障害の理解

【❶障害者家族の支援】障害を持って生まれた子どもの家族の場合 vol.277

2021-03-17

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今回は『障害者家族の支援』について、今回と次回「【❷障害者家族の支援】スティグマと障害受容についての4つの提言 vol.278」、次々回「【❸障害者家族の支援】より良い支援方法の提案とは? vol.279」の3回に分けて書いていきます。

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障害者に対する差別

家族に障害のある人がいるということ

実は身近な障害者

現在、日本では、国民のおよそ9.3%が何らかの障害を有しているとされています。

内訳は、身体障害者が約423万人、知的障害者が約126万8千人、精神障害者が約603万人です。

複数の障害を併せ持つ人もいるため単純に合計することはできませんが、割合にすると国民のおよそ11人に1人が何らかの障害を有していることになります。

※参照:内閣府の最新「令和7年版障害者白書」より

例えば、あなたに両親と祖父母がいるとすると、あなたを含めて7人になります。2家族なら14人です。現在はおよそ11人に1人が何らかの障害を有していることを考えると、家族や身近な人に障害のある人がいることは、決して特別なことではありません。

障害は、私たちの暮らしの中にある、とても身近なものなのです。

障害のある人を支える家族への支援を考える時に大切なのは、障害のある人を支える家族の課題を特別な事として考えるのでなく、

  • 「自分の家族だったら」
  • 「自分だったら」

と、自分に置き換えて考えてみることです。

その時に、社会の障害者に対する見方を考える必要があります。

障害者に対する差別

障害者基本法では、「全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現すること」が、法の目的として定められています。

鉄道の駅のほとんどに、車いすを利用する人も使いやすいバリアフリーが設置され、街で障害のある人と出会う機会も増えました。企業による障害者の雇用も増えていて、障害のある人も、ない人も、共生する社会づくりが進んでいます。

その一方で、

  • 障害者が住むグループホームの建設を近隣の住民が反対して造ることが困難になる
  • 障害者が不動産屋でアパートを貸してもらえない
  • レストランの入店やホテルの宿泊を断られる

上記のように、障害があることで生きづらさを感じることがあることも事実です。

このようなことが起きる背景には、

  • 「障害者が来たら迷惑だ」
  • 「障害者を『健常者』と同じように尊重する必要はない」
  • 「障害者は可哀想だから、一般の社会とは分け隔てた場所で保護すべきだ」

などといった、障害者に対する社会の否定的な価値観や、差別的な意識があると考えられます。

そして、このような社会の中の障害者に対する否定的な価値観や差別的な意識は、知らないうちに支援者や障害のある人の家族の中にも入り込んでいる可能性があります。そのことが、障害者やその家族の支援にも影響を与えることに支援者は注意する必要があります。

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障害のある人の家族への支援

障害を持って生まれた子どもの家族の場合

自分の子どもが、障害を持って生まれたらどのような気持ちになるのか想像してみることが大切です。障害のある人の親の気持ちを理解することが支援の第1歩に繋がります。

(1)出生期

生まれた子どもに障害があることを医師から告げられたとき、ある母親は「自分が現実の中にいないような感覚になった」と話していました。
大きな精神的ショックを受け、医師から告げられたことをすぐには受け止めきれない気持ちが、そのような感覚につながったのかもしれません。

そして、医師の告知が現実であると知ったとき

  • 子どもを心配する気持ち
  • これからどうなってしまうのだろうという不安感
  • 自分が思い描いた子どもの成長や家族の夢を一度に失ってしまったような気持ち

このような気持ちが重なり、悲しみとも怒りともつかない感情が込み上げてきて泣き続けてしまうこともあるかもしれません。

子どもの障害について最初に相談するのは家族でしょう。

多くの場合、配偶者から「2人の子どもなのだから、一緒に育てていこう」と支えてもらえるでしょう。
一方で、「自分の家系には障害のある人はいない。そちらの家系の血筋ではないか」と責められ、深く傷ついたという人もいます。

(2)乳幼児期

乳幼児期には、親が子どもの障害を少しでも良くしたいという思いから、さまざまな医療機関を訪れることがあります。多くの医師の診察を受けたり、リハビリや療育に通ったりと、子どものためにできることを懸命に探し続けることもあるでしょう。

また、リハビリや療育の場は、障害のある子どもを育てる親同士が出会い、つながる場にもなります。

同じような悩みや不安を抱える親と出会うことで孤独感が和らぎ、「苦しい思いをしているのは自分だけではない」という安心感や心強さから、少しずつ前向きな気持ちになれることもあるでしょう。

乳幼児期は、障害の有無にかかわらず、まだ歩いたり言葉を話したりできない時期があります。ベビーカーに乗っている赤ちゃんを見ただけでは、障害があることに周囲の人が気づかないこともあります。

親は子どもの障害について悩み、不安を抱えていても、そのことを家族以外の人に打ち明けるには勇気が必要な場合もあるでしょう。

  • 「うちの子には障害があります」と話したら、相手はどう思うだろう。
  • 気まずい雰囲気になったり、避けられたりするかもしれない。
  • 「かわいそう」と同情されたら、自分も傷つくかもしれない。
  • それなら、何も話さない方がいいのかもしれない……。

こうした思いから、公園など地域の人と関わる場所へ出かける機会が少なくなり、親子が地域の中で孤立してしまうこともあるかもしれません。

そして子どもが成長するにつれて、発達の違いが少しずつ目に見えるようになることがあります。同じ時期に生まれた子どもたちが歩き始めたり、言葉を話し始めたりすると、周囲から声をかけられる機会も増えてきます。

「まだ歩かないの? でも、歩き始めるのが遅い子もいるから大丈夫だよ」

「言葉が出るのが遅い子もいるよ。私の友人の子も〇歳まで話さなかったけど、今ではとてもおしゃべりで……」

こうした言葉をかけられることもあるでしょう。

悪意のない言葉であっても、子どもに障害があることを自分から伝えなければ、親が置かれている状況や抱えている思いを周囲に理解してもらいにくくなることもあります。

「障害も我が子の一部」という気づき

親は子どもに障害があることを周囲に話せない理由について、「どうして話せないのか」と、考えることが多くあるでしょう。

しかし長い時間の気持ちの葛藤を経て、

「障害がある事も含めて、私の大切な子どものなのではないだろうか。障害は子どもの一部であり、隠す必要はないのだ」

と、子どもの存在全てを肯定することが出来るようになることもあります。それは、社会の「障害」に対する否定的な価値観や差別的な意識から解放されることともいえます。

次回は、「【❷障害者家族の支援】スティグマと障害受容についての4つの提言 vol.278」について書いています。良かったら見に来てください!!

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
2020年6月に「介護ラボ」を開設しました。
介護の専門学校で学んだ知識をベースに、介護の基礎から高齢者心理、ADL、ボディメカニクスなど、介護・福祉に関する情報を幅広く発信し、これまでに820記事以上を執筆しています。
介護福祉士・福祉住環境コーディネーター2級を取得し、回復期リハビリテーション病院で約2年間勤務しました。学んだ知識と現場での経験をもとに、「なぜそうするのか」という根拠や考え方も大切にしています。
現在は介護ラボのほか、介護ラボ・辞書の運営や外部メディアへの協力など、活動の幅を広げています。

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