り組んだ課題に対して、例えば、「この食事形態と介助方法で食事が食べられるようになった」などと評価します。
同時に、
- 「このチームは言いたいことが言えるチームだったかな?」
- 「必要な情報は共有されていたかな?」
- 「誰がリーダーシップをとっていたかな?」
などとチーム活動を評価することが大切です。
このような振り返りが次のチーム活動の力になります。
◉褥瘡を治した多職種のチーム力
- 事例1:褥瘡を治した特養職員のチーム力
- A特別養護老人ホームでは、職員の連携力を高めるために「多職種連携と協働」の研修に積極的に取り組んでいた。外部の研修に参加した職員は、コミュニケーション力が高まり、職員間の雰囲気も良くなっていた。
ある日、発熱で入院したBさんが退院し再入所してきた。おむつ交換をすると仙骨部に褥瘡が出来ていたので「褥瘡チームを作って治そう」と職員から提案があった。
早速、介護福祉士・看護師・生活相談員・嘱託医・管理栄養士で褥瘡チームを結成した。皆で話し合い、処置やおむつ交換のやり方を工夫した。ほどなくBさんの褥瘡は完治した。
上記のチーム力に自信を持った職員らは「口腔ケアチーム」や「看取りケアチーム」をつくり、学習し合い連携しながら取り組んでいる。
このように、認知症ケアを行うためには多職種連携と協働できるかが大きなポイントになります。チーム形成やリーダーシップ・メンバーシップなどチーム形成のプロセスを知ることによって、チームに参加しがアップします。
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