こんにちは💛 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『バリアフリー法の概要』について５回に分けて書いていきます。今回は３回目です！
協議会と住民提案制度の導入
Contents
１．バリアフリー法の特徴（後半）
1⃣協議会と住民提案制度の導入
2⃣施設管理者の責務と既存建築物の整備
3⃣段階的かつ継続的な発展（スパイラルアップ）の促進
１．バリアフリー法の特徴（後半）
今回は『バリアフリー法の７つの特徴』の中から後半の３つを書いていきます。前半の３つは前回のブログにまとめています。（ボリュームがあるので２回に分けます）。
バリアフリー法の７つの特徴は、
- ❶対象者の拡大
- ❷対象施設の拡充
- ❸基本構想の策定
- ❹協議会と住民提案制度の導入
- ❺施設管理者の責務と既存建築物の整備
- ❻スパイラルアップの促進
- ❼地方公共団体による建築物のバリアフリー基準の付加
の７つあります。今回は❹～❻の3つについて書いていきます。
1⃣協議会と住民提案制度の導入
基本構想の作成の際、高齢者や障害者などの計画段階からの参加の促進を図るため、作成に関するまち歩き点検や、事業者の協議を行う協議会が法律で位置づけられました。
協議会は、
- 各事業の実施主体
- 高齢者・障害者などの住民
- 学識経験者
などにより構成されます。
協議会の設置は任意になりますが、「バリアフリー法」内で明確に位置づけられているため、事業者が住民との協議の場を避けることができにくくなり、協議の場で決められた重点整備地区における整備の促進など、基本構想への拘束力は強くなります。
この協議会の設置・運営は、市町村によって行われ、基本構想の進捗管理・評価の側面も有します。
一方、住民等が自主的に地域のバリアフリー基本構想を提案する「住民提案制度」が法に規定されています。
また、地方公共団体の福祉のまちづくり条例の中には、公共施設のバリアフリー整備のために住民意見を聴取する条文を導入し、そのための手続きを定めているところも見られます。
今後も地域のバリアフリー化にかかわる市民の責務が薄れることはありません。
福祉住環境コーディネーターの役割には、これら「バリアフリー法」に関わるバリアフリー基本構想の住民提案を目指す地域住民や関係団体を積極的にサポートすることも挙げられます。
他の『協議会』記事はこちらから・・・
【❾障害者総合支援制度】相談支援事業３つの区分（基本・地域・計画相談支援） vol.584
2⃣施設管理者の責務と既存建築物の整備
「バリアフリー法」では、施設管理者の責務が明示され、新設や新築時の移動等円滑化基準への適合が義務付けられています。
- 基準への適合を怠った場合には罰則も適用されます。
既存の旅客施設、建築物、公園などの所有者、管理者には義務はありませんが、移動等円滑化基準への適合努力が求められます。
各施設は、新築時は勿論、既存施設においても整備された施設が、いつでも利用者によって良好に維持・管理されていなければなりません。
そのためには、バリアフリー化後の事後検証へのしくみが重要になります。市民・利用者によるチェック機能や、利用者への適切な施設利用情報を提供する仕組みを作る必要があります。
3⃣段階的かつ継続的な発展（スパイラルアップ）の促進
スパイラルアップとは、１つひとつのプロジェクトの成功事例や失敗経験を重ね合わせて、より良いバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化に発展させていく考え方で、継続的なスキルアップの実行プロセスになります。
基本方針では、「移動等円滑化の内容員ついては、基本構想作成に係る事前の検討段階から事後の評価の段階に至るまで、高齢者、障害者等の利用者及び住民が積極的に参加し、この参加プロセスを経て得られた知見を共有化し、スパイラルアップを図ることが重要である」（移動等円滑化促進方針の作成においても同様に記述されている）とされています。
事業の経験を積み重ねて、同じ事業者や異なる事業者に情報を提供し、国、地域全体でレベルアップします。
そのためには、整備情報補共有と、さらなる協議、新たな目標に則した「適切な事業計画を立案する仕組み」が重要となります。
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