介護の基本Ⅰ・Ⅱ

【❶介護従事者の健康障害】腰痛の発生と悪化させる4つの要因とは? vol.341

2021-05-20

こんにちは。介護ラボのkanaです。今日は「介護の基本」の中から『介護従事者の健康障害の現状』について、今日と明日の2回に分けてまとめていきます。

腰痛の発生要因

Contents

1.身体の健康管理
 1⃣介護従事者の健康障害の現状
 2⃣介護従事者の「痛みのある部位」は?
 3⃣腰痛
 (1)腰痛とは
 (2)腰痛の発生要因
 (3)腰痛を発症と悪化させる4つの要因
  ❶姿勢・動作に関係する要因
  ❷環境に関する要因
  ❸労働者個人の要因
  ❹心理的・社会的要因

1.身体の健康管理

1⃣介護従事者の健康障害の現状

特定の部位の負担

人や物を支える、持ち上げる、運ぶ際に、「前傾中腰姿勢」や、「長時間同じ姿勢を取る」「特定の部位に負担が掛かる」といった作業は、骨、筋肉、関節、靭帯などに過度の負担が掛かります。また、そのような負担は蓄積していきます。

少ない負担でも反復での繰り返し動作が多く、負担が持続すると、身体の組織は損傷するといわれています。介護労働はこのような作業が多いため、他の業種に比べ、作業への負担を感じやすい業種であるといえます。

厚生労働省が2017年(平成29)分としてまとめた「労働災害発生状況(確定)」によると、全産業の業務上疾病発生件数(労働災害も認められた休業4日以上の死傷災害に限る)は、ほぼ横ばいであるのに対し、社会福祉施設では年々増加しています。

特に、「腰痛」「頸肩腕障害」の訴え率は極めて高く、こうした身体の不調は離職の要因にもなっています。さらに最近では、職場のIT(情報技術)化の進展などにより、介護従事者もVDT作業が増えています。

VDT作業とは?

文字や図形などの情報を表示するディスプレイなどの出力装置と、キーボードやマウス、タッチ画面などの入力機器で構成される情報端末を使用して、データの入力、検索・照合、文章・画像等の作成・編・修正、プログラミング、監視などを行う作業のこと。

VDT作業による身体的疲労や精神的疲労などの健康障害が引き起こされる可能性が出てきています。介護従事者の健康悪化は、結果として、

「人的コスト」である

  • 介護従事者の休職や離職による人的不足の悪化
  • サービス・モラルの低下
  • 専門性の喪失

などや、「経済的コスト」である、

  • 医療費
  • 人員補充費
  • 広告費
  • 再研修費

などの増大に繋がります。

介護従事者の身体の健康管理として、健康障害の中で訴えの多い「腰痛」による発生要因と、予防・対策についてまとめていきます。

2⃣介護従事者の「痛みのある部位」は?

痛みの多い部位は?

◉腰部:90.1%
◉肩:68.9%
◉首:52.6%
◉背中:43.6%
◉膝:31.0%
◉手・手首:30.0%
◉足・足首:27.0%
◉大腿:21.8%
◉肘:17.1%

となっています。
※介護職員の腰痛対策等健康問題に関わる福祉用具利用研究会「介護職員の腰痛等健康問題に関わる福祉用具利用調査」2008年より。

3⃣腰痛

(1)腰痛とは
腰痛とは?

腰痛とは「腰部を主とした痛みや張りなどの不快感といった症状の総称」で、病名ではなく病気の症状の名前です。

腰痛は、単に腰の痛みだけでなく、臀部から大腿部後面・外側面、下腿の内側・外側から足背部・足底部に渡って広がる痛みやしびれ、つっぱりなども含まれます。

労働者に生じやすい腰痛には、

  • ぎっくり腰(腰部捻挫)
  • 腰椎症(椎体や椎間板などに原因が見出せない腰痛)
  • 椎間板ヘルニア
  • 椎体骨折
  • 座骨神経痛

などがあり、とくにぎっくり腰や腰痛症が多くみられます。

腰痛は様々な病気や身体の障害によって生じますが、原因が特定できない腰痛である「非特異性腰痛」が多く、腰痛の約85%はこの非特異性腰痛だといわれています。

腰痛には、作業中に瞬間的に腰部に大きな負担が掛かることで急に発症する「災害性腰痛(急性腰痛)」と、重量物の取り扱いや、不自然な姿勢での作業など、腰部に過度の負担が掛かる作業を数か月から数年以上に渡って行うことで発症する「非災害性腰痛(慢性腰痛)」があります。

(2)腰痛の発生要因

腰痛の発生や症状を悪化させる要因は、

❶姿勢・動作に関係する要因

❷環境に関係する要因

❸労働者個人の要因

❹心理的・社会的な要因

など様々です。次項で詳しくまとめていきます!!

(3)腰痛を発症と悪化させる4つの要因
❶姿勢・動作に関係する要因
姿勢・動作に関係する要因

◉重量物の持ち上げや運搬(押す・引く)などにより、腰部に強い負荷を受ける
◉人力による利用者の抱え上げにより腰部に強い負荷を受ける
◉不自然な姿勢や動作をしばしばとる(前屈、ひねり、うっちゃり姿勢など)
長時間同じ姿勢を続ける(拘束姿勢:立ちっぱなしや座りっぱなしなど)
◉急激または不用意な動作を取る
など。

❷環境に関する要因
環境に関する要因

◉身体を冷やす(寒い)
◉湿度が高い
◉自転車の運転などで振動や衝撃を受ける
◉床面が滑りやすい
◉段差がある
◉障害物がある
照明が暗い
◉作業空間が狭い、散らかっている
◉設備や備品の配置が不適切
◉休む時間や場所がない
など。

❸労働者個人の要因
労働者個人の要因

◉年齢
◉性別(一般的に高齢者や女性は、男性より筋肉量が少ないため身体的負担が大きくなる)
◉体格(環境が合っていない、相手と身長差がある(利用者や2人介助時の一方の介護者など)
◉筋力やバランス能力が低下している
◉介護の専門的知識・技術が習得できていない
◉腰痛の既往症、基礎疾患(骨、関節、靭帯、内臓等の疾患)がある
など。

❹心理的・社会的要因
心理的・社会的要因

◉仕事への満足感や働き甲斐が得にくい
◉利用者とのトラブルがある
◉上司や同僚との関係にストレスを感じている
◉責任を課せられている
◉過度な長時間労働となっている
◉激しい疲労感がある
◉能力と適性に応じた職務内容となっていない
など。

このように、腰痛は個人の問題として捉えられがちですが、腰痛の多くは1つの要因だけで発症・悪化しているわけではなく、多くの要因が複雑に影響し合って発症・悪化しています。

腰痛

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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