こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日も施設について・・・
障害者支援施設について
Contents
1.障害者支援施設とは
1⃣どのようなサービスなのか?
2⃣どのような人たちが利用しているのか?
3⃣どのような生活や活動をしているのか?
4⃣どのようなケアを行っているのか?
5⃣どのような人たちと一緒に働いているのか?
6⃣他の職種の人とどのように協働しているのか?
7⃣介護福祉職はどんなチームを組んでいるのか?
1.障害者支援施設とは
1⃣どのようなサービスなのか?
障害者支援施設は、は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に位置づけられています。
障害者支援施設は、障害の種別が合わさり、
- 昼間実施サービス(施設障害福祉サービス)
- 夜間実施サービス(施設入所支援)
の2つに分かれることになりました。その為、サービスの組み合わせを支援できます。
昼間実施サービス
「生活介護」「自立支援:機能訓練・生活支援」「就労移行支援」「就労継続支援B型」の中から、利用者のニーズにこたえるために、施設が都道府県知事等から認可を受けたサービスを提供します。
夜間実施サービス
「入浴」「排泄」「食事」などの介護、生活等に関する相談及び助言、その他の日常生活上必要な支援を行います。
障害者支援施設では次のことが運営基準で示されています。
- 利用者の意向、適正、障害の特性その他の事情を踏まえた計画(個別支援計画)を作成し、これをに基づき施設障害福祉サービスを提供すること。またその効果について継続的な業過を実施しなければならない。
- 利用者の意向及び人格を尊重して、常に利用者の立場に立った施設障害福祉サービスの提供に努めなければならない
- 利用者の人権の擁護、虐待の防止等の為、必要な体制を整備し、職員に研修を実施しなければならない。
多くの障害支援施設では「短期入所サービス」(ショートステイ)を実施し、家族と共に地域で暮らす障害者の受け入れを行っています。知的障害や発達招待のある利用者も含めて地域生活が継続できるように支援することも役割の1つです。
これからの障害者支援施設の大きな役割として、国が進める地域生活支援拠点等の整備にかかわることが求められています。この拠点等の整備とは、障害者の重度化・高齢化や親亡き後を見据え、施設が短期入所の緊急時受け入れや体験利用などの場となることです。
2⃣どのような人たちが利用しているのか?
施設を利用するためには、障害支援区分認定を受ける必要があります。日中活動として生活介護を提供する障害者支援施設の場合は、障害支援区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上になります。利用者の多くは、身体障害者手帳1級・2級の交付を受けた重度身体障害者で、肢体不自由者が大半です。
原因疾患は脳性麻痺などの先天性障害、脳血管障害、脊髄損傷、事故による頭部外傷後遺症、進行性筋萎縮症などの中途障害といった様々な疾患等鵜による障害のある人達です。障害の種別が合わさった事もあり、身体障碍に加えて知的障害や精神障害、重複障害のある人も入所しています。また、脳血管障害多頭部外傷後遺症の場合は、高次機能障害の診断を受けている人も増えています。
長期間入所している利用者も多く、高齢化・重度化するに伴い、胃ろうによる管理栄養や喀痰吸引等の医療的ケアを必要とする利用者も増えつつあります。
一方で、利用者の中にはグループホームや福祉ホーム、アパートなどでの地域生活を希望する人もいます。また、社会の様々な場面への参加や活動を希望する人もいます。施設から地域へと移行するためには、利用者の努力も重要ですが、思いの実現に向けて寄り添った支援を行っていくことが必要です。
- 福祉ホームとは?
-
家庭環境、在宅事情等の理由により、居宅において生活することが困難な障害者(常時の介護、医療を必要とする状態にあるものを除く)に対して、低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な物品や利益などを提供する施設。
3⃣どのような生活や活動をしているのか?
🔹障害者支援施設の日課表の例
7:00 起床・更衣介助
8:00 朝食・洗面・口腔介助
10:00 リハビリテーション・日中活動
(スポーツ、文化活動、趣味、買い物など)
12:00 昼食・口腔ケア介助
14:00 入浴介助・集団活動
(レクリエーション、スポーツ、文化活動、趣味)
13:00 集団レクリエーション(グループ・個別)
個別機能訓練・カラオケ・ゲーム・工作教室
脳トレ教室・健康教室・書道・囲碁・将棋
17:30 夕食・口腔介助
21:00 就寝準備
22:00 就寝
利用者の活動は、「個別活動」と「集団活動」を行っています。
個別活動:趣味や意向に合わせて、手芸をする人、音楽を聴く人、期の圧仲間と談笑する人など様々です。
集団活動:誕生会のレクリエーションや障害者スポーツ、各クラブ活動などがあります。
障害者支援施設は生活の場でもあります。先天性の障害のある人の中には、これまで社会経験の機会が少なかった人も多くいるので、出来るだけ外に出て、社会活動へ参加することも行っています。
買い物や花見、旅行、スポーツ観戦など利用者の希望に沿って少しでも変化のある生活を送れるように支援しています。
4⃣どのようなケアを行っているのか?
障害者支援施設は、利用者の健康状態を守りつつ、生活の場として豊かな暮らしを保障する役割があります。事項で介護福祉職が行っているケアをいくつか紹介します。
1⃣個別支援計画を作成し、計画に基づいた支援の提供
- 利用者の入所前の生活歴の把握
- 施設の生活に対する利用者
- 家族の意向の確認
- 障害特性
- ADLの状況
- 健康状態の把握
を行います。そのうえで、分析した生活上の解決すべき課題や目標を明確にした個別支援計画を作成し、計画に基づいて支援を提供します。
2⃣日常生活における、食事・更衣・入浴・排泄・移動・整容といった介護
- 食事:利用者が自分で食べやすいように自助具やエプロンを選定し、配膳後は咀嚼の状態に合わせて調理用ハサミを使用し食べる前にカットをする
- 更衣:利用者に着る服を選んでもらい、拘縮や関節可動域を把握し、関節などに負担を掛けないような介護を行う
- 入浴:皮膚の状態を観察し、誓う麻痺がある場合には、湯温の確認を行う
- 移乗:ベットから車いすなどの移乗では、スライディングシートなどを用いて負担を軽減しながら介護を行う
- 整容:朝の頭髪の寝ぐせなどを直し、入浴後は髪を乾かし、また乳液や保湿液を好みに応じて使用する
重度肢体不自由である利用者も多く入所していますが、利用者の希望を尊重し、その人らしい生活が送れるよう自立支援の視点を大切にしています。また、利用者が家族との繋がりを良好に維持できるよう面会時に日頃の様子を伝えたり、家族に送付する機関誌に近況を書いたりと工夫をしています。
利用者の自己決定と洗濯を尊重し、権利を守ることと、虐待防止のための意識を高めておくことも、適切なケアを行っていくうえで大切な基本姿勢です。
5⃣どのような人たちと一緒に働いているのか?
6⃣他の職種の人とどのように協働しているのか?
リハビリテーション・補装具(車いすなど)
理学療法士や作業療法士が中心となりリハビリテーションを行いますが、生活支援員は補助としての役割を担います。また多くの利用者が使用している車いすや下肢装具などについて、日頃の使用状況を観察している生活支援員が理学療法士や作業療法士に説明し、より利用者に適したものとなるように検討します。
入浴
身体保持の観点からも入浴は大切です。しかし、体調不良等により入浴を控えるべき場合もあるので、生活支援員は入浴前に看護職員に確認を行います。また、入浴は全身の状態が観察できる場面です。入浴後の脱衣室では生活支援員が身体を拭き、看護職員は必要な場合、利用者に薬の塗布などを行い全身の状態も確認します。
預貯金の管理(出し入れ)
金銭については、利用者に通帳の預かり依頼を受け、事務所で管理しています。利用者や家族から依頼を受けて入金や出金が必要になると生活支援員は事務員に伝えてお金の出し入れを行います。
個別支援計画
生活支援員は、サービス管理責任者が作成した個別支援計画に基づいて支援を提供します。支援が困難な状況が発生したり、介護方法などがうまくいかない場合など、サービス管理責任者に相談し、助言や技術的指導を受けて、より適切な支援の提供に努めていきます。
7⃣介護福祉職はどんなチームを組んでいるのか?
介護福祉職は、生活支援員として24時間交代勤務で利用者の生活を支えています。また、それぞれの担当の利用者を受け持っています。質の高いサービス提供や利用者からの信頼を得るためにはチームワークが大切です。
- 朝の申し送り(全職種の勤務者参加による朝礼):まず夜勤者が昨夜から今朝までの利用者の状況を申し送りします。1日が始まる中で、例えば睡眠が十分にとれていない利用者がいる場合などを報告します。また、前日の日勤リーダーを務めた生活支援員からの申し送りも行います。さらに、その日の外出者や入院者、医療機関受診予定者などその日の活動内容についても情報を共有します。
- 連絡ノート:各担当の生活支援員が利用者の支援内容に変更があった時は(例:水分補給にとろみをつけるようになった)、連絡ノートに記載します。これは全ての生活支援員が情報を共有して、利用者の支援を統一するための手段の1つです。記載日、利用者名、記載者名、連絡内容を1枚にまとめていきます。確実に読んだことを確認するためのチェック欄も設けています。迅速な情報共有が必要な場合にはノートではなく、ホワイトボードを使用することもあります。
- 利用者個別の記録:知的障害、精神障害、認知機能の低下などにより利用者に尋ねても排便確認ができないこともあります。そのため、他にもおむつ交換や医師の指示による食事摂取量の確認など、健康管理のために記録し把握しておくことが大切です。また書く場面で介護を行った生活支援員は個別に必要となる記録も確実に行うことが大切です。精神科へ定期通院し服薬している利用者についても個別にノートを準備し、行動や言動など意思報告すべきことを記録します。診察の際にとても重要なものとなります。
- 買い物などの外出:金銭管理が必要な利用者は、担当の生活背支援員が管理しています。交代勤務などのために、買い物や外出行事などに担当職員が必ず付き添うことは出来ません。意思表示が困難な利用者の買い物は担当職員が代わりに付き添う人に細かく伝えて依頼します。その際事前に利用者の意向を表情や反応、しぐさなどで確認をしておきます。
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