社会の理解

【日常生活自立支援事業とは?】成年後見制度との違い vol.248

2021-02-16

こんにちは⭐ 介護ラボ・カナログのkanaです。「成年後見制度と日常生活事業支援事業」の中から、日常生活自立支援事業についてまとめていきます。

日常生活自立支援事業の流れと費用

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日常生活自立支援事業

個人の権利を守る権利擁護制度の主なものとして、

  • 成年後見制度
  • 日常生活自立支援事業

の2つがあります。

この2つの制度は重要な役割を担っていますので、前回「【成年後見制度とは?】法定後見制度と任意後見制度の違い vol.247」と、今回の「日常生活自立支援事業」を2回に分けて書いていきます。

1⃣日常生活自立支援事業の概要

「日常生活自立支援事業」は、1999年(平成11年)に地域福祉権利擁護事業として創設され、2007年(平成19年)に、現在の名称に変更されました。

社会福祉法上は福祉サービス利用援助事業と規定されています(第二種福祉事業)。
2015年(平成27)からは、生活困窮者自立支援法「その他の任意事業」にも位置付けられています。

前回書いた「成年後見制度」は、そもそも財産管理に関する権利擁護を主な目的としたものでした。そのため、もともと管理すべき財産のない人は、身上監護が必要であっても、適切な成年後見人等を得ることが困難になります。

このような成年後見制度の制度的限界を補い、本人の資力の有無にかかわらず福祉サービスの適切な利用に繋げるためのしくみがこの「日常生活自立支援事業」です。

2⃣日常生活自立支援事業のしくみ・対象者の要件

日常生活自立支援事業のしくみ

日常生活自立支援事業は、
●認知症
●知的障害者
●精神障害者
等のうち、判断能力が不十分なものに対して、福祉サービスの利用に関する援助等を行うことにより、地域において自立した生活が送れるよう支援することを目的としています
※事業の対象者は下記の表の❶❷いずれの要件にも該当するものとされています。

日常生活自立支援事業の対象者の要件
❶判断能力が不十分なものであって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難な者

❷事業の契約の内容について判断しうる能力を有していると認められる者

上記のように、少なくとも契約時においては「事業の契約の内容について判断しうる能力を有している」ことが求められていることに注意することが必要です。

事業の契約の内容について判断しうる能力がない場合は、成年後見制度の方が適しているということになります。対象者の判定は、ガイドラインに基づいて実施されます。

事業の実施主体は、「都道府県社会福祉協議会」又は「指定都市社会福祉協議会」です。事業の一部を「市区町村社会福祉協議会」に委託することができます

市区町村社会福祉協議会には、「専門員」と「生活支援員」が置かれています。

  • 専門員:支援計画の作成を担当しています。専任の常勤職員であり、原則として高齢者や障害者等への援助経験のある社会福祉士や精神保健福祉士等であることとされています。
  • 生活支援員:実際の援助を行います。援助内容は下記の表に記載します。生活支援員の多くは非常勤職員です。

日常生活自立支援事業の援助内容
【基本的援助内容】
❶福祉サービスの利用援助
❷苦情解決制度の利用援助
❸住宅改修・居住家屋の賃借・日常生活上の消費契約・住民票の届出等の行政手続
 ⇒に関する援助等

【上記に伴う援助内容】
❶利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)
 預金の払い戻し・預金の解約・預金の預け入れの手続き等
❷定期的な訪問による生活変化の察知

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3⃣日常生活自立支援事業の動向

日常生活自立支援事業の動向

2016年度(平成28)現在、日常生活自立支援事業の実利用者は5万1828人となっています。利用者は年々増加しています。

4⃣日常生活自立支援事業の流れと利用料金

  • 「日常生活自立支援事業」の利用希望者は、実施主体に対して申請(相談)を行います。
  • そして、実施主体は、利用希望者の生活状況や希望する援助内容を確認するとともに、本事業の契約の内容について判断し得る能力の判定を行います。
  • 実施主体は、利用希望者が本事業の対象の要件に該当すると判断した場合には、利用希望者の移行を確認しつつ、援助内容や実施頻度などの具体的な支援を決める「支援計画」を策定し、契約が終結されます。
  • なお、「支援計画」は、利用者の必要とする援助内容や判断能力の変化等の利用者の状況を踏まえ、定期的に見直されます。

※契約内容や本人の判断能力等の確認を行う「契約締結審査会」及び適性な運営を確保するための監督を行う第三者的機関である「運営適正化委員会」を設置することにより、契約による事業の信頼性や的確性を高め、利用者が安心して利用できる仕組みとなっています。

日常生活自立支援事業の利用料

日常生活自立支援事業の利用料は、成年後見制度に比べると安価で、訪問1回あたり平均1200円程度です。利用料は実施主体ごとに定められています。
※生活保護受給世帯の利用料は無料になります。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
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