障害の理解

【❸難病とは?】難病の特性を生かした支援と対策 vol.276

2021-03-16

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今回は『難病』について。前々回から3回(今回3回目)に分けてまとめていきます。

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難病のライフステージ(乳幼児期~高齢期)

難病の特性に応じた支援

難病について

難病は、根本的な治療が難しく、慢性的な経過をたどる疾患も多くあります。そのため、発症初期には、完治が難しいことへの戸惑いや、今後の症状の進行、長期にわたる療養生活への不安を抱えることがあります。

一方で、適切な治療を受け、痛みや症状、活動などをコントロールすることで、日常生活や社会参加を継続できる場合もあります。

症状が進行すると、ベッド上で過ごす時間が増えたり、痰の吸引などの医療的ケアが必要になったりすることもあります。それに伴い、仕事や学校などへの参加や社会的な役割に制約が生じ、経済的な負担が加わる場合もあります。

また、長期にわたる療養生活は、本人だけでなく家族の生活にも影響を及ぼします。そのため、一人ひとりの身体的・心理的な状態だけでなく、生活環境や家族を含めた状況を総合的に捉え、アセスメントすることが重要です。

❶身体的側面の理解

  • 根本的な治療は困難であり、慢性的な経過をたどる
  • 痛みなどの症状による活動への影響
  • 日によって変化に差がある症状の変化

❷心理的側面の理解

  • 原因が不明で治療法が確立していないことへの不安
  • 長期に渡り療養することへの不安
  • 痛みなどの症状に対する苦痛

❸生活面の理解

  • 痛みなどの症状から生じる生活への影響
  • 職場、学校、家事など社会生活への参加制約
  • QOLへの影響
  • 治療費など経済的負担
  • 家族介護者への負担

①生活支援の留意点

生活支援の留意点

対象となる人が症状を適切にコントロールしながら、安心して生活を送れるよう、QOL(生活の質)の維持・向上を目指して支援します。

難病によって活動が制限されたり、これまで担ってきた役割を失ったりすることで、身体的・心理的に大きな負担を抱えることがあります。そのため、本人の思いや気持ちの変化を尊重しながら、現在の状況と向き合っていけるよう支援することが大切です。

中途障害の場合、受容に至る過程は年齢や環境にも影響されますが、障害の発生直後の障害受容過程を繰り返しながら受容器に達すると言われています。このような倫理的側面と身体的側面との関連を踏まえ、1人ひとりの生活状況を理解し、状況に応じて本人や家族のライフスタイルを再構築できるように支援します。

難病対策

難病対策

1972年(昭和47)に策定された難病対策要綱では、
・「調査研究の推進」
・「医療施設の整備」
・「医療費の自己負担の解消」
が難病対策の柱とされました。2014年(平成26)の難病法では、難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針が定められています。

1972年(昭和47年)に策定された「難病対策要綱」では、

・調査研究の推進
・医療施設の整備
・医療費の自己負担の解消

が難病対策の柱とされました。

その後、2014年(平成26年)に「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が成立し、難病患者への医療費助成が法制化されるとともに、基本方針の策定や調査・研究の推進、療養生活環境の整備などが定められました。

さらに2022年(令和4年)には難病法が改正され、医療費助成の開始時期の前倒しや「登録者証」の発行、難病患者に対する療養生活支援の強化、難病に関するデータベースの充実などが盛り込まれました。改正内容は2023年10月および2024年4月から段階的に施行されています。

現在も指定難病の追加や対象範囲の見直しなどが行われており、難病患者への医療・福祉・就労などを含めた総合的な支援が進められています。

※参照:厚生労働省「難病対策」「難病の患者に対する医療等に関する法律」より

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●難病の理解と促進に向けた普及啓発
難病の理解と促進に向けた普及啓発

難病の理解促進に向けた普及啓発

難病患者の社会参加を支援し、地域で尊厳を持って生活できる共生社会の実現に向けて、「難病情報センター」では、難病に関する正しい理解を広めるための情報発信を行っています。

難病情報センターでは、各疾患の解説をはじめ、国の難病対策や医療費助成制度、相談窓口、各種制度・サービスなど、難病患者やその家族の生活に役立つさまざまな情報を掲載しています。

●難病医療支援
難病医療支援

難病は多様であるため、早期に正しく診断し、適切な医療が受けられるよう、難病医療連絡協議会を中心に、難病医療拠点病院、難病医療協力病院などの医療支援体制を構築しています。

効果的な治療方法の開発に向けて、難病に関する調査研究や医薬品及び医療機器に関する研究開発に取り組んでいます。難病に関する正しい知識を持つ医療従事者の養成など、地域において適切な医療を提供する体制を整備しています。

●療養生活の質の維持向上と社会参加

難病患者の療養生活の質の維持向上を図るため、「難病相談支援センター」では、地域で生活する難病の患者等の日常生活における相談・支援、地域交流活動の促進や就労支援など社会参加に向けた支援を行います。

難病患者地域支援対策推進事業として、保健所を中心とした難病対策地域協議会を設置し、安心して療養できるよう地域の特性を把握し、支援ネットワークを構築しています。治療と就労を両立できるよう、ハローワークなどの環境を整えています。

●国の制度・サービス
国の制度・サービス

難病法による指定難病の対象者は、医療受給者証が交付され、特定医療費助成制度を利用できます。また介護保険法で定める特定疾病の対象者は、介護サービス等が利用できます。

介護サービス等とは?

介護サービス等とは、介護給付である❶施設サービス、❷居宅サービス、❸地域密着型サービスと、予防給付サービスである❶介護予防サービス、❷地域密着型介護予防サービス、そして総合事業である❶介護予防・生活支援サービス事業、❷一般介護予防事業サービス、を指します。

2013年(平成25年)4月に施行された**「障害者総合支援法」**では、障害福祉サービスの対象に「難病患者等」が加えられました。これにより、身体障害者手帳などを持っていない場合でも、対象となる疾病に該当し、一定の要件を満たすことで、必要な障害福祉サービスなどを利用できるようになりました。

また、2014年(平成26年)6月に公布された**「医療介護総合確保推進法」**により、介護保険法などの関係法律が改正されました。高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるよう、**医療・介護・介護予防・住まい・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」**の構築が進められています。

さらに、2022年(令和4年)には「障害者総合支援法」などの改正法が成立し、2024年(令和6年)4月までに段階的に施行されました。この改正では、障害のある人や難病患者などが希望する地域生活を実現するための支援体制の充実や、就労支援の強化などが図られています。

また、障害者総合支援法の対象となる難病等についても見直しが続けられており、2025年(令和7年)4月にも対象疾病の見直しが行われています。

難病患者への支援は、医療費助成だけでなく、障害福祉サービスや就労、地域生活などを含め、より総合的な支援へと広がっています。

※参照:厚生労働省「障害者総合支援法」「障害者総合支援法の対象疾病(難病等)」より

地域包括ケアシステム

他の『地域包括ケアシステム』記事はこちらから・・・
【地域包括ケアシステムとは?】自助・互助・共助・公助について vol.13

ライフステージ

ライフステージ

指定難病には、小児慢性特定疾病も含まれています。小児の難病に対しては、医療と共に児童福祉や教育等他分野との連携など、地域で安心して生活を送るために、難病患者1人ひとりのライフステージに応じた支援が求められます。

  • 乳幼児期(小学校入学前まで):基本的な生活習慣や信頼を獲得する時期。保護者の担う役割が大きいことから、保護者の不安や負担の軽減を図るため、保護者や子どものニーズに応じた就学先を決定するための就学し相談、発育・発達相談などを行います。
  • 学童期(小学校入学後~高校卒業まで):学校や地域で学び、自立に向けて成長する時期。自立した地域生活を支え、成長過程に応じた適切な障害福祉サービスの利用などを支援する相談などを行います。
  • 青壮年期(18~64歳):アイデンティティを確立し社会的自立を確立する時期。障害のある人が自立した地域生活を送るために障害や就労、生活などの障害特性に応じた支援を行います。
  • 高齢期(65歳以上):身体的・生理的機能が徐々に衰退する時期。65歳以上からは障害の有無にかかわらず介護保険法に基づくサービスの対象となります。介護保険制度によるサービスを基本とし、障害特性に応じた障害福祉サービスの活用に関する相談などを行います。

対象者のライフステージに応じて、本人や家族のニーズを踏まえてアセスメントすることにより、QOLを高める支援に繋がります。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
2020年6月に「介護ラボ」を開設しました。
介護の専門学校で学んだ知識をベースに、介護の基礎から高齢者心理、ADL、ボディメカニクスなど、介護・福祉に関する情報を幅広く発信し、これまでに820記事以上を執筆しています。
介護福祉士・福祉住環境コーディネーター2級を取得し、回復期リハビリテーション病院で約2年間勤務しました。学んだ知識と現場での経験をもとに、「なぜそうするのか」という根拠や考え方も大切にしています。
現在は介護ラボのほか、介護ラボ・辞書の運営や外部メディアへの協力など、活動の幅を広げています。

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