こんにちは。介護ラボのkanaです。今日は「こころとからだのしくみ」の中から『最期のとき』について書いて、今日と明日の2回に分けてまとめていきます。
「亡くなる」ことに対するこころの変化
Contents
1.「亡くなる」ことに対するこころの変化
1⃣最期のときとは
2⃣「最期のとき」の受容プロセス
3⃣キューブラーロスの終末期にある人の受容プロセス
4⃣「最期のとき」を受容する段階
1.「亡くなる」ことに対するこころの変化
1⃣最期のときとは
人にとって亡くなることは避けられない事でありながら、自宅での看取りが少ない現代は、身近な人が見取りにかかわった経験が少ないために、「どのような最期にしたいのか、残された時間を誰と、どこで、どのように過ごしたいのか」など、亡くなることについて考えることや話し合う機会は日常的に多くありません。
最期のときは、人の価値観が反映されるため、生き方そのものといえます。これまで何を大切にしてきたのか、人の価値観は亡くなり方にも反映されます。残された時間が長くないと悟ったとき、どのように準備をするのか、
- 「静かに過ごしたい」
- 「人とのかかわりを望む」
- 「家族と一緒にいたい」
など、個別性があります。
そして、利用者や家族の最期の考え方だけでなく、看取りにかかわる介護福祉職の最期の考え方も大切です。
これまでの生き方や物事の考え方等、価値観が影響するため、自分の望む生き方や最期の過ごし方について関心を持ち、折に触れて話す機会を設けるなど、日頃の心構えや努力も大切です。
治療や最期をどのように過ごしたいのか、介護福祉職は利用者本人の意思決定を支える立場として、まずは自分自身や家族のことについて考えてみて、病気になったときにどのような医療を受けて、どのように過ごしたいのか、自分の意思を明確にしておくことも大切です。
不安や揺れ動く気持ちに寄り添い、利用者が望む最期の過ごし方が出来るように、そして家族がそれに沿って介護出来るように、1人の「最期のとき」を尊重して介護する姿勢が大切になります。
私も介護福祉士になるための学校に2年通い、今まで考えなかった「最期のとき」について真剣に考えるようになりました。今健康でその生活がずっと続くような気がしても、いつ何が起こるかわからない現実を知り、母と一緒にエンディングノートを書きました。そして「もしも」のときに備え自分の考えや母の考えを話せたのは良かったなと思います。エンディングノートは考えが変われば書き直せばよいので、現在の思いを話し残していく事は大切なことだと思います。
2⃣「最期のとき」の受容プロセス
人にとって「亡くなる」ことは、自らが経験のないことで、亡くなることに対する感情や捉え方は一様ではありません。様々な不安や恐怖、残された時間が少ないことへの焦りなど、心理的変化が考えられます。
3⃣キューブラーロスの終末期にある人の受容プロセス
キューブラーロスは米国の精神科医で、亡くなる直前(臨死期)の重症患者から直接面接と聞き取りを行い、その心理過程をまとめました。その結果、亡くなることを受容するまでに5段階のプロセスがあると示しています。
キューブラーロスの「受容」までの5段階は、一方向ではなく、必ずしもこの通りの経過を辿るものではありません。
これまでの生活歴、家族歴、死に向かう原因や状況、価値観などにより、亡くなる恐怖心や不安の理由がそれぞれ異なるように、受容までのプロセスも多様になります。
4⃣「最期のとき」を受容する段階
亡くなることへの不安や恐怖、葛藤に苦しんでいる人を支えるのは、最新の医療ではなく心のケアです。1人で苦しみながら亡くなっていくのではないかといった不安や、自分らしさを失ってしまうのではないかといった不安など、その背景を把握することから利用者の置かれている状況の理解にも繋がります。
残された貴重な時間をどのように過ごすかによって、最期にいい人生だったと思えるかどうかに影響します。人の痛みを感じることができ、人の痛みに寄り添いながら、利用者が何を求め何を望んでいるのか、最期の一瞬まで何がその人らしい生き方かを一生懸命知ろうとする誠実さが大切です。
そして、自らの価値観を持ちながら、他者の価値観を尊重し、受け止める真摯な姿勢が介護福祉職として求められるのです。
利用者がどのような状況であろうとも、今ここにいることに価値があり、意味あることであると理解し、利用者の全てを受け止めることが必要となります。
たとえ重篤な状況でコミュニケーションを図ることが難しい状態になったとしても、すべて尊い人なのです。
利用者の状況がどのようであっても、あるがままを受け入れることから介護は始まります。「受容」することは、人間の尊厳を守ることで、個人の尊重といった意味でも大切です。
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