こんにちは
介護ラボ・kanalogのカナです。
前回【被災地での支援活動】スタンダードプリコーションの実践が必要な理由 vol.56 で、災害時の支援活動について書きましたが、今回も引き続き・・・
災害直後の支援方法4つと、安眠のための6つのポイントについて
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被災地における活動場所
(1)一般避難所
「一般避難所」とは、学校や体育館、公民館など宿泊や食事も含めた仮の生活が出来る一時的な避難所のことをいいます。
基本的には同じ地域の人が集まってきます。
多くの人が集まってくるので、生活支援や見守りはもちろん、多職種(他職種)との連携体制の構築なども必要になってきます。
(2)福祉避難所
「福祉避難所」とは、支援が日露な人(障害者や認知症のある高齢者、妊産婦など)が入る避難所を指します。介護福祉施設や福祉センターになります。
普段は施設ですが、災害時には避難所として、被災者を受け入れることもあります。
そのため普段からある程度の食料や防災グッズが備蓄されています。
(3)仮設住宅など
仮設住宅の場合、避難所に比べればプライバシーは保たれますが、仮設住宅への移住は公平性を期するために抽選で行われます。そのためそれまで日常的に交流してきた近所の人もいません。
その結果、引きこもりの状況を引き起こす要因にもなります。
介護福祉職は、生活に支援が必要な人に対して、優先順位を考えながら公平に支援していくことが求められます。
災害時における生活支援
災害はいつどこで起こるかわかりません。
そして、災害の種類や規模によってライフラインや物資が止まってしますこともあります。
※ライフライン⇒電気、水道、ガス、通信、交通など、生活に必要不可欠なシステムのこと。
一般避難所であろうと、福祉避難所であろうと、介護福祉職として行うことは生活支援であり、普段と行うことは変わりありません。
ただ、物がない中でどう支援するのか、あるものでどう工夫するのかという視点が大事になり、「防災備蓄」が必要となってきます。
通常使用の余分とは別として生活における必要物品を最低3日分は備蓄することが大切になってきます。そして、その備蓄いかに有効活用していくかが重要となってきます。その時こそ、効率性と効果性の高い介護の実践が出来る介護福祉職の能力がいきる時です。
被災時の何もない状況の時こそ、変化対応できる人のかかわり方が重要です。介護福祉職が常に環境を良い方に促進する因子となり、良いかかわりを意識し、実践を重ねていくことが責務となります。
(1)災害直後の支援
災害時には普段のあたりまえの日常が一瞬で崩壊します。
非日常に追いやられた儒教では、何から支援すればよいかもわからないような混乱状態となります。
『マズローの欲求階層説』にもあるように、人間の基本的欲求は生命維持に関する部分にあります。生理的欲求(食事、排泄、睡眠)、安全欲求(居住環境)に対する支援を優先しましょう。
※マズローについてはこちら👇に書いているので良かったらどうぞ(^▽^)/
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❶食料の支援
福祉避難所の場合は、普段から非常食外備蓄されているので、数日はそれを食べてしのぐことになります。
しかし、学校や体育館、公民館などの一般避難所には備蓄がない場合もあります。そうなると避難してきた人が持参した食べ物や周囲の人が差し入れてくれた食べ物が主となります。
食べ物が足りない状況になることが想定されるので、公平に分配されるように配慮する必要があります。
❷排泄の支援
災害直後は、簡易トイレが設置されませうが、全体的に数が足りず行列が出来ます。
その結果、トイレに並ぶのを避けるために水を飲むことを控え、脱水症になる人もいます。便秘にとり健康を害することもあるので、早いうちにトイレ環境を整える必要があります。
近年ではマンホールトイレというものもあり、東日本大震災や熊本大地震の際にも使用されました。素早くトイレ機能を確保できるため介護福祉職として知っておくことも大切です。
※マンホールトイレ⇒下水道管路にあるマンホールの上に簡易便座を設け、災害時に素早くトイレ機能を確保するもの。そのまま下水に流れるため、水不足でもトイレとして使用することが出来る。
女性用のトイレには、早めにサニタリーボックスやおむつ用のごみ箱を設置し、もし用意できない場合は、不透明な袋でも構いません。ただし大きめの袋にすると、袋が一杯になるまでゴミが捨てられず悪臭や感染の原因になるため、小さめの袋でこまめに処分するようにします。
トイレの水が流せなかったり、トイレの数が足りない場合は簡易トイレを作ることも考えます。
簡易トイレの作り方【必要物品:ポリ袋2枚、新聞紙】
❶便座を上げポリ袋をかぶせる
❷便座を下ろし上からポリ袋をかぶせる
❸❷のポリ袋に新聞紙を入れる
⇒用を足したら、❷の袋の口を閉じて所定の場所に捨てる。トイレがない場合は、バケツなどで代用することも出来る。
トイレは不衛生になりやすい場所です。
綺麗なトイレであれば自然と綺麗に使われますが、ゴミが落ちていたり汚れがそのままになっていたりすると、使う人も「汚しても大丈夫」という感覚に陥りがちになるので、こまめに掃除することが大切です。
他の『感染症』記事はこちらから・・・
【HIVに応じた介護】ポイントは3つ♪ vol.16
❸居住環境への支援
避難所の場合、壁沿いのスペースで生活する人と、中央スペースで四方を他の人たちに囲まれて生活する人とでは、緊張の度合いも変わってきます。
また、移動に時間がかかる人の場合は、トイレに近い場所を生活エリアにした方がよいでしょう。とは言え、入り口に近いと外に出やすい反面、風や外の音が気になったりします。
場所によっても環境が異なるので、利用者の状況を見て、その人に合った場所を考える必要があります。一度生活スペースが決まってしまうと「自分の場所」という思いが芽生え、その場所を交代するのが難しくなるので、早い段階で調整することが求められます。
❹睡眠の支援(安眠のポイント6つ)
- ✅安眠のポイント6つ
- ❶プライバシーの確保
乳児がいる場合は授乳の必要性に配慮し、集団エリアから離れたところに授乳スペースをつくる
❷室温
冬場は体育館などは通気口や隙間風により冷たい外気が入ってくるため、ガムテープなどで隙間を埋める
❸換気
感染対策のためにも換気が必要。冬場は寒いので、人が少ない時間帯や日中など、時間を決めて窓を開けるようにする。換気をすることが外に出るきっかけにもなる
❹明るさ
夜間は非常灯にバスタオルを掛けたり、カバーをするなどして、明るさを調整する
❺音
乳児がいる場合は、夜泣きなどに配慮し、夜間は集団エリアから離れたところに落ち着けるスペースを作る。移動ルートの上に物を置かない
❻寝具
布団がない場合、ダンボールなどクッション性、断熱性のある物を床に敷く。但しダンボールはもともと再生紙ということもあり、濡れると悪臭のもととなるので濡らさないように気を付ける
被災後の精神状態、環境の変化などから、なかなか寝ることが出来なくなります。
まずは寝るための環境を整える必要があります。
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