こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『孤立死防止のための4つの取り組み』について書いていきます。
孤立死ゼロ・プロジェクト
Contents
1.孤立死の防止
1⃣孤立死の問題
2⃣孤立死ゼロ・プロジェクト
◉孤立死防止のための4つの取り組み
2.まとめ
1.孤立死の防止
前回まとめた「社会的な擁護を要する人々に対する社会福祉の在り方に関する検討会」報告書で、現代の社会福祉課題の1つとして「孤立死防止」の取り組みがあげられているように、防止の取り組みが喫緊の課題となっています。
孤立死は、高齢者や特定の地域のみの課題ではなく、中年層を含めてどの地域でも起きている問題です。
例えば、1960・70年代に大都市近郊に相次いで出来た「ニュータウン」は、50年を経て子どもたちが家を出たために急速に高齢化が進み、独居高齢者や高齢者夫婦のみ世帯の割合が増え、孤立死防止が大きな課題となっています。
国全体で見ると、2040年には、
- 全世帯の17.7%が高齢者の単独世帯
- 全世帯の13.5%が高齢者夫婦のみ世帯
になるという推計があるように、孤立死の問題は今や特定地域の特別な問題ではなくなっており、全国民的課題といってもよいでしょう。
1⃣孤立死の問題
孤立死は、大家族制や濃密な近隣関係がある時代にはあまり問題になりませんでしたが、それからの喪失により目立つようになってきました。
これまで、
- 消防署や警備会社等との連携による市町村の緊急通報システム
- 公営住宅での生活援助員(LSA:ライフサポートアドバイザーの設置)
- 老人クラブ会員による友愛訪問
- 民生委員による定期的訪問
- 社会福祉協議会の小地域ネットワーク活動による近隣住民の見守り活動
- ボランティアなどが行う配食サービスの配達時の安否確認
- 電気・水道・ガス灯の健診の際の安否確認の異常やデータの通報
- 郵便の手渡しによる安否確認
- 入院量や新聞配達時の安否確認
- 人感センサーの活用
など、官民をあげて様々な取り組みが行われています。
2⃣孤立死ゼロ・プロジェクト
国においても、厚生労働省を事務局に関係各省庁が加わり、2007年(平成19年)に「孤立死ゼロ・プロジェクト」がスタートしました。
もとより、孤立死防止は、それぞれの地域の特性に応じて展開されることから、同プロジェクトも一律の基準により補助金を出すというような事業ではなく、
- 「高齢者等が1人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議」
の設置によるコミュニティづくりに対する提言や、
- 「孤立死ゼロ・モデル事業」
による自治体における取り組みの在り方の研究などを進めました。
- ◉孤立死防止のための4つの取り組み
- ❶の視点【外に出て活動しやすい環境】
(1)住宅、共用部のバリアフリー化
(2)店舗、施設及び移動経路などのバリアフリー化
❷の視点【店舗や施設と住宅との近接性】
(1)都心部での高齢者向け住宅の整備
(2)住宅に近接した場所での施設等の立地誘導
❸の視点【帰属できるコミュニティ】
(1)コミュニティ活動の拠点となる施設の整備
(2)コミュニティを支える活動の活性化
❹の視点【万一に備えた見守り】
(1)福祉施策との連携
(2)緊急通報手段の確保
(3)見守り等の生活支援活動の活性化
※出典:国土交通省住宅局環境整備室「第1回 高齢者が1人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議 国土交通初説明資料」(平成19年8月28日)をもとに作成
孤立死防止というと、上記の表❹のように、「万一に備えた見守り」を中心に考えがちですが、本来は❸の「帰属できるコミュニティ」の存在が不可欠であり、そのためには❸の(1)の「拠点となる施設の整備」も必要になります。
さらに、❶のように「外に出て活動しやすい環境」の整備も必要とされています。
上記の表に挙げられているように、コミュニティづくりの活動と、それを進めるための環境整備を広く行ったうえで、まさしく「万が一のことが起きたとき」に備える仕組みをつくるという姿勢が必要です。
この視点に立つと、ハード面のまちづくりや、環境整備が孤立死の防止にも繋がることが理解出来るでしょう。
2.まとめ
2012年(平成24年)4月には、「地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等について」(厚生労働省社会・擁護局地域福祉課長通知)が発出され、各省庁から、それまでバラバラに発出されていた孤立死防止の取り組みに関連する通知を改めて一体的に示し、地方自治体内の各部署が連携して孤立死防止に取り組むことを要請しました。
福祉住環境コーディネーターとしては、閉じこもり防止策とも共通することではありますが、「外出しやすい環境づくり」、あるいは、「地域活動の拠点整備等での役割の発揮」が期待されます。
特に、拠点整備では、既存施設の有効活用が現実的な対応策であり、高齢者に配慮した改修の提案や、地域の中で活用可能な建物を探し出すことなども期待されています。
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