こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今回は「人間と理解」の中から『ジョハリの4つの窓』について書いていきます。
その人らしさの尊重とは?
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自己覚知
1⃣自己覚知とは
「自己覚知」とは、自分についての理解を深めていくこと、特に自分の内面について深く知るということです。
私たちには、表面化していない「意識」があります。
日常の言動は、こういった潜在意識(自覚されないまま潜んでいる意識)にも影響を受けていることになります。
自分を理解することは難しいということを前提にして、自分について理解を深めようとする態度や努力が必要です。
具体的に言うと、
- 「自分がどのような考え方、価値観を持った人間なのか」
- 「どのような性格傾向があるのか」
- 「言動にはどのような特徴があるのか」
など、自分について知ることが求められています。
対人援助職である介護福祉職にとって、自己覚知はとても重要なことであるといえます。
2⃣自己覚知を深める3つの方法
自己覚知を深めていく方法は、
- 「注意深く自分の言動やこころの動きを振り返り観察する」
- 「心理テストなどの結果を分析する」
- 「他者とのかかわりの中で他者がどのように自分を捉えているか確認する」
など、さまざまな方法があります。
そういった方法を積み重ねることによって、少しずつ自分の内面を知ることが出来ます。
ジョハリの4つの窓
ジョハリの窓とは、4つの自分の姿を知り、自己開発に役立てる心理学モデルの1つです。
下記の図にあるように、自分自身が見た自己と、他者から見た自己の情報を分析することで、自己を理解するというものです。
1⃣開放の窓
「開放の窓」とは、自分も他者も知っている領域です。
自分も他者も共通に理解していることが含まれます。私たちは、普段はこの領域を通じて他者と関わっています。
2⃣秘密の窓
「秘密の窓」とは、自分は知っているが、他者は知らない領域です。
他者に知られたくないこと、あえて秘密にしていること、他者が気付かないことが含まれます。
3⃣盲点の窓
「盲点の窓」とは、自分は知らないが、他者が知っている領域です。
自分は気が付いていない、意識していないけれど他者はわかっているということが含まれます。
例えば、自分では癖はないと思っていても、他者は多くの癖に気付いているということがあります。
4⃣未知の窓
「未知の窓」とは、自分も他者も知らない領域です。
自分や他者が知るようになってはじめて、今まで隠れていた未知の領域があったと気が付くことになります。
実際にこの領域があるかどうかは明確にはなりませんが、私たちはこの領域があると考えることによって、自分と他者への関心を高めていくことが出来ると考えられます。
この4つの領域を使い分ける縦と横の境界線は変化します。
例えば、「盲点の窓」があることを認識して他者と関わり、他者から受ける評価や指摘を自分の中で吟味して確認していきます。そうすると、その内容は自分も他者も知っている領域、「開放の窓」に移動することになります。
また、他者も知らず、自分も意識化していないことが「未知の窓」に潜んでいることになります。自分には、「自分も他者も知らない未知の領域」があるという認識を持つことが、自己覚知を深める動機となることもあります。
このように自分が知る領域を拡大していくことで、上記の図でいえば、縦も境界線を右に移動させていくことが出来れば、自己覚知が深まっているということが出来ます。但し、境界線が右端まで移動することはない、つまり自分について完全に全てを知ることはできないと理解することが必要です。
自己開示
1⃣自己開示とは
「自己開示」とは、コミュニケーションを通じて、自分の情報を他者に提供することです。
自分について話すことは、他者が自分に対して親しみや関心を持ち、自分についての理解を深めることに繋がります。そのことで、他者もまた自己開示をしていくのです。
その相互の関係によって、互いの理解が深まっていくことになります。
2⃣自己開示と相互理解の深まり
自己開示の適切な内容やタイミングは、自分と他者との関係性によって異なってきます。
互いに出会って間もない段階で、急に自分の詳細なプライバシーを明かしても、相手は戸惑ったり、違和感を持つかもしれません。
また、相手が自分に関心をあまり抱いていないうちに、積極的に自己開示を行っても、その情報が正確に伝わらなかったり、マイナスな印象を与えることになるかもしれません。
相手が関心を向けた内容や程度に合わせて、どのように自己開示していくのかを吟味する必要があります。人間関係の深さに応じた自己開示が求めらます。
つまり、他者のことを知り、人間関係を深めていくためには適切に自己開示を活用することが必要となります。そして相手が自分についての理解を深めることによって、相手も「秘密の窓」を開き、相互に理解が深まることになります。
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変化の可能性
人間関係を形成するには
- 「変化の可能性を信じること」
- 「自覚すること」
が必要です。
1⃣自分の変化
私たちは常に変化している存在であり、自分も他者も刻々と変化していくものです。
例えば、第1印象で他者に対して否定的な感情を持つと、そこから人間関係を発展させていくことが困難なことがあります。しかし、第1印象でその人の全てを捉えることはできません。
否定的な感情は、自分自身の認知が影響しているといえます。
そのため自分の認知が、否定的なものから肯定的なものへとこれから変化していくかもしれないと気が付くことが出来ると、人間関係を発展させていくことにも繋がります。
自分の変化の可能性を信じることが出来るかどうかがその後の人間関係に影響することになります。
2⃣他者の変化
他者も変化する可能性があることを信じることが人間関係を発展させていくことに繋がることがあります。
相手が否定的で、会話しようにも取り付く島もないという状況になることがあります。しかし、他者も変化する可能性があると信じていれば「相手がいつかは変わるかもしれないから、それまで辛抱強く待とう」と考えたり、関わりを工夫したりすることで相手の態度が変わることを期待します。
3⃣社会の変化
自分と他者を理解するには、社会の様々な考え方や、考え方の変化に敏感になることも求められます。社会の考え方も日々大きく変化しているのが現代社会です。
自分や他者の考え方もまた、それらに影響されて変化しています。
逆に言えば、私たちの考え方の変化が、社会の考え方や、それを元にした社会制度、社会規範の変化の基盤となるとも言えます。
社会の変化と自分や他者の変化を敏感にとらえることが、人間関係を発展させながら、相互理解を深めていくために必要なことと言えるでしょう。
例えば、LGBTの人々の権利や障害者との共生思想について考えてみます。
これらの事が社会の中で議論されるようになったのは、ごく最近の事といえます。大きな社会の変化がそこにはあるといえるのです。
しかし、社会が全て一様に変わったわけではありません。事の善悪を別にしても、これらの変化に否定的だったり、これまでの差別的な主張をすることも、1人の人間の意見としては排除するべきではないと考えられます。
社会が全て同じ意見になることなど有り得ないことなのです。
その人らしさの尊重
自己開示の適切な内容やタイミングは、自分と他者との関係性によって異なってきます。
「自分らしさ」や「他者らしさ」には、人間としての尊厳、人間らしさという側面と、個々人の具体的な暮らしや人生におけるその人らしさという側面があります。
- 「人間としての尊厳」
- 「人間らしさ」
には、私たちが暮らしている現代社会で、共通に認識されている人権の保障や人としての生活に関する様々な権利の保障が含まれています。
それが前提となり、1人ひとりの権利が保障され、尊厳が保たれた生活を営むことができ、具体的な個々人のその人らしさの実現に繋がるといえます。
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