こんにちは
介護ラボ・kanalogのカナです。 今回は・・・
HIVの理解とスタンダードプリコーションについて
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「不治の病」と恐れられていたHIV(ヒト免疫不全ウィルス)感染症ですが、1996年以降、HIVを抑え込む抗HIV薬が次々と開発され、HIVに感染してもHIV発症までの期間を延長させることができるようになりました。
多剤を組み合わせることにより、さらに体内のウィルスを抑え込むことができるようになるとともに、日和見感染症に対する治療方法も発達したため、結果的に、エイズを発症しても長期に生存することが可能になり、今ではHIV感染症は肝炎等と同じように、慢性感染症の1つとなっています。
エイズはもはや「死の病」ではなく、HIVを正しく理解することで不安や恐れを解消し、HIV感染者が介護を必要とした際には、普段通りの暮らしが出来るよう多職種連携で対応する必要があります。
HIVによる免疫機能障害について医学的・心理的側面の理解
❶病気の広がりについて
1981年(昭和56年)に世界で最初のエイズ患者が報告されて以降、2015年(平成27年)には、全世界で約3670万人がHIVに感染しています。一方年間死亡者数は最も多かった2005年(平成17年)の約200万人から2015年(平成27年)は約110万人と、約45%減少しています。
2020年末現在、世界のHIV陽性者数は約3.770万人であり、新規HIV感染者数は年間約150万人、エイズによる死亡者数は年間約68万人となっています。現在、世界には約3.670万人のHIV感染者がおり、そのうち約半数は自分が感染していることを知らないとされています。
日本におけるHIV感染の特徴は?
- 男性の同性間の性的接触で感染が拡大
- 3割程度はエイズを発症してから発見
- 都市部で多い
となっています。
❷HIV感染症とは
HIVは、免疫を担うリンパ球のうち、CD4リンパ球(血液中の白血球の1つであるリンパ球)に感染します。CD4リンパ球の中で、HIVが複製され、CD4が破壊されます。
そのため、血液中のCD4数は、免疫状態を示す重要な検査値です。また、血液中のHIV量も測定でき、これは、病気の進行速度を図るものとされています。治療により、検出限界以下に減らすことも出来ますが、HIVが体内からなくなることはありません。
HIVに感染しても、特に自覚症状はなく、感染に気付かなければ、無症状で進行していきます。そのため感染に気が付かずに治療を受けなければ、ウィルスの量は増加し、平均10年ほどでエイズを発症すると言われています。