障害の理解

【❷難病とは?】ALS、パーキンソン病、悪性関節リウマチ、筋ジストロフィーについて vol.275

2021-03-15

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今回は、『難病』について、前回から3回に分けてまとめていきます。

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パーキンソン病の4大症状とは?

主な4つの難病の理解

筋萎縮性側索硬化症:ALS

筋萎縮性側索硬化症:ALS

**筋萎縮性側索硬化症(ALS)**における2023年度(令和5年度)末の「特定医療費(指定難病)受給者証」所持者数は、9,727人となっています。

特定医療費(指定難病)受給者証は、指定難病の患者が申請を行い、支給認定を受けることで交付されるもので、指定難病にかかる医療費の助成を受けることができます。

※参照:厚生労働省「令和5年度 衛生行政報告例」より

**筋萎縮性側索硬化症(ALS)**は、脳や脊髄にある運動ニューロン(運動神経細胞)が選択的かつ進行性に変性・消失していく神経変性疾患です。運動ニューロンが障害されることで、脳から筋肉への命令が伝わりにくくなり、筋力の低下や筋萎縮が進行します。

日本では、1年間に新たにALSを発症する人は人口10万人あたり平均2.2人とされています。男性は女性の1.3~1.5倍とやや多く、最も発症しやすい年齢は60~70歳代です。また、ALSのうち約5%は家族歴を伴う家族性ALSとされています。

※参照:難病情報センター「筋萎縮性側索硬化症(ALS)(指定難病2)」、厚生労働省「筋萎縮性側索硬化症」より

●症状
ALSの症状

ALSでは、箸が持ちにくい、物を落としやすい、つまずきやすいなど、手足の筋力低下から症状が始まることがあります。

進行すると、舌や喉の筋肉にも影響が及び、飲み込みにくくなる嚥下障害や、言葉を発音しにくくなる構音障害が現れます。さらに呼吸筋の筋力が低下すると、呼吸がしづらくなることもあります。

一方で、感覚障害や排尿・排便障害は比較的現れにくく、視力や聴力なども保たれることが多いとされています。

●治療
ALSの治療

治療の基本は、筋肉や関節痛に対する対症療法や、症状の進行を遅らせる薬物療法、リハビリテーションなどが中心となります。

筋萎縮性側索硬化症

他の『筋萎縮性側索硬化症』記事はこちらから・・・
【❹肢体不自由:ALS・筋萎縮性側索硬化症】進行性疾患の福祉住環境 vol.136

パーキンソン病

パーキンソン病

パーキンソン病における2023年度(令和5年度)末の「特定医療費(指定難病)受給者証」所持者数は、14万7,481人となっています。

※参照:厚生労働省「令和5年度 衛生行政報告例」より

パーキンソン病は、脳幹にある黒質線条体の神経細胞が減少し、運動を調整する働きを担うドーパミンが減少することにより生じる「神経変性疾患」です。

日本では、パーキンソン病の患者は人口10万人あたり100~180人程度とされています。発症年齢は50~65歳に多く、年齢が高くなるほど患者数が増加する傾向があります。
また、65歳以上では人口10万人あたり約1,000人とされ、高齢化に伴って患者数は増加しています。

●パーキンソン病の症状

初発症状として最も多くみられるのは、

  • 手足が震える「安静時振戦」です。そのほか、
  • 筋肉がこわばる**「筋強剛(筋固縮)」
  • 姿勢のバランスを保ちにくくなる**「姿勢保持障害(姿勢反射障害)」
  • 動作が遅くなったり、動きが少なくなったりする**「無動・寡動」

などがみられます。これらは、パーキンソン病の代表的な4つの運動症状です。

姿勢保持障害や無動・寡動に伴い、歩いているうちに次第に前のめりになって速度が速くなる「加速歩行」、歩幅が小さくなる「小刻み歩行」、歩き始めなどに足が前へ出なくなる「すくみ足」などもみられます。

また、無動・寡動によって表情の変化が乏しくなる**「仮面様顔貌」**など、日常生活や社会参加に影響を及ぼす症状も現れます。

運動症状だけでなく、自律神経障害による起立性低血圧や便秘、さらに睡眠障害、抑うつ、認知機能障害などの非運動症状がみられる場合もあります。

パーキンソン病の症状の進行度を示す指標として、主に「Hoehn-Yahr(ホーン・ヤール)の重症度分類」「生活機能障害度」が用いられています。

●治療

治療の基本は、減少したドーパミンを補充、受容、分解抑制するなどの薬物療法が中心となります。

近年効果的な治療方法も開発され、仕事や日常生活を継続しやすくなりました。進行を緩やかにするために、前向きな気持ちで生活することも効果的です。

●パーキンソン病の4大症状
●パーキンソン病の進行度の指標
✅パーキンソン病の進行度の指標
★ホーエンヤールの重症度分類
・ステージ0
パーキンソニズム(症状)なし
・ステージⅠ
一側性(片側上下肢)の軽微な機能低下
・ステージⅡ
両側性又は躯幹の障害、平衡障害はない
★生活機能障害度
・Ⅰ度
日常生活、通院にほどんど介助を要しない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
特定疾患医療費助成制度の対象範囲
【ホーエンヤール重症度分類】
◉ステージⅢ
姿勢反射障害の初期症状などがみられる。身体機能は軽度からちゅとうどの軽減するが、労働可能で、日常生活動作は介助を必要としない。
◉ステージⅣ
日常生活動作の低下が著しく、自力による生活は困難となるが、立つことや歩くことはどうにかできる
◉ステージⅤ
立つことは出来なくなり、車いすやベット上での生活になる。日常生活は全介助。
【生活機能障害度】
◉Ⅱ度
日常生活、通院に部分的に介助を要する
◉Ⅲ度
日常生活に全面的に介助を要し、歩行・起立が不能
※ホーエンヤールの重症度分類:パーキンソン病の症状により、日常生活または社会生活に支障があると判断する基準。ステージ0~に分類されている。
※生活機能障害度:生活機能の障害度に応じてⅠ~Ⅲ度の3段階に分類したもの

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悪性関節リウマチ

悪性関節リウマチ

悪性関節リウマチにおける2016年度(平成28)の特定疾患医療受給者証保持者数は6067にんである。

関節リウマチとは、体内に侵入した病原菌や異物に対して排除する能力としての免疫が、自己に対して攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。

指定難病である悪性関節リウマチは、関節の痛みや腫れ、変形を生じる関節リウマチに、「血管炎」「内臓障害」などの関節外症状を認め、難治性または重症な臨床病態を伴う場合の疾患です。

現在、日本では人口の約0.4~0.5%、およそ50万~60万人が関節リウマチに罹患していると推定されています。男性より女性に多く、女性は男性の約3倍ですが、高齢で発症する場合は男女差が小さくなる傾向があります。

また、以前は30~50歳代に多いとされていましたが、人口の高齢化に伴い、現在の日本では60歳代での発症が最も多く、高齢で発症する関節リウマチも増えています。

※参照:公益財団法人日本リウマチ財団「リウマチ情報センター」より

●症状

関節リウマチの初期症状として、起床時の手指などの関節が動きにくくなる「朝のこわばり」があります。その後、

  • 関節の腫脹(腫れ)
  • 疼痛(痛み)

生じます。

関節の腫脹や疼痛は、左右対称に出ることが多く、進行すると肘や膝の関節にも広がります。また、関節の骨や軟骨が破壊されるとともに筋肉も委縮することにより変形し、関節可動域が制限されます。関節以外の症状では、

  • 疲れやすさ
  • 微熱
  • 食欲低下

などがみられます。悪性関節リウマチの症状では、「関節炎」や「皮下結節」などの関節外症状や臓器症状として間質性肺炎を生じる場合もあります。

皮下結節とは?

皮下結節とは、局所的に皮下が丸く盛り上がった状態をさします。

●治療

治療の基本は、リウマチの症状の緩和、関節外病変を抑制するために、ステロイドなどの薬物療法、血漿交換療法などになります。

●悪性関節リウマチの症状

筋ジストロフィー

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーには、症状の特徴や発症年齢、遺伝形式等に基づいてデュシェンヌ型などに分類される(最も発症率が高い)。筋ジストロフィーにおける2016年度(平成28)特定疾患医療受給者証保持者数は2784人である。

筋ジストロフィーは、筋繊維の変性・壊死を主病変とし、進行性の筋力低下をみる「遺伝性筋疾患」です。遺伝子に変異が生じることにより、たんぱく質の機能が障害され、筋肉の変性や壊死が起きる病気です。

●筋ジストロフィーの病態プロセス

運動機能が軽症な人は、受診率が低いため正確に把握することが困難ですが、日本における有病率は10万人当たりおよそ17~20人と推測されます。

●症状

主な症状は筋力低下による運動機能障害です。デュシェンヌ型の症状では、歩行開始遅延が30~50%にみられます。歩行時のふらつきや登はん性起立(Gowers徴候)、ふくらはぎ(腓腹筋)の仮性肥大が見られます。

進行すると、10歳前後で歩行不能となります。20歳前後で呼吸機能が低下した場合、人工呼吸器が必要となります。

登はん性起立とは?

登はん性起立(Gowers徴候)とは、筋力低下により下肢の力だけでは立ち上げることが難しいため、まず手を床につき、臀部が持ち上がったところで手を膝に当てて立ち上がる動作のこと。

●治療
筋ジストロフィーの治療

現在根本的に治療法がありませんが、症状の進行を少しでも遅くすることが治療の基本です。症状に応じた薬物療法、嚥下訓練などのリハビリテーションを行います。

筋ジストロフィー

他の『筋ジストロフィー』記事はこちらから・・・
【❷肢体不自由:筋ジストロフィー】進行性疾患の福祉住環境とは vol.134

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。2020年6月ブログ「kanalog(カナログ)」を開設
介護の専門学校で学んだ知識をベースに、現場ではなかなか得られない”理論的な視点”や”根拠ある介護”を中心に発信、これまでに820記事以上を筆跡してきました。
ブログの8割は、専門学校で得た知識のアウトプットが中心。ADL/ボディメカニクス・高齢者心理など、介護の基礎から応用場で幅広く取り上げています。
社会人経験を経て介護の道へ転身し、介護福祉士・環境福祉コーディネーター2級を取得。 回復期リハビリ病院2年勤務し、現在はテレワーク勤務をしています。
辞書型ブログの運営や、外部メディアへの協力など、活動の幅も広がっています。 「介護職として長く働きたい」「もっと学びながら成長したい」トンな思いを持つ人たちへ、小さなヒントや確かな知識を届けていけたらうれしいです。

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