こんにちは。介護ラボのkanaです。『認知症ケア・環境作り』について、今回から4回に分けてまとめていきます(^▽^)/
環境と向き合う力とは?
認知症と環境
認知症の人にとって環境は極めて重要な要素です。認知症という病は治せなくても環境のあり方次第ではその症状を落ち着かせ、その人らしい暮らしを支えることや、その人の自立を高めることも十分可能です。
また、その逆もしかりです。
同じ人でも、置かれる状況や環境が異なることで、全く異なる行動や様子が見られることがあります。病気は変わらなくてもBPSD(Behabioral and Psychological Symptoms of Dementia)認知症の行動・心理症状のあり方は変わります。
- BPSDとは?
-
記憶障害などの中核症状に対して周囲の環境や人との関係などを要因として表れる諸症状である、幻覚・妄想・徘徊・物盗られ妄想・失禁などを指し、その表れ方は人それぞれ異なる。
環境づくりのあり方を誤れば、認知症の人は危機的な状況に陥ってしまいます。認知症の人を支える一要素としての環境を意識し、適切に整えていく事とはとても大切なことです。
認知症は脳の病です。脳はその人そのものです。その人の人格や背負ってきた人生や記憶、そして時間の全てを刻み込むものです。そして時間の全てを刻み込むものです。だからこそ、認知症の介護は難しくも深く尊いのです。
認知症が作り出す表層的な症状を見ていても、認知症の人を理解し、また支えることは出来ません。
租に人が歩んできた人生、そして置かれてきた、置かれている状況や環境を的確に把握し、理解することから認知症ケアは始まります。
他の『BPSD』記事はこちらから・・・
【認知症とは何か?】定義と診断基準、認知症状の全体像について vol.65
認知症の人の心理【不安・喪失感を抱く理由】vol.91
【パーソンセンタードケアとは?】5つの葉と3つのステップ vol.92
【認知症の特徴と治療】生活上の問題点・6つの福祉住環境整備 vol.126
【①BPSDの定義】4つの分類と100以上の行動症状 vol.199
【②BPSD】5つの介入困難な背景要因と7つの介入可能な背景要因 vol.201
【③BPSD】11個の主要なBPSD・個別の背景因子について vol.202
【認知症の治療薬】 保険適応がある4つの薬剤とは?? vol-388
【ユマニチュードとは?】4つの柱・マルチモーダルケアで認知症を支える vol.396
【認知症ケア・マッピング(DCM)とは?】実施方法と活用方法について vol.398
環境と向き合う力
ここでいう「環境」には様々な要素や意味を含みます。その人が置かれている状況や物理的な環境、その人の周りにいる人との関り、介護サービスのあり方、そして過去から現在、未来までの時間。すべての認知症の人に影響を与える要素であることを意識することが大切です。
私たち自身の生活や日常を考えれば、それらの要素が適切に、また相応しくあることで、自分らしくいることができ、ストレスなく心地よく安定した生活を送ることが出来ます。
それら「環境要素」の相互の関係性の中に身を置き、バランスを保ちながら生活をすることが出来ます。
私たちは、環境要素に向き合い、折り合いをつけて生きていく力を持っています。ただし、それが難しくなるのが認知症という病です。だからこそ、認知症の人の環境のあり方は、より慎重に考えなければなりません。
環境的圧力を適切にする(老年学者ロートンのモデル)
人と環境との関係を示すものとして、老年学者「ロートン(Lawwton,M.P.)」によるモデルがあります。
横軸を「環境的圧力」といわれるものでその人が環境から受ける圧力を、そして縦軸を「その人が持っている環境に適応するための能力」を表します。
当然、認知症の人は環境への適応能力が弱い状態にあります。したがって、大切なことは「環境的圧力」をどのように考えるかということになります。
例えば、自宅で暮らしていた人が、介護施設に移ったとします。その状況や環境がそれまで暮らしてきた場所と大きく変われば圧力を感じます。
一般の人であれば感じない、若しくは乗り越えられるような圧力であっても、認知症の人にとっては大きな脅威になります。その圧力が、その人の適応できるレベルである範囲に収まらなければ、不適当な行動や感情。BPSDを誘発してしまいます。
環境的圧力が小さすぎても、つまり何も刺激がない状態でも同様です。
その人に合った適切な圧力である心地よい刺激を与えることも大切になります。
もちろん、環境への適応力を高めることで、その環境的圧力を乗り越えられる、若しくは適応することが出来るようになります。
しかし、認知症の特性を考えるとそれは難しく、いきつくところ、環境側からの対応、つまりはその人に適切な環境を整えることが重要だといえます。
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