こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「コミュニケーション技術」の中から『コミュニケーション障害』についてまとめていきます。
コミュニケーション障害の原因
Contents
1.コミュニケーション障害とは
1⃣コミュニケーションの情報処理
2.コミュニケーション障害の原因
1⃣情報処理レベル別のコミュニケーション障害の種類
1. コミュニケーション障害とは
コミュニケーションは、メッセージの送信者である話し手と、受信者である聞き手との間で、次項に上げる「コミュニケーションの情報処理」を行いながら成立します。
コミュニケーションの情報処理は、いくつかのレベルに分かれており、
- ①「感覚レベル」:耳や目で情報を受け取る。
- ②「認知レベル」:上記の情報を認識する。
- ③「言語理解レベル」:認識した情報の意味を理解する。
- ④「概念形成レベル」:自分の中に生まれた考え、感情、意思をまとめる。
- ⑤「言語表出レベル」:まとめた考えや意思を適切な単語や文法で話す準備をしたり、正確な文字を頭の中に思い浮かべたりする。
- ⑥「構音レベル」:下や口唇などの発生発語器官を緻密に動かして発音したり、手指を動かして文字を書いたりする。
話し手と聞き手の間でやり取りが行われるためには、上記のどれが損なわれても「コミュニケーション障害」が起こります。
例えば、認知症のコミュニケーション障害は、情報処理における、
- ③「言語理解レベル」
- ④「概念形成レベル」
- ⑤「言語表出レベル」
の問題です。
つまり、相手が言っていることが分らない、自分の考えを上手くまとめられない、上手く表現できずに回りくどくなってしまう、という状態です。
しかし、それらに加えて、加齢による聴覚や視力低下、運動機能の低下など、①~⑥の全ての過程に支障が生じる可能性があります。
介護保険関連施設利用者の70~90%の人が、何らかのコミュニケーション障害を持つという報告もあります。
一方で、意識が少しでも保たれているのであれば、コミュニケーション機能の全てが失われることは少ないのです。殆どの人に何らかのコミュニケーション能力が保たれている、という視点を持つことはとても大事になります。
1⃣ コミュニケーションの情報処理
話し手:「明日の午前中は何をしたいですが?」
聞き手: ↓
①「感覚レベル」:声が聞こえた!
②「認知レベル」:何か言っている!
③「言語理解レベル」:わかった!
④「概念形成レベル」:何をしたいかな?
⑤「言語表出レベル」:散歩かな?
⑥「構音レベル」:よし、言おう!
上記のように、コミュニケーションは①~⑥までの順番で情報を処理して言葉を出して、会話が成立します。
2.コミュニケーション障害の原因
コミュニケーションに障害が生じる原因は様々です。また、障害の程度も軽い場合から重い場合まで幅があります。相手とのやり取りを行う上で情報処理のどのレベルに不具合があるか、その不具合はどの程度かを明らかにすることによって、支援の方法が見えてきます。
例えば難聴の人は、「感覚レベル」に障害があるので、第1の支援は感覚レベルを補強する方法です。補聴器を使って音を大きくして耳に届ける、聞こえの良い方の耳から話しかける、などがあります。
第2は、保たれている他のレベルを使う方法です。難聴の人は感覚レベルでは障害を受けていますが、言語理解レベルや言語発話レベルは十分に保たれており、こちらが伝えたいことを文字に書いて示せば理解できます。
このように、障害されたレベルと保たれているレベルを組み合わせて上手く使うことで、コミュニケーションを取りやすくすることが出来るのです。
1⃣情報処理レベル別のコミュニケーション障害の種類
下記の表は、情報処理の各レベルにおいて、どのようなコミュニケーション障害が生じるかを示しています。
①【感覚レベル】
◉障害領域:聴覚
・主な障害名:加齢性難聴
→耳の聞こえが低下する
◉障害領域:視覚
・主な障害名:白内障・緑内障
→聴力が低下する、視野が狭まる
②【認知レベル】
◉障害領域:視覚的認識
・主な障害名:半側空間無視
→左右どちらかの空間にある物に気付かない
③【言語理解レベル】
◉障害領域:内言語
・主な障害名:失語症、認知症
→聞いた言葉が理解できない、書いてある文字が理解できない
④【概念形成レベル】
◉障害領域:概念形成
・主な障害名:認知症、知的機能低下
→考えをまとめられない、理解できない
⑤【言語表出レベル】
◉障害領域:内言語
・主な障害名:失語症、認知症
→考えたことを的確な言葉に置き換えらえない・文字で書けない
⑤【言語表出レベル】
◉障害領域:内言語
・主な障害名:失語症、認知症
→考えたことを的確な言葉に置き換えらえない・文字で書けない
⑥【構音レベル】
◉障害領域:発声・構音
・主な障害名:構音障害
→声が出せない・小さい、呂律が回らない
「感覚レベル」では、加齢性難聴や白内障などによって、聞くこと、見ることに障害が起こります。
「認知レベル」では、半側空間無視などで自分の周りの空間を認識できないことがあります。
「言語理解レベル」では、失語症や認知症などにより、相手の言ったことや書いてある文字の理解に支障が生じます。
「概念形成レベル」では、認知症などにより、自分の考えがまとまらない事もあります。
「言語表出レベル」では、失語症や認知症などにより、言いたいことをうまく言葉に置き換えられない、文字が思い浮かばないことが起こります。
「構音レベル」では、構音障害などにより、声が小さくなったり呂律が回らなかったりします。
これらの障害は単独で起こることもありますが、重複して起こることも多いものです。
このように、コミュニケーション障害が、どの情報処理レベルの、どのような原因によって起こっているのかに着目し、それに対応した支援を行うことが重要です。
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