福祉住環境整備

【②排泄動作】脳血管障害、関節リウマチや骨折などの場合は? vol.187

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は福祉住環境の中から「排泄動作」について、昨日・今日の2回にわけて書いていきます。

トイレの住環境及び設備機器について

Contents

1.便器での立ち座り動作
 1⃣手すりの取り付け
 2⃣立ち座り用の縦手すり
 3⃣座位保持用の横手すり
 4⃣座位姿勢が不安定な場合
2.車いす使用の場合
3.脳血管障害による片麻痺の場合
4.便器での姿勢保持
 1⃣歩行が可能な場合
 2⃣車いす使用の場合
 3⃣関節リウマチ、骨折などの場合
5.その他の住環境及び設備機器
 1⃣床仕上げ
 2⃣照明・色彩の工夫
 3⃣換気設備
 4⃣暖房設備

1.便器での立ち座り動作

1⃣手すりの取り付け

便器での立ち座りに用いる手すりは・・・
❶立ち座り用の縦手すり
❷座位保持用の横手すり
❸これらの機能を合わせたL字手すり
などがあります。

対象者の移動動作を考慮しながら、標準的な取り付け位置を参考に位置を調整します。また、立ち上がり時の体重を持ち上げる動作は、負担が大きくなるので、座る動作よりも便器から立ち上がる動作を中心に考えます。立ち上がり時に利き手側にならないように側面に取り付けるようにします。

2⃣立ち座り用の縦手すり

立ち座りようの手すりは、便器の先端より200~300mm程度前方の側面に設置します。上端は肩の高さより100mm上方までとし、下端は横手すりの高さまでとします。長さは800mm程度になります。縦手すりは、身体機能の低下につれて、便器から離れる方向に移動すると同時に、これよりもさらに低い位置の方が使いやすくなります。

3⃣座位保持用の横手すり

便器の中心線から左右に350mm振り分けた位置(手すりの芯ー芯距離で700mm)で、左右対称の設置が基本となります。取り付け高さは、車いすのアームサポート(肘当て)と同じ高さ、便座面から220~250mm程度情報を基本とします。この場合、壁側と反対側の片側手すりは、可動式手すりが望ましいです。可動方向は、垂直方向に跳ね上げるものと壁側を軸として水平方向に動くものがあります。

4⃣座位姿勢が不安定な場合

便器周辺に簡易に設置できる肘掛け上のトイレ用手すりをを設けます。トイレ用手すりは便器両側の手すりの芯ー芯距離が600mm程度で、壁面に取り付けた横手すりより近い位置にあり、からだの周囲を囲むので、肘を乗せて姿勢の安定が図りやすくなります。

2.車いす使用の場合

立位姿勢が短時間でも取れ、立ち上がって移乗できる対象者の手すりの設置は、歩行できる場合に準じます。立位姿勢が取れない場合は、障害や疾患の特性に合わせて、手すりの位置などを検討します。手すりは、車いすから移乗動作の妨げにならないように可動式とすることもあります。

3.脳血管障害による片麻痺の場合

麻痺側に介助者が立って介助するのが原則となります。手すりの位置は常に、健側と患側の確認を行い、障害に適した配置にします。

4.便器での姿勢保持

排泄動作には便器上での座位姿勢の保持が必要になります。保持できないと、姿勢が崩れて臀部がずれてしまったり、あるいは側方に転倒して、便や尿で便器回りを汚してしまうことがあります。

便器の座面高さは?

排泄動作は、座位姿勢と便器上で保つことが必要です。そのため座面の高さは、排泄時の座位姿勢の安定を優先して決めますが、移動方法によっては移動を優先することもあります。

1⃣歩行が可能な場合

踵が床面に届かないと姿勢が不安定になり排泄しにくいので、座位姿勢で床面に踵が付いていることを必ず確認して便座の高さを選択します。通常の便座の高さは、370~390mm程度ですが、この高さで踵が床面に届く場合は姿勢が安定します。一般的に高齢者の場合は、立ち上がりの容易さよりも座位姿勢の安定を優先します。

2⃣車いす使用の場合

  • 立ち上がらずに車いすから便器に移乗する場合は、便器の座面は車いす座面と高さを揃えます。
  • 一度立ち上がって移乗できる場合は、歩行できる場合の便座高さと同様になります。
  • 但し、車いす使用の場合は、車いすで十分に近づけるよう、便器前方下部にくびれやスペースのある形状の便器を採用します。
  • 臀部の間隔麻痺や、痛みを伴う場合は、既存の便座に、褥瘡予防用の柔らかく弾力がある便座をかぶせて使用すると良いです。

3⃣関節リウマチ、骨折などの場合

股関節の関節可動域に制限があったり、下肢関節に痛みを伴う場合は、下肢を屈曲させにくいので、便座の座面を高くする場合があります。便座下方に建築工事で台を作ってかさ上げをするか、事前に座面の高い便器を採用します。

5.その他の住環境及び設備機器

1⃣床仕上げ

汚れた時に掃除しやすい材質や、滑りにくい材質の物を選択します。タイルやシート状の塩化ビニルの床、リノリウムの床は水分があると滑ることがあるので注意します。

2⃣照明・色彩の工夫

高齢者は、夜間に暗い寝室から突然明るいトイレに入ると眩しさを感じます。JISでは、トイレの照度を75ルクスをしています。スイッチは明かり付きスイッチを選択します。

3⃣換気設備

換気は、トイレ内に窓があっても必要です。便器内で発生する臭気は、床面に近い壁面に換気口を設置して屋外に排出します。特に寝室に隣接したトイレでは、換気機能や消臭機能の付いた便器を用いることも考えます。

4⃣暖房設備

高齢者は、急激な温度変化による虚血性心疾患や脳卒中などにみまわれることがあるので、冬季はトイレの暖房が必要になります。部屋全体を暖める暖房と、足元付近にパネルヒーターのような輻射暖房を設置し、普段から全体を温かくしておくとことが大切です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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