こんにちは。介護ラボのkanaです。『認知症ケア・環境作り』を4回に分けてまとめていきます。今回は3回目になります。
グループホームと特別養護老人ホームについて
環境作りの実際
1⃣自宅での環境作り
環境を整え、生活環境作りに配慮するとは、その人が、その人らしく暮らすことが出来るような環境を提供するということにほかなりません。今回は、自宅に暮らしている場合と、自宅を離れて施設で暮らす場合に分けて考えていきます。
自宅の場合、その人が暮らししている状況や環境を保持することが比較的容易です。まずはその人の暮らしの形を尊重した生活環境作りが求められます。例えば、
- 良かれと思って行った転居(子世帯への呼び寄せ転居など)
- 滞在場所(部屋)の移動
- トイレや浴室の改修
- 身の回りのものの整理
などが、認知症の人にとっては大きな戸惑いと混乱を引き起こしてしまうことがあります。
1つひとつの行為・行動の手順を感覚的に、また身体で覚えている認知症の人にとって、それらの手順が変わることで、適切に対応できなくなってしまうことがあります。
家の中での暮らしにおいては、1つひとつの動きや行動の中に習慣化されたことや、その人なりの意味を持つものが少なくなりません。
見えない秩序の中で私たちの生活は組み立てられ成立しています。その人にとっての生活の全体像をしっかり把握・理解したうえで、そこにある秩序を乱さないような配慮が必要です。
また、生活は家の中だけで成立するものではなく、地域社会とのつながりによっても成立しています。
その意味では、地域の中でその人の生活を捉え、支えていく仕組み作りも不可欠です。
長年住み慣れた地域の中では、見慣れた景色や風景、その地域の目印となるお店や施設などが道標となり次の行動を導き、また自らの居場所の目印ともなります。
当然、認知症になってから知らない地域に住めば思うようにはいかなくなりますし、馴染むことが難しい状況や生まれます。だからこそ、「住み慣れた地域で暮らすこと」が大切なのです。
このような認知症の特性を地域で理解・共有し、地域で支え合う意識を育てていく事も重要です。認知症の人を温かく見守り包み込むような地域やまちづくりが求めらます。
2⃣施設での環境作り
「グループホーム」や「特別養護老人ホーム」など施設での環境作りにあたっては、より強い意識での臨まなければなりません。
そもそも、認知症の人にとって自宅以外の場所に暮らしの場を移すということ自体、大きな困難を伴います。
しかし一方で、1人で家に閉じこもり、刺激のない中で暮らしている状況や、家族介護のもと互いにストレスを抱えながら過ごす状況や環境と比べると、適切な環境に身を置くことが出来れば、それはそれでその人の生活の質であるQOLを高め、その人らしい暮らしを送ることに繋がるかもしれません。
建築家の外山義氏が【自宅でない在宅 : 高齢者の生活空間論・著】で、「自宅でない在宅というものがあり、それは単に住む場所の問題ではなく、たとえ住み慣れた自宅を離れて施設に移ったとしても、再び個人としての生活領域が形成され生命力が萎むことがないのなら、施設も『自宅でない在宅』でありうる」と述べています。
外山氏は医療や介護の専門家ではなく建築家です。医療・介護の世界では常識とされることに対し、客観的にそれがいかに高齢者の日常からかけ離れているかを鋭い視点で捉え、環境が人に与える影響について科学的に述べられています。
だからこそ、施設の存在価値があり、自宅から移って暮らす意義があるのかもしれません。
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【グループホームとは?】サービス内容や利用者の要件について vol.108
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【特別養護老人ホームとは?】サービス内容や利用者の要件について vol.102
【地域連携の意義と目的】介護施設の役割 vol.309
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