こんにちは
介護ラボ・kanalogのカナです。今回は・・・
日本介護福祉士会の生涯研修制度の体系図とは?
大きく4つに分けられるので、今回は1つ目の「日本介護福祉士会」、次回ほかの3つをまとめたいと思います。
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日本介護福祉士会とは
専門職能団体を知っていますか?
あまり聞きなれない言葉だと思います。世の中には多くの国家資格があります。介護福祉士をはじめ、社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・理学療法士・作業療法士・栄養士・医師など、私たちに関係する介護・福祉・医療においても資格がたくさん存在します。
これらの専門職は、その知識や技術がそれぞれ違い、役割なども違います。在学中に学び、国家試験に合格さえすればどんな現場でも通用する介護福祉職になれるわけではありません。常に技術や知識を時代の変化に合わせて向上させなければ専門性を向上させることができません。
自分たちの資格の専門性を常に向上させるために、研修会をはじめとする様々な取り組みを行っているのが専門職能団体です。医師には医師会、看護師には看護協会、介護福祉士には介護福祉士会が存在しているのです。
また高齢者の介護現場、障害者の現場、医師の現場、介護福祉養成施設(学校)の教員等、介護福祉士として活躍する現場は様々です。違う領域の介護福祉士たちが集い、意見交換をしたり、学び合ったりできる場所、それが専門職能団体なのです。
日本介護福祉士会は、1994年(平成6年)に設立しました。「公益社団法人」という、広く国民の利益につながるような、学術・文化・教育や福祉など公益事業を目的とする、国が認めた法人の認定を受け、専門職能団体として活動に取り組んでいます。
日本介護福祉士協会は、「国民の福祉の向上」を最大の目的とし、誰もが安心して暮らすことのできる社会づくりを目指し、1994年(平成6年)に発足しました。
- ✅日本介護福祉士会の主な活動
- ① 生涯研修の推進
② 制度・政策の検討
③ 調査・研究の推進
④ 学術研究の推進
⑤ 出版事業の推進
⑥ 福利厚生
⑦ 災害支援活動
47都道府県ごとに拠点があり、介護福祉士の質を高めるための研修会や、介護の日(11月11日)を中心とした介護のPRイベント、これから介護福祉職や介護福祉士を目指す方へのサポートなど、幅広い事業を全国各地で行っています。
(1)生涯研修の推進
専門職は資格を取得してからも学び続けることが必要です。
- ✅生涯研修の推進
- 社会福祉士及び介護福祉士法
(資質向上の責務)
第47条の2
社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化によ業務の内容の変化に適応するため、相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。
●日本介護福祉士会の沿革
1987年(昭和62)社会福祉士及び介護福祉士法の制定
1994年(平成6) 日本介護福祉士会設立
1995年(平成7) 日本介護福祉士会倫理綱領の制定
2000年(平成12)社団法人日本介護福祉士会(社団法人化)
2013年(平成25)公益社団法人日本介護福祉士会(移行認可で公益社団化)
●日本介護福祉士会の目的
介護福祉士の職業倫理の向上、介護に関する専門的教育及び研究を通して、その専門性を高め、介護福祉士の資質の向上と介護に関する知識、技術の普及を図り、国民の福祉の増進に寄与する。
有資格者として、常に求められる役割や期待の応えるためには、現場実戦の経験を積み重ねながら、新しい情報・知識・技術を取り入れなければなりません。
そのために、資格を取得して経験が浅い人を対象にした研修、中堅やベテランの人を対象とした研修、リーダーを養成する研修など、段階や領域に応じた研修体系を整理し、全国の都道府県介護福祉士会で実施されています。その研修にあたって、講義を担当する講師を養成する研修や、使用するテキスト教材の作成なども行っており、全国で行われる研修の質が一定に保たれるようにしています。
- ✅日本介護福祉士会の生涯研修制度の体系図
- 無資格
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介護職員初任者研修
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介護職員実務者研修
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介護福祉士資格取得
⇓
介護福祉士基本研修(実務経験2年未満)
⇓
ファーストステップ研修(実務経験2~3年程度)
⇓
認定介護福祉士養成研修
●職能的研修
・実習指導者養成講習会
・サービス提供責任者研修
・各種講師養成研修
・認知症専門研修 など
平成30年度より
・多職種連携等に関する研修
・介護課程の展開を強化する研修
・地域経共生社会に関する研修(旧:障がい領域研修)
・仮)ファーストステップフォロー研修
(29年度モデル研修:リーダー業務に従事しはじめた介護福祉士研修)
① 介護福祉士基礎研修
介護福祉士基礎研修(25時間)は、介護福祉士資格取得2年未満の初任者を対象とした研修であり、介護課程の展開を主とした、根拠ある介護実践に必要な視点や考え方を学ぶ研修です。
資格取得前の養成課程において、介護課程について学習しますが、その後の現場実践においては、学習したことと現場の現状にずれや違和感を感じることもあるでしょう。
また、現場の忙しさにより、学んだはずの基本的なことを忘れたり、感情が薄くなることもあります。この研修を通じて根拠ある介護を実践するために必要な、適切なアセスメントや介護計画の作成法などを振り返り、利用者の尊厳を保持し、自立支援を目指した介護サービスのあり方を学びます。
② ファーストステップ研修
ファーストステップ研修(232時間)は、介護福祉士資格取得後2~3年程度の中堅者を対象とした研修であり、ユニット単位等の小規模チームリーダーや、初任者の教育・指導の役割が担える人材を養成する研修です。
「ケア領域」「連携領域」「運営管理領域」といった、リーダー的役割を担う介護福祉士に必要な学習内容であり、的確な判断、対人理解に基づく尊厳を支えるケアの実践、小規模チームのリーダーや初任者等の指導係としての視点や技術を学びます。
時間数も前述の初任者を対象とした介護福祉士基本研修より多くなりますが、各科目に対して事前・事後のレポート作成を通じて、自らの現場実践や思考を言語化することにより、客観的な振り返りや考えを整理する機会になります。
また、スキルアップのために学び高めることの喜びや、業務改善に向かって努力・工夫しようというモチベーションアップに繋がる学びの場となります。
③ 認定介護福祉士養成研修
認定介護福祉士養成研修(600時間)は、介護福祉士資格取得後5年以上の介護福祉士を対象とした研修であり、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が、日本介護福祉士会をはじめとする介護・福祉業界の関係団体と連携しながら行う研修です。2016年度(平成28年)よりスタートしました。
この研修は、居宅(住宅)・施設系サービスを問わず、多様な利用者・生活環境、サービス提供形態等に対応して、より質の高い介護福祉の実践や介護サービスマネジメント、介護と医療の連携強化、地域包括ケア等に対応するための考え方や知識、技術等の修得を目的とした、高度な介護福祉専門職を養成する研修です。
認定介護福祉士には、介護福祉の高度な実践者としての役割は勿論のこと、リーダー級の職員を束ねるマネジメント能力を持つゼネラリストとして期待が寄せられています。
これらのほかにも、訪問介護(ホームヘルプサービス)におけるサービス提供責任者としてスキル向上を図る研修や、養成施設の学生の実習指導に関わる実習指導者養成講習や、外国人技能実習指導員研修など、介護福祉サービスの質を高め、指導育成する能力を身につけるための生涯研修制度があります。
このように継続的に学ぶ機会を設けることが、専門職としての介護福祉士の評価や信頼を高めることに繋がるのです。
日本介護学会
日本介護学会は、日本介護福祉士会が専門職能団体として、介護福祉士の職業倫理および専門性の確立などの更なる向上を目指し、介護の実践者による学術研究の場として2003年(平成15年)に設立しました。
介護福祉にかかわる学術的な研究を行い、専門的な技術・知識の向上を図り、豊かな福祉社会の実現を目指すものです。介護福祉士は勿論こと、介護福祉にかかわる各分野の実践者や研究者などが、学会員として構成しています。
おもな事業として、学術的な研究の成果を発表する日本介護学会の開催や、研究論文を集めた専門誌の発行などを行っています。
災害支援活動
日本においては、毎年のように水害や地震などによる大規模な自然災害が起きています。被災地において、特に高齢者や障害者など、災害弱者と呼ばれる人々の支援が必要とされます。
生活支援の専門職である介護福祉士を、避難所を中心とした場所に派遣し、被災者に寄り添いながら支援します。また、被災地の介護施設などで、施設職員自身が被災して人手不足になる場合もあり、ピンチヒッターとして被災地の介護現場に入ることもあります。被災者本位の支援を心掛け、あたりまえの暮らしを取り戻すための後押しをする事は、通常の介護における自立支援の考え方と同じです。
これからのおもな取り組み
日本介護福祉会においては、倫理綱領及び倫理基準(行動規範)において、会員それぞれが1人ひとりの心豊かな暮らしを支える介護福祉の専門職として、自らの専門的知識・技術及び倫理的自覚をもって、最善の介護福祉サービスの提供に努めることを宣言しています。専門職能団体として、様々な現場で活動している介護福祉士の継続的な教育を推進します。
介護福祉士全体の資質や能力の平準化を図りつつ、地域包括ケアシステムの中で、根拠に基づく質の高い介護福祉の実践を図るために、次の取り組みを行います。
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①介護課程を適切に展開できる介護福祉士の育成
資格取得後の実務経験が1~2年程度のものを対象とした介護課程の展開にスポットを当てた研修を会員全員に受講してももらうことを推進しています。
経験年数を問わず、介護施設・事業所において介護人材の中核を担うことが期待されている介護福祉士全員が、同じような内容の研修を受講できる環境を整備します。
②多職種と適切に連携できる介護福祉士の育成
今後、多職種連携を推進するためには、医療専門職やリハビリテーション専門職等を含む幅広い専門職の参加を得た事例検討等の研修を継続的に重ねることが重要です。
その際、医療・福祉各領域の言語を共通理解することが必要であり、体系的な研修を通じて、医学やリハビリテーションの知識、心理的支援・社会的支援の実践的な知識の強化を図ります。
③介護福祉職チームのマネジメント等が担える介護福祉士の育成
介護福祉職チームのリーダーは介護福祉士です。有資格者・無資格者・未経験者・外国人材など、多様な人材が支える介護現場において、そのまとめ役を介護福祉士が行います。
チームケアで質の高い介護サービスを提供するためには、マネジメントスキルが求められます。また、地域における様々な機関との連携を図るためにも、これらの能力が求められます。小規模チームのリーダー養成を想定した、ファーストステップ研修や、さらに高度な専門人材養成を目的とした認定介護福祉士養成研修の開催や受講支援を促進します。
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