こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「発達と老化の理解」の中から『人格と尊厳』について書いていきます。
外集団均質性効果(ステレオタイプ)
Contents
1.人格権と尊厳
2.人格を尊重する態度
1⃣外集団均質性効果
3.高齢者における「老い」の価値転換
4.社会から見た「老い」とは
1.人格権と尊厳
「人格を無視された」という表現があるように、人格とは、単にとの人の性格傾向をあらわす言葉としてだけ使われるわけではありません。この場合の「人格」とは、人が誰でも持っている、社会から認められるべき価値をあらわしているといえるでしょう。それは「尊厳」と言い換えることも出来ます。
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法律では、その人が持つ
- 生命
- 身体
- 自由
- 貞操
などの、人の身体的側面に関する利益、及び
- 名誉
- 氏名
- 信用
- 肖像
などの、人の精神的側面に関する利益を総称して「人格権」といいます。
また、その前提として憲法第13条では、すべて国民は個人として尊重されることを定めて、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利に最大の尊重が必要であることをうたっています。
つまり、私たちは誰でも存在しているというだけで、人格が尊重される権利を持っているのです。人格を尊重し、尊厳を守るためには、人の生存それ自体に等しく価値を認める態度が不可欠です。
2.人格を尊重する態度
誰にでも人格権があるのに、なぜことさらに高齢者の人格や尊厳について言及する必要があるのかといえば、それは特に支援を必要としている高齢者の人格や尊厳が、必ずしも尊重されていない現実があるからです。
バトラー(Batler,R.N.)は、年齢を理由にした偏った見方をエイジズムと呼んで、高齢者に対して社会が偏った見方を置く持っていることを実証的に明らかにしました。
例えば、他の世代の恋愛については違和感を持たないのに、高齢者同士の恋愛には否定的な態度を持つ人は知らないうちに「高齢者になれば恋愛なんてしないものだ」という誤った考えを持っていると考えられます。
また、「年を取れば誰でも頑固になる」という思い込みも誤りです。
これらは、どちらもエイジズムだということが出来ます。なぜこのようなステレオタイプな考え方が生じてしまうのでしょうか?(次項でまとめます)
1⃣外集団均質性効果
若者には同じ世代のアイドルグループのメンバーそれぞれの個性がはっきりわかり区別がつくのに、中高年者には「皆似たような顔、似たような性格に見えてしまって区別がつかない」ということがあります。このような人間には、自分の属している集団である内集団の中の人についてはそれぞれの個人の違いがよくわかるのに、自分が属していない集団である外集団の人々は、みな同じような性質を持つように見えてしまう傾向があり、これを「外集団均質性効果」といいます。
この効果が介護する人にもはたらいて、高齢者1人ひとりの人格を無視したステレオタイプな捉え方や画一的な関わりに結びついてしまうことがあります。
こうした偏った見方を出来るだけしないで、高齢者の尊厳を尊重した態度を持ち続けるためにはどうしたらよいでしょうか??
1つには、私たちが偏った見方を持ちやすい傾向を持っているという事実を知り、時々意識的に自分の考えを点検することです。
例えば利用者である高齢者の若いころの写真を見せて貰ったりすると、目の前の利用者が、実は最初から高齢者なわけではなく、自分たち同様に、若い時もあり、仕事や家族を持ち、個性豊かに生きてきた1人の人間だと、当たり前のことに気付けることがあります。
このように、高齢者に対する介護福祉職の見方が、「高齢者」という自分とは異なるカテゴリーから、自分と同じ「生活者」というカテゴリーに変わっていくことで、高齢者1人ひとりの尊厳に配慮することが出来るようになり、尊厳を大切にした支援に近付くことが出来るようになります。
3.高齢者における「老い」の価値転換
多くの理論において、老年期にはそれまでの価値観とは別の価値観を獲得してゆく高齢者の様子が示されていました。価値観の大きな変化の1つに「老い」についての見方の変化があります。
高齢になると皮膚が張りを失い、しわが増え、背筋が曲がり、身長も縮んできます。外見の変化だけではなく、物覚えが悪くなったり、老眼が進んで近くに物が見えにくくなったり、主観的にも歓迎しにくい変化が現れると、老性自覚が進むと言われています。そして多くの人がこうした変化を先延ばしにしたいと思っています。
しかし人は誰1人として、老いを避けることは出来ません。こうして「老い」に向き合うことになった時、「老い」を否定的に捉えてばかりいると生きる気力を失ってしまいます。
しかし、高齢者の殆どが、実際にはほとんど気力を低下させずに社会に適応しています。それは多くの高齢者が「老い」を肯定的に捉え、それまでに考えていたよりも前向きにとらえられるように価値観を変化させていくからです。このような「価値転換」が、老年期の発達を支えています。
4.社会から見た「老い」とは
高齢者自身が「老い」の価値を変化させるだけではなく、社会も社会も時代とともに緩やかにに緩やかに「老い」の捉え方を変化させています。その変化はエイジング(加齢)に関する用語の変遷によく示されています。
例えば、アンチエイジングとは加齢に対抗し、より健康的に生きようとする志向を表していますが、この思考の背景には「加齢」つまり「老い」を否定的に捉える見方があります。
しかし、プロダクティブエイジングの考え方は、老いを否定的に捉えていません。提唱者のバトラーは、プロダクティビティを有償労働だけではなく、相互扶助やセルフケアを含めたものとし、人が生涯に渡ってプロダクティビティを発揮することが重要だと説明しています。
つまり、プロダクティビティは、若者が生産的で高齢者が非生産的であるのではなく、若い時のプロダクティビティと高齢になってからのプロダクティビティとでは、それが発揮される状況や場面が異なるに過ぎず、どちらかの価値が高いということはないと考えているのです。このように社会の「老い」に対する見方には、
- 老いを否定的な老いを否定的なものとして遠ざけようとするもの
- 老いを積極的に意味づけようとするもの
- 老いを認めて適応しようとするもの
など、さまざまで、また時代や地域によっても異なります。
しかし日本をはじめ国際的に急速に高齢化が進んできた今日、国際社会全体が「老い」を、これまでよりも肯定的で能動的なものとして捉えるように変化してきたといえるのかもしれません。
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