コミュニケーション技術

【❷構音障害のある人へのコミュニケーション技術】6つのコミュニケーション方法 vol.443

2021-08-30

こんにちは 介護ラボのkanaです。コミュニケーション技術の中から『構音障害』について。昨日はコミュニケーション支援、今日はコミュニケーション技術の2回に分けてまとめていきます。

口の体操4種類

Contents

1.構音障害のある人に対するコミュニケーション技術
 1⃣基本的対応(ポイント2つ)
 2⃣6つのコミュニケーション方法
 3⃣口の体操4種類

1. 構音障害のある人に対するコミュニケーション技術

1⃣基本的対応 (ポイント2つ)

構音障害のある人に対するコミュニケーションで重要なポイントは2つあります。

1つは、構音障害の種類によって症状は多彩であるものの、いずれの場合も自分が言いたいことに近い音を発音することが出来るということです。したがって、相手の話をよく聞くことで、言いたいことの推測が出来ます。

もう1つは、通常は言語を理解して使用する能力には異常がないため、殆どの人は正常に読み書きができます。したがって、言いたいことがどうしてもわからない場合は、最終的には文字で書いてもらうという方法を取ることができます。

構音障害のある人は、自分の話がどれだけ相手に伝わっているのか、あるいは伝わっていないのかが、自分でわかっていないことが多いものです。

話しながら焦ったり、イライラしたりして、余計に収拾がつかなくなることもあります。次項の6つのコミュニケーション方法を使い工夫しながら促すことで、会話が上手くいくことがあります。

2⃣6つのコミュニケーション方法

❶短く、ゆっくり話してもらう

❷姿勢を安定させて話してもらう

❸静かな環境のもとで話を聞く

❹「閉じられた質問:クローズドクエスチョン)を使う

❺もう1回言ってくださいと促す

❻聞き取れた部分をこちらが繰り返して言う

❶~❻について次項で細かく書いていきます。

  • ❶短く、ゆっくり話してもらうように促す ▶ 短い言葉に区切り、ゆっくり話してもらうことでこちらの理解が進みます。話のキーワードが掴めるので、質問もしやすくなります。
  • ❷姿勢を安定させて話してもらう ▶ お腹から空気をゆっくり出すような姿勢で声を出すと、本人が思っている以上に声は大きくなります。「大きい声になった」と本人にも告げて気付いてもらうことも大切です。
  • ❸静かな環境のもとで話を聞く ▶ テレビの音量を下げる、扉を閉めるなど、ゆっくりと話せる雰囲気をつくることで気持ちも落ち着きます。
  • ❹「閉じられた質問:クローズドクエスチョン」を使う ▶ 「はい」「いいえ」だけで答えてもらう閉じられた質問を使うことで話題を絞っていきます。
  • ❺もう1回言ってもらうよう促す、❻聞き取れた部分をこちらが繰り返して言う ▶ 聞き取れなかった時は「もう1回言ってください」と促します。それでもわからない時は、聞き取れた部分をこちらが繰り返して言ってみましょう。相手は分からなかったところだけを言い足してくれるようになるので、お互いの理解が進みます。

3⃣口の体操4種類

構音障害は嚥下障害を伴いやすいので、下記の嚥下体操を兼ねた発生発語器官の体操を定期的に行うことは非常に効果的です。

高齢者の場合は、義歯・入れ歯がない、あるいは義歯が合わないために呂律が回らなくなってしまうこともあります。そのような時は、義歯を入れたり、調整したりすることで、聞き取りやすくなる場合があります。

口の体操❶

【 口の体操❶ 】
1 目をしっかり閉じて、唇を横に引き頬を上げる
2 目をパッチリ開けて、口を思いきり開く
3 口をしっかり閉じて、左右交互に顔(頬)を膨らませる

口の体操❷

【口の体操❷】
1 頭を大きく左右に傾け、首を伸ばす
2 両肩を上げたり、下げたりする
3 呼吸を整え、唾液をごっくんと飲み込む

口の体操❸

【口の体操❸】
「パ・パ・パ・パ」「タ・タ・タ・タ」「カ・カ・カ・カ」「ラ・ラ・ラ・ラ」を大きく、はっきり発音する(繰り返し行う)

口の体操❹

口の体操❹
1 舌を前後に出したり引っ込めたりする
2 舌を前に出し、左右に動かす
3 舌を前に出し 、上下に動かす
4 舌で回りをなめるようにぐるっと回す

構音障害が重度の場合は、

  • 文字や絵を書いたボード
  • 50音表などの文字盤を使った指差し
  • キーボードと画面を備えたコミュニケーション機器

などの使用も検討することが必要です。

いずれもその人が使えるかどうかを確かめながら導入すること、定着するまでの一定期間は練習することが重要です。

コミュニケーション

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
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