介護ラボのkanaです。今回は災害時に必要な対応をまとめていきます。災害は突然のことで不安や混乱でどう行動してよいのかわからないことが沢山あると思います。そんなときの「困ること」「心配なこと」について書いていきます。
災害時の多職種協働、難病の人の連携
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災害時の多職種協働
(1)災害時のおける多職種協働の必要性
普段の生活でも多職種協働の視点は大切ですが、災害時において特に注意する必要があるのは『継続性を保つこと』です。
被災地には様々な地域から様々な職種の人が支援にやってきます。しかし、それらの人は被災地にいられる時間が限られており、いつかは帰っていきます。
そして、その人達と入れ替わりで他の人たちが支援にやってきます。メンバーが変わったからといって、それまで行われていた支援が途切れてしまっては意味がありません。メンバーが変わっても支援の方針や内容が継続される必要があります。
記録は勿論の事、ミーティング等でも客観的に情報提供や情報交換をしていくことが求められます。
(2)多職種協働の際の注意点
❶災害時における体系的対応
災害時は、事前に医療チームの活動目的を絞って現場にのぞむことは困難です。その先々にいる人々の要求を分析し、適切に対応することが求められます。その時に重要なのがCSCAです。
- CSCAとは?
-
災害の直後に取るべき行動を示したもの。多職種協働の際に用いられる共通言語です。それに基づき、生活支援の専門職として行動する必要があります。
❷情報を伝達する際の留意点
多職種協働の必要性が分かっていても、コミュニケーション不足やお互いの知識不足により、連携がうまくいかないことは沢山あります。
災害という非常事態でもあるため、いつも以上に、
- 『報告・連絡・相談』
を心掛け、簡潔に情報を伝えるようにしましょう。
その時に意識しておくとよいのが『SBAR』です。
いざというとき、焦ってうまく伝えられないことがないよう、普段からSBARを意識することが必要です。
❸CSCAとは
- ✅CSCA
- Command&control(指揮・統制)
・災害現場では各職種・各機関ごとに指揮官が任命されます(commander)。
・また災害現場の総括式は単一の期間が担当し、この期間が現場の統制(control)にあたります。災害現場では、医師及び医療チームは医療指揮官の指示に従い、各々独自の考えでの行動は慎まなければなりません。
Satety(安全)
・災害時には救助者自身、災害現場、傷病者(生存者)の安全が考慮、確保されなければなりません。
・救助者自身の安全が最重要であり、そのために個人装備・防護具の条件は大切です。救助者の安全が確保できない状況であれば、たとえ要介護者がいようとも災害現場に入るべきではなく、状況によっては退避を行うことも必要です。
Communication(情報伝達)
・医療指揮官は他機関の指揮官と密に情報交換を行い、災害発生場所、規模、種類、危険性から傷病者と重症度を把握あるいは予測し、それに見合う現場地対応を立案することが必要になります。
・情報を共有し、各機関及び他機関で確認、指揮官あるいは統制機関が調整することで、効果的な災害対応が実践されます。
Assessment(評価)
・情報をもとに災害対応が決定されますが、この評価は完全に正確である必要はなく、経時的に評価、修正されればよい。
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❹CSCAに基づく医療と介護の連携
C:指揮に従い、独自での行動は慎む
S:救助者自身の安全が最重要
C:情報共有することで効果的な対応をする
A:適時評価を市、対応を修正する
⇅
⇒医療・トリアージ
・治療
・搬送
⇅
⇒介護・健康管理:感染対策、生活不活発病の予防
・生活支援:介護
・連携:多職種、専門機関へのつなぎ
❺SBARとは
- ✅SBAR
- Situation(状況)
利用者の状態、その場所を簡潔に伝える
Background(背景)
利用者の既往歴や病気の経過など、S(状況)を補足する内容を伝える
Assessment(評価)
S(状況)とB(背景)を踏まえ、そこから導き出した自分の考え(何が問題か)を伝える。※診断ではない
Recommendation(提言)
上記の3つを踏まえ、何をして欲しいのか(どうして欲しいのか)をはっきり伝える。
(3)主な連携内容
①地域住民との連携
避難所には、基本的にその地域の人が集まります。もともとその地域にいた人なので顔見知りの場合もありますが、避難所という新たな場所でコミュニティを再構築・創造することが必要となります。
重要なのは、その地域の自治会長など影響力のある人の協力を得ることです。
地域にはその地域独自の『輪』があります。支援者はずっとその場所にいるわけではなく、いつかは居なくなる存在なので、地域の輪を乱さずに支援し、自分たちが居なくなった後もより良い状況にすることが望まれます。
地域で影響力がある人の協力を得られれば、情報伝達や必要な物資の手配などがスムーズにいくこともあるので、地域にあった支援を展開することが求められます。
②医療機関との連携
災害直後は、DMATが中心となって人命救助にあたりますが、時間が経つと、各避難所に保健師が配置され、健康に関する相談に当たります。
※DMATとは:大地震や航空機、列車事故といった災害時に被災地に迅速に駆け付け、救急治療を行う専門的な訓練を受けた医療チームのこと。
介護福祉職は、普段接している被災者の人の様子を見て、必要な情報を保健師に伝える役割があります。
避難所は感染症が流行しやすい環境ににあるので、介護福祉職は人々の生活支援をする中で、普段との様子の違いにいち早く気付ける立場にあります。
- 「いつもと違うな」と気づいたら早急に医療職に繋げる必要があります。
③公共機関、事業所等との連携
・避難所やマンホールトイレの設置などは、行政機関が行う
・行方不明者を探す場合は、警察への届け出や情報提供が必要。
・火事や救急の場合は消防への連絡が必要
事業所の連携として、福祉避難所にどの程度の人を避難させるかという取り決めをあらかじめ行い、それを共通認識として持っておく必要があります。
災害が起きてから「この人はうちの避難所ではない」とたらい回しにされることがないよう、ある程度の決め事をしておくことが必要です。
④難病の人の連携(在宅酸素療法・人工呼吸器・透析)
人工呼吸器を使っている人の場合、電力会社にあらかじめ伝えておくことで、停電の情報を事前に提供してもらえたり、いち早く電力を復旧してもらえたりします。また搬送が必要な場合に備えて、消防署に伝えておくことも必要です。
- 在宅酸素療法を行っている人の場合は、緊急時に酸素ボンベの切り替えが出来るように、取扱業者から在宅酸素療法に関する研修を受けておくことが必要です。
- 人工透析を行っている人の場合、災害時は掛かりつけの病院で透析を受けられないこともあります。他の病院で透析を受けられるよう自分の透析情報を医師に確認してメモを持ち歩いたり、災害時の食事管理について、普段から医師や栄養士と相談しておくことが必要です。
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