こころとからだのしくみ

【健康とは何か?】健康には3つ定義がある vol.4

2020-06-17

こんにちは! 介護ラボのカナです。今回は・・・健康とは何かについて書いていきます。

健康の3つの定義(QOL)

介護ラボのトップページ(介護について色々なカテゴリーをまとめています)🌟

介護ラボ・辞書のトップページ

「健康ってなに?」

と問われたら、あなたはどのように答えますか?

多くの人は、

「元気であること」

「病気でない状態」

と答えるのではないでしょうか。

これは間違いではありませんが、100%的を得たといえるかというと少し違います。

「健康」とは、実はもっと多面的で奥深いものなのです。

健康の定義は3つあって、

  • ①身体、こころ、社会的な健康のこと
  • ②生活の質(QOL)
  • ③継続性

になります。

今回は、上記の「健康の定義」の3つについて順に説明していきます!!

身体、こころ、社会的な健康

健康を端的に言い当てているものとして、WHOの検証全文があります。それには、

「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しない事ではない」

と健康の定義をしています。

ここでわかるのは、健康は「身体」だけの問題ではないということ

たとえば、身体に痛いところもかゆいところもなく、医師からも「問題はない」と判断されたとしても、心の病を抱え込んでいたとしたら、それは健康とは言えません。

また、心身共に異常がなくても、経済的な理由で食べるものに困っているという場合も、健康とは判断されません。

つまり、『身体やこころは勿論、社会的にも健全であること』を健康といいます

生活の質も考える

WHOの健康の定義は、1998年の憲章全体の見直し作業の中で、WHO執行理事会において次のように再検討されました。

「完全な肉体的、精神的、霊的及び社会的福祉の動的な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しない事ではない」

加わったのは「霊的」と「動的」という2つの言葉。

一見分かりにくい言葉ですが、「健康とは何か」を考えるときに非常に重要な意味を持っています。

「霊的」原文では「Spiritual」、スピリチュアルです。

一般的には霊的な体験や宗教的なイメージがあり、WHOの中でも様々な解釈がなされていますが、1つ言えるのは「人間の尊厳」や「生活の質」の意味が込められていることです。

生活の質は・・・QOLの訳で、「生きているだけ」ではなく、「どう生きているか」その質が大事という考え方のことです。

『生活の質、生命の質、人生の質』とも言われています。

たとえば、介護施設で夜中に失禁してしまう高齢者におむつをつけることがあります。それにより介護は楽になりますが、高齢者本人は「屈辱的」と感じ、誇りを失ってしまうことがあります。

「人間の尊厳」を大事にする立場を取れば、おむつはできるだけ着けない方が良いと考えることが出来ます。

また、がん患者に対し、がんを治すために抗がん剤を投与して快方に向かっても、その一方で、髪の毛やまつげが抜けるといった副作用があることがあります。

特に女性の場合、容姿の変化は非常につらい体験であるため、「生活の質」が低下しないように、化粧をしたり、ウィッグを用意するといった配慮をすることがあります。

こうした「尊厳」や「生活の質」が保たれていることも、健康の条件といえるのです。

「介護ラボ」の人気の記事 
介護に困ったときに知っておきたいこと(相談窓口・手続き) 
介護保険で利用できる『7つの介護予防プログラム』を使って自立した生活を継続しよう! 
【ピアジェ、エリクソン、ハヴィガースト】発達段階と発達課題 vol.77  
【比較】エンパワメントとストレングスとは?介護福祉職による支援方法 vol.45  
【老年期】ハヴィガースト、エリクソン、ペック、レヴィンソン、バルテスの発達理論 vol.283  
【介護福祉の基本理念・ポイント3つ】最も大切な理念とは? vol.8  
【障害受容の5つの段階】障害者を取り巻く4つの障壁(バリア)vol.49  
【発達理論】ピアジェ、エリクソン、バルテスの発達論を理解する vol.76  
【アセスメントの3つの視点】情報の解釈、関連付け、統合化とは? vol.195 

③継続性を考える

もう一つの「動的」にはどのような意味が込められているのか。

「動的」の原文は「Dinamic」、ダイナミックという言葉はよく使われますが、WHOのダイナミックの意味付けの1つに「継続」があります。

例えば、健康診断をしても異常が見つからず、「健康」と判断されたものの、たばこを吸い、暴飲暴食を繰り返した結果、ある日突然、脳梗塞で倒れた人がいたとします。

この人はある一時期は確かに健康でしたが、「健康的な生活」を送っていたかというと、違います。

健康だったものの、「不健康な生活」の結果、病気となってしまいました。つまり、「健康」と「不健康」は決して別のものではなく、一直線上に並んで存在するということです。

大切なのは、健康を維持し、それを「継続」すること。

健康的な心身を持ち、その状態を継続できるように日々気を付け予防に努めることも「健康」の条件ということになります。身体が元気であることだけが「健康」ではありません。

身体、こころ、社会的、人間の尊厳、生活の質、健康の継続、そのすべてを満たしているものが「健康」ということであり、介護に携わる者は利用者に対し、こうした多様な意味を含んだ「健康」を目指すのが理想的といえます。

健康って一言で簡単に言いますが、色々な意味を持っているんですよね。

身体的な健康がメインになりがちですが、こころ、経済的、尊厳・・・

実は奥深いものなんだと思いました。

健康とは何か

他の『健康とは何か』記事はこちらから・・・
【健康状態の把握】生活行動の観察と5つのバイタルサイン vol.95

ADL QOL グループホーム ケーススタディ コミュニケーション ノーマライゼーション バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉住環境 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 障害者総合支援法 食事 高齢者


人気ブログランキング

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

に参加しています。よかったら応援お願いします💛

良かったらTwitterのフォローお願いします🥺



Follow me!

  • X
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

-こころとからだのしくみ
-, ,