認知症の理解

【①家族支援】認知症の人の家族を支える介護福祉職の4つの役割 vol.409

2021-07-27

こんにちは。介護ラボのkanaです。『家族支援』について、今回から4回に分けて書いていきます。

2者間の情緒関係とは?

認知症の人の家族を支える視点

1⃣家族を1人の人として理解する

今回から「家族介護」についてまとめていきます。家族介護者を支える介護福祉職の役割、家族の葛藤・心理過程の理解、そしてフォーマル・インフォーマルなレスパイトケアの方法など・・・4回に分けていきます。

  • 「息子さんに介護されて幸せですね」
  • 「奥様に介護されるのが1番いいですね」

という言葉掛けは、時に「親の会度は息子がすべき」「家族は献身的に介護をしなければならない」といった固定観念を押し付けてしまうことになります。

家族には、介護をするという選択をする権利も、介護を強要されないという権利もあります。

家族を応援することは勿論大切ですが、専門職は家族もまた1人の生活者として尊重し、意思や意向をよく聞き、介護をする家族の状態を見極めて、介護者自身の生活の質であるQOLが高まるような支援の視点が必要です。

★認知症の人の家族を支える介護福祉職の4つの役割

既に上記に書きましたが、家族を支える介護福祉職の役割は大きく分けて4つあります。

❶家族を1人の人として理解する

❷家族のコミュニケーションを促進する

❸認知症の人への関わり方を調整する

❹認知症についてわかりやすく情報を提供する

2⃣家族のコミュニケーションを促進する

「家族はその距離感が近いことから感情的に深く絡みついた結び付きがある」といわれています。その関係は次項の「2者間の情緒関係」に示す通りです。

互いが舵取りをし、バランスを取る愛着関係が最も望ましいとされ「結合型」といいます。そして、「解体型」には2つあり、「反発」は相互に拒否し合う形で、「無関心」は形式だけの関係が維持されている状態で外見上分かりづらく、相互にこころの交流がないことから反発よりも悪い関係で修復が難しいといわれています。

認知症によってコミュニケーションの障害が生じ始めた場合には、言動の意図が理解できなかったり、人格が変わったように感じたりすることから対立が生じ、「反発」や「無関心」な状態になりやすくなる傾向があります。

特に2者での関係の場合には、解体した関係を修復することが難しいために、認知症の人への介護が始まったころから専門家がかかわり、認知症の人の声を代弁し家族に伝えることや、家族の不安な気持ちや動揺する気持ちを理解する姿勢を示すことが求められます。

●2者間の情緒関係とは? 
2者間の情緒関係

下記の表が2者間の情緒関係になります。これが3者になると、この関係を修復する働きをする場合、「さらに強い結束を生む」、若しくは「解体を生む」場合もあります。

3⃣認知症の人への関わり方を調整する

認知症の人は、記憶や生活の中で起こるトラブルを周囲から責められるということが多くなり、役割や仕事が奪われていきます。また、認知症の診断の過程や心理検査によって自分が出来ないことを自覚する場面が多くなります。

認知症の早期判断がなされた初期ではその自覚があるので、これらの経験に認知症の人は大きく傷つき、役立っているという気持ちである「自己効力感」や、自分を誇りに思う気持ちである「自尊心」が失われていきます。

こうした経験によって本人は混乱し、イライラします。なかには無気力な状態に陥ってしまう人もいます。

日々関わっている家族には、認知症の人に出来るだけ役立っているという感覚や体験をしてもらえるような生活を作っていくよう協力してもらう必要があります。

家庭内の役割

介護はどうしても「支援するーされる」という関係になりやすく、一方的な関係になりがちです。認知症の人にも家庭内の役割を持ってもらうために、家族と話し合いの場を持つことも大切です。

自尊心

4⃣認知症についてわかりやすい情報を提供する

認知症については、治療や原因疾患、介護方法や考え方等、メディアやインターネットなどで情報が溢れ、中には正しくない情報も含まれています。私も日々出来るだけ正確な情報をまとめ、介護の助けになるよう、間違った情報で不安を増長しないよう気を付けています。

不安を軽減するために、

  • 介護者自身の健康管理
  • 無理のない介護方法や用具
  • サービスの情報

など、正確な情報を介護福祉職自身が常に学び、家族介護者が求める情報を整理して伝える役割があります。

例えば、認知症になると、

  • 「物忘れの自覚がない」
  • 「進行性で確実に進行し10年後には終末期を迎える」
  • 「体験全体を忘れる」

などの情報は、全ての人に当てはまるわけではありません。

少なくとも、早期に専門機関に繋がり診断がなされた場合には、これには該当しません。

偏った情報は、絶望感しか生まず、家族を落胆させ不安にさせます。他方で、

  • 「認知症が治る」
  • 「必ず予防できる」

などの情報も、全ての原因疾患に当てはまるとは限らず、期待と絶望の両方の感情に家族は疲れてしまいます。正しい情報を伝えることが介護福祉職として必要になります。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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