障害の理解

【❶聴覚・言語障害】聴覚障害の原因と理解、難聴の4分類とは? vol.256

2021-02-24

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「障害の理解」の中から『聴覚・言語障害』について、今日から3回に分けて書いていきます。

高齢者に多い感音性難聴について

Contents

1.聴覚障害とは?
 1⃣聴覚の程度による4分類
 2⃣聴覚の障害3分類(難聴の分類)
 3⃣先天性難聴と後天性難聴
2.障害の特性の理解
 1⃣成長発達過程における理解
 2⃣コミュニケーションの制限による困難

1.聴覚障害とは?

聴覚障害とは

聴覚障害とは、音の伝導にかかわる聴覚が損傷を受けて、音による情報が得られない状態です。聴力は、オージオメーター(聴力検査機)を用いて計測でき、聴力の程度や障害の部位を知る手が掛かりになります。聴覚障害は、聴覚の程度や障害の部位、発症の時期により分類されています。

1⃣聴覚の程度による分類

難聴とは、音が聞こえにくい状態をいい、聴力検査の音の強さ(db:デシベル)により、

  • 軽度難聴
  • 中等度難聴
  • 高度難聴
  • 重度難聴

の4つのレベルに分類されます。

失聴(ろう)とは

失聴(ろう)とは、全く聞こえない状態のことをいいます。

2⃣聴覚の障害3分類(難聴の分類)

聴覚の障害3分類

聴覚の障害を受ける部位により、「伝音性難聴」「感音性難聴」「混合性難聴」に分けられます。

  • 伝音性難聴外耳から中耳の間で、音を振動として伝える部位(伝音器)に支障をきたした状態です。主な原因には「外耳道に耳垢が溜まる」「鼓膜が傷つく」「中耳に水や膿が溜まる」「耳小骨の損傷」があります。※原因となる耳垢や膿を除去することで難聴は改善されます。
  • 感音性難聴内耳から聴神経の間で音を電気信号に変換して脳に伝える部位(感音器)に支障をきたした状態です。主な原因には「遺伝子の異常」「妊娠中のウィルス感染」「薬剤の副作用」「頭部外傷」「騒音」「加齢(老人性難聴)」があります。音の伝達を補うためには補聴器を用いたり、治療や手術により改善できない場合、人工内耳を装用したりすることがあります。
  • 混合性難聴:伝音性難聴と感音性難聴が同時に引き起こされた状態です。

3⃣先天性難聴と後天性難聴

障害の発症時期により、「先天性難聴」と「後天性難聴」に分類されます。後天性難聴のなかで、完全に聞こえなくなった状態を中途失聴といいます

先天性難聴

先天性難聴は、生まれた時から聴覚に障害が生じている状態です。主な原因には「遺伝子の異常」「妊娠長のウィルス感染」「低体重児」「薬剤の副作用」があります。
※先天性難聴は、新生児約1000人に対して1人の確率で見られるといわれます。

後天性難聴

後天性難聴は、生まれた時には正常であった聴力が、その後の成長過程において、様々な原因により聴覚に生じた状態のことをいいます。主な原因には、「感染症」「薬剤の副作用」「頭部外傷」「騒音」「加齢」「ストレス」があります。
※原因となる感染症のうち、特に流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と細菌性髄膜炎は、難聴の発症頻度が高いと言われています。

2.障害の特性の理解

聴覚障害は、耳から音の情報を得ることが出来ないため、成長発達段階や日常生活上で支障が伴います。しかし、聴覚に障害を受けた時期や程度には個人差があります。そのため、1人ひとりを理解し、多職種と連携を図りながら適切にかかわり支援する必要があります。

1⃣成長発達過程における理解

人は生後2,3カ月で言語を獲得する前段階の喃語を発し、その後の成長過程において周囲の音を聞き取り、段階的に言語を獲得します。先天性難聴である場合、自分で発した喃語を楽しむことや周囲の人の声を聞き取り、意味のある言語を獲得する機会が阻害されます。

乳児の発達状態は声や反応からも分かり、重度の聴覚障害がある場合には異常が顕著に現れるため、生後早い段階で発見されます。一方、中・軽度の聴覚障害では、発見が遅れる傾向があります。幼児期以降では、実用的なコミュニケーションが図れなければ、就学、就職などに影響が見られます。

後天性難聴では、言語発達への影響は少ないのですが、新たな情報を円滑に活用することは難しくなります。 また、障害受容の過程であ絶望や混乱、不安度もあるため、精神面での支援のほか、それまでの生活の継続への支援が必要となります。

2⃣コミュニケーションの制限による困難

聴覚障害は外見から障害の有無や状況がわかりにくいため、周囲の人から障害について理解が十分に得られないことがあります。他者からの問いかけに対して適切な反応や行動がとれないと、
・無視している
・やる気がない
など、誤解を受けやすくなります。障害のある人は、遠慮や疎外感、孤立感、劣等感などの精神的苦痛によって、行動範囲が縮小するなど日常生活での孤立に繋がります。

生活の場面では、電車やバスで「遅延のアナウンスが聞こえない」、病院や役所での「呼び出しや説明が聞こえない」など、適切な情報が得られず生活上の困難が生じます。

さらに、道路を走行中、車のクラクションが聞こえないと事故に遭う危険性が高くなります。また、

  • 緊急時に警察や消防への連絡が取れない
  • 災害時に情報が伝わらない

など、非常時の情報伝達の困難さは、生命の危険に繋がります。現在、駅等では電光掲示板による情報の提供、災害時の自治体の対応などが少しずつ整いつつあります。

聴覚障害

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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